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博士論文を出版するための情報共有って必要でしょうか?

 青弓社の矢野未知生です。当社は学術書を刊行しています。入門書もありますが、入門書の次の段階以降の書籍が多く、博士論文の書籍化も手がけています。

 博士論文をもとにした書籍(以下、博論本と略記)について、以前、「博士論文を本にする」というエッセーを書きました。それとは別に、気になっていることを書きます。

 なお、以下では人文書系の博論本にまつわることですので、理系の実情はわかりません。

 まず、博論本はなかなか売り上げが伸びません。前提となる刷り部数が少ない、ということももちろんありますが、仮に800部を刷って半分を販売するためにも長い時間かかる場合もままあります(もちろん、増刷する書籍もたくさんあります)。そのため、博論本は日本学術振興会の研究成果公開促進費や各大学の助成を活用して、つまり、一定額の支援をもとに書籍に仕上げることも多くあります。

 例えば、日本学術振興会の研究成果公開促進費は毎年11月が申請時期です。それまでに完成稿と諸々の書類をそろえる必要があり、その書類のなかには出版社が作成する見積書などもあります。見積書を作るためには、完成稿に近いバージョンの原稿で文字数や図版点数などを確認する必要があり、また見積書や申請書類は9月・10月に研究者が所属大学に事前に提出することが多いため、夏休み期間が博士論文をリライトする大切な時期になります。極端に言えば、8月を制する者が博論本を制する、というわけです。 (さらに…)

1年3カ月ぶりに新刊を出しました。

介護と学参の本を中心に14年間少しずつ刊行を続けてきましたが、ここ数年は認知症の母の介護で、ケアマネさん向け自社本の内容を実践する日々を過ごしています。できることを奪わない、否定しない、がんばりすぎない、著者が本の中で教えてくれたことが、母と私達家族を支えています。
ただ、まとまった時間や先々の約束ができないために仕事は進まず、『小学生からの漢詩教室3

を昨年3月に出してから、時間ばかりがたってしまいました。
この『小学生からの漢詩教室』は、小学生にも難しくないように、なぞり書き、漢字の書き順のページまであります。そのために図書館にはほとんど入りませんでしたが、時折小学校からのご注文をいただくことはあり、本当に嬉しい気持ちになります。 (さらに…)

新聞に広告を載せてみよう

 スタイルノートの池田です。1年半以上ぶりの版元日誌です。
 みなさんは新聞に広告を載せていますか? 今回は時々質問されることがあるので、新聞広告のことがイマイチよくわからないという方向けに、弊社の経験や豆知識をつらつらと書き綴りました。

 「書籍の新聞広告にはもう効果が無い」としばらく前から言われています。確かに広告を掲載しても反応があったのかなかったのか、版元側にはなかなかわかる術がありません。ところが、ここ一年、新聞広告の効果を実感することがあったので紹介したいと思います。

 2016年10月。朝日新聞に『金賞よりも大切なこと

のサンヤツ広告を掲載しました(※サンヤツとは、新聞の第一面の下部に8つ書籍の広告が掲載されているもの)。この本は、2009年に刊行した本で、刊行当初は広告を出す余裕もあまり無く、当時はまだやっていた新刊委託(その後やめた事情はこちら)もあまり効果がなく返品が多かったのですが、評判が広がり、その後重版を重ねて、今ではスタイルノートの中での総刷り部数1番の本です。10月はちょうど吹奏楽コンクールの季節でもあるので、試しに載せてみたのです。 (さらに…)

作家が出版社を作るということ

はじめまして。謎専門出版社、SCRAP出版の大塚と申します。

突然ですが、リアル脱出ゲームをご存知でしょうか?
これは参加者がある場所に閉じこめられ、一定時間内に謎を解いてそこから脱出を試みる体験型エンターテイメントです。
マンションの一室から遊園地、スタジアムまでさまざまな場所で開催され、時には『名探偵コナン』『ONE PIECE』など、いろんな漫画やアニメとコラボした公演も行っています。

