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売人の愉しみ ——神保町ブックフェスティバル初参加の記

共和国のシモヒラオ氏は頭を抱えていた。ここでいう共和国とは一般名詞ではなく、2014年4月にこの元編集者がなけなしの100万円を投じて起業した極零細出版社のことだ。法人化してあるので正しくは株式会社共和国であるその出版社は、ほかに社員めいた存在もないようなので、かれが代表取締役兼奴隷ということになる。この4年足らずのあいだにもそもそと少部数の新刊を30点足らず刊行し、売れ行きこそタイトルによって波があるものの、なんとか法人を維持できているらしい。 (さらに…)

「意義のないブックイベントを、ひたすら続けること」

2011年に「編集室屋上」という出版レーベル(会社ではないので自分ではこう呼んでいます)を始めたのと同時期に、「東京野球ブックフェア」というイベントを始めました。イベント運営は編集室屋上名義ではないので「版元日誌」の名にそぐわないかもしれませんが、このイベントについて書かせていただきます。 (さらに…)

まちライブラリーから見えてきた「本と人とまち」  

■「まちライブラリー」とは何?
「まちライブラリー」という活動をご存知でしょうか? 「まち」+「ライブラリー」、わかったような、わからない名前だなと感じられる方も「ライブラリー」は本屋と違うので縁がないなと思う方も少しお時間をください。2011年、私が「本をとおして人とつながろう」ということをテーマに小さなまちの図書館づくりを提唱して早くも6年の歳月が経ちました。今では全国で500カ所以上に広がった活動です。 (さらに…)

福岡を本の街に―—ブックオカ12年目の秋に

「 藤村さん、“一箱古本市”って知ってる? そう、東京の谷根千界隈で始まった古本の路上フリーマーケット。ああいうお祭り的なイベントをね、福岡でもやれたらいいなって思うんですよ」
 今から11年前、2006年の春先のことである。福岡・赤坂の個人書店「ブックスキューブリック」の店主・大井実氏が、やおら熱く語り始めた。場所はキューブリック近くの小さな立ち飲み屋。メンツは大井氏と私、それにネットで古書店を営む女性の3人だった。酔っ払うにはまだ早い時間だったように思う。 (さらに…)

「考えること」は、やめられない

 日々を生きていると、さまざまな思いが胸をよぎります。人と接し、物事に直面し、そうしたことから生まれる感情に、行動が左右されます。
 「嫌だ」と思ったこと、「何か違うんじゃないか」と感じたことが、すぐに口から飛び出してしまっている感覚。
歳を重ねていくうちに、そうした状態に至る臨界点というか沸点のようなものが、少しずつ下がってきている気がしています。 (さらに…)

電子専業出版社が紙出版を始めた理由

プチ・レトルという出版社で代表をしております、大倉と申します。プチ・レトルは2013年1月設立、当初の事業は電子書籍の出版でした。そうです。うちは、電子書籍の出版から紙書籍の出版へ乗り出すという、時代に逆行するような試みをしたのです。

「どうしてこの時代に電子書籍から紙の書籍に?」と、周りの方々からもよく聞かれます。たしかに電子書籍は徐々に普及しており、電子書籍ユーザーは一定数いますし、市場も着実に伸びています。中には、「電子書籍はこれからなのでは?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、4年間電子書籍専業で出版をやってきて、残念ながら電子書籍だけではビジネスにならないという結論に至りました。また、詳細は後でお話しますが、電子書籍の出版では様々な理由から、出版社でできることが非常に限られてしまいます。紙書籍の世界に踏み込むことで、自分たちが出したいと思う様々なジャンルの本を、もっとたくさんの人に読んでいただける可能性が大きく広がると感じたのです。 (さらに…)

始まりはいつも思いつきから

皆さん、こんにちは。
小社は一昨年の年末にスタートした、大阪と京都の境の“天下分け目の天王山”の麓から、「希望をカタチにしてお届けする」小さな小さな出版社です。

創業2期目になる今年は、かつて神戸の名ソムリエとして知られた著者が、淡路島で自給自足の有機農業を実践しつつ、私たちの食や農業、暮らしなどについて思考を重ねた、都市生活者と農業を架橋する手づくりの現代思想『哲学するレストラトゥール

を5月末に、 (さらに…)

初秋の高野山 紅葉にはまだ早かったけれど かすかに色づきはじめた世界遺産を堪能!

先月、BS11『尾上松也の謎解き歴史ミステリー』で「高野山」「空海」を2週にわたり放送。この番組に弊社刊行の『チベット密教図説マンダラ瞑想法』の著者正木晃氏が出演。
さらに、NHK『ブラタモリ』で高野山が3週連続でテーマに。
弘法大師・空海によって約1200年前に開山された高野山へ、グッド・タイミングな事前学習をさせていただいた上での旅行。

    高野山 (さらに…)

『完本 丸山健二全集』創刊に寄せて

 丸山健二全集、計百巻(予定)の刊行にあたり、お知らせさせていただきます。
 弊社はこのたび、十年余の歳月をかけ、丸山健二氏の全集を発刊することになりました。全集はふつう、著者の既刊本を並べるだけのものでありますが、丸山氏は全作品を新たに書き下ろしているため、これだけの歳月が必要になるわけです。 (さらに…)

「とじていない」出版物

 前回の版元日誌で、電子書籍ではページ概念が固定していないということを書きました。
 紙の書籍や雑誌は文字の連なりをページごとに区切って印刷し、それを綴じることで成り立っています。
 いま、人々の情報取得手段として、紙の書籍や雑誌から着々と可処分時間を奪っていっている電子書籍やwebサイト、SNSといったメディアの表現形式は、そうしたページの区切りから解放された「新しい巻き物」といえるでしょう。

 webサイトはさまざまな制約や計測上の要求などから、擬似的にページで区切られたものもありますが、いっぽうでページ長に物理上の制約がないことを象徴するような、「無限スクロール」という手法も使われるようになりました。どれだけスクロールしても終わりなくコンテンツが更新されて出てくるさまは、まさに魔法の巻き物です。
 決まった順序にしたがって「綴じられていない」コンテンツは、自由自在にワンタップであちこちにジャンプしていける「閉じられていない」コンテンツでもあります。その魅力が、電車内のみんながスマホに向かってうつむいている風景を生んでいるのでしょう。
 しかし、この綴じていない形式、紙の出版物でも可能です。それも、よりダイナミックな経験ができるかたちで。
 今回の版元日誌では、小社で出版している「綴じていない」出版物から2種、紹介させてください。 (さらに…)