SCRAP出版は、そのリアル脱出ゲームの企画制作をしている株式会社SCRAPの一部門として、ちょうど1年前の2016年5月に立ち上げた出版レーベルです。
既刊・近刊は下記になります。
(さらに…)

「出版社スタンド・ブックスと申します」


はじめまして。
スタンド・ブックスという出版社を始め、版元ドットコムに参加させて頂きました森山裕之と申します。
2016年3月1日に会社を設立し、ちょうど1年後の2017年3月1日、1冊目の本となります、シンガーソングライター前野健太の初の著書『百年後』を取次搬入しました。
20年間会社員として、雑誌やいろいろな書籍を編集してきました。40歳を過ぎ、折り返しの20年が見えた時、自分で出版社を始めることにしました。
社名はスライ&ザ・ファミリー・ストーンの「スタンド!」という曲からとりました。「!」は登記できませんでしたが、ロゴにはしっかりと入れました。デザイナーの大原大次郎くんが作ってくれました。
本の企画、制作、取次との口座開設に1年間を要しました。
今年に入り営業の関田正史くんが来てくれて、現在はふたり体制です。
今年3月まで、編集、営業、取次、倉庫、宣伝……あらゆるものが押し寄せて来て、睡眠時間があまりとれなかったこともありますが、最後どう切り抜けたのかほとんど記憶がありません。
ようやくスタートすることが出来ました。
今日はご挨拶を兼ね、『百年後』を出版した後に書いた「編集後記」を転載させて頂きます。
これから、どうぞよろしくお願い致します。 (さらに…)

「アマゾン、日販バックオーダー発注中止に思うこと」

4月28日に通達があったアマゾンのバックオーダー発注停止通告問題で、GW中も頭を抱えていた水曜社・佐藤です。

ちょうど版元日誌を書くことになりましたでこの問題の感想などを書いてみたいと思います。
簡単に言えば日販に在庫されていない商品についてアマゾンは今後e託以外で発注しないということに要約されるわけですが、水曜社書籍の日販Web倉庫在庫状況を再確認してみました。

日販三芳倉庫の4/21付在庫によると水曜社の登録書籍点数は296点。在庫ゼロは74点。
そのうちステータス32もしくは33は合計38点。
ステータス21=在庫僅少は6点。
ステータス11=在庫有にも関わらず在庫されていない商品は30点、その内13点は過去12ヶ月の稼働数が5冊以下。
更に過去12ヶ月の稼働数6冊以上の商品のうち毎月1回の補充リストに入っていたものが5点。
したがってステータス11にも関わらず補充されなかった商品は12点となります。

弊社は日販と大阪屋栗田にWeb用在庫があるので何とかなるかなと思っていたのですが、今回の件でアマゾンの商品ページを詳細に調べてみると、すでに新品カートが無い商品を何点か確認。すでにおおごとになっているかもしれません…。

問題の解決方法としては二つ。
一つ目は取次に全ての商品を在庫してもらう。でも毎年約20冊刊行としても、新たに32もしくは33になるのは年平均1点以下。増え続ける書籍点数を考えても現実的ではないでしょう。
二つ目はアマゾンe託と契約する。取次と同条件なら問題はありませんが正味が大幅に下がってしまうこと、将来の取引条件改悪の危険性を考えると二の足を踏んでしまいます。 (さらに…)

書誌情報と書影とopenBD 

openBDプロジェクトは、書誌情報・書影の収集を版元ドットコム、APIシステムの開発をカーリル(図書館横断検索サービス開発会社)で分担しあって、書誌情報・書影をAPIで、だれもが利用できるサービスをはじめた。

●だれもが自由に使える書誌・書影
ある本の存在を知るきっかけにインターネットの情報が大きな存在感となっている。
インターネット以前なら、ある本の存在を知るのは書店であったり、新聞・雜誌などの書評や広告だったり、友人・知り合いの口コミからだったりしていた。
インターネットでは、ブログという個人の「日記」、ツイッターやフェイスブックなどのSNSの利用が拡大して、個人の口コミがより手軽になって、広がっている。その際に本の話も多く口コミされている。
こうしたインターネット上での本の紹介では、それを読んでくれた人がその本の購入にたどり着けて欲しい。
特にわれわれ出版社としては、タイトル・ISBN・著者名・出版社名を表示してより確実にたどり着けるようになって欲しいと考える。
また、購入意欲を高めるために書影も表示されたい。
版元ドットコムが図書館蔵書横断検索サービスのカーリルとopenBDというサービスをはじめた動機は、書誌情報・書影をだれもがカンタンに利用できる環境をつくり、われわれのつくった本を一人でも多くのひとに知ってもらいたかったからだ。 (さらに…)

売れる見込みのない本に、一筋の光明?

 少々古い話になるが、2015年の6月に刊行した『妄想か、大発見か… 亀ケ岡土器には甲骨文字が刻まれていた』は、いわば自費出版本である。
 著者は佐藤国男氏。函館在住の木版画家で、宮沢賢治童話の挿絵で知られる同氏は、在野の縄文研究家でもある。周辺の田畑や空き地から土器や石器がゴロゴロ出てくるような環境に育ったことから、木版画に目覚めるより先に、古代史の魅力に取りつかれた。
 とくに興味をもったのは、縄文土器・土偶につけられた縄目文様だった。縄文人はなぜ1万年もの長きにわたって、縄目文様を刻み続けたのだろう。その心が知りたいと願った少年のころより半世紀、自分なりに各種文献を読み漁り、縄目文様の意味を探り続けてきたのであった。
 そんなこと考古学の本を読んだり考古学者に尋ねたりすれば、すぐにわかるはずだろう、と思いきや、佐藤氏いわく「日本の考古学者は誰も答えを提示してくれない」。権威ある考古学者たちの見解は、「土器・土偶につけられた文様はあくまでも装飾であって、何の意味ももたない」というもので、ほとんどの研究者が「右へならえ」なのだそうだ。 (さらに…)

城郭研究者必携の本が出来ました

近江には1300以上の城跡があります。1997年、サンライズが最初に作ったお城の本は『近江の城−城が語る湖国の戦国史』(中井均著)でした。
それから20年、当初は滋賀県内の城郭の本を出していたのですが、いつしか県外のお城にまで範囲を広めるようになり、今春、遂に『織豊系城郭とは何か−その成果と課題』という全国レベルの本を発刊することができました。

この本の企画は1984年関西で結成された「城郭談話会」から30周年記念として出したいというお話を2013年に受け、2015年3月に刊行の予定でした。
ところが、原稿の遅延、掲載論考や城郭の追加などで2年遅れとなってしまいました。一時が、難産の末、立派なものに仕上がったことに安堵しています。
執筆陣は城郭研究の重鎮・村田修三氏、「織豊系城郭」という言葉を最初に用いた千田嘉博氏、礎石建物・瓦・石垣の3点セットが織豊系城郭の特質であるという中井均氏を始め、全国各地で活躍しておられる70名以上、併せて71本の論考・個別城郭67城、引用・参考文献が1000点以上というボリュームになりました。また他に類書がないというも、この本の売りです。 (さらに…)

「本の解放区」:オルタナティブに本を売る

 ひとりで版元をしております、三輪舎の中岡と申します。
 前回この日誌で書いた記事「本屋にきびしい国で、本屋が増えるはずがない。」は思いもよらず、たくさんの方に読んでいただいた。出版業界の方と名刺交換すると「あの記事読みましたよ」と声をかけてくださることが頻繁にあった。なにぶん、この業界に入ってから3年と日が浅く、これといって業界ネタになるようなことを持ち合わせていない身にとって、何気なく書いた記事がきっかけで話に花が開くというのは心底助かった。そのようなチャンスをくださった版元ドットコムの皆様には大変感謝している。ありがとうございます。

 今年は、年に一度の本の祭典「東京国際ブックフェア」が今年は開催されないという。

 「ブックフェア開催見送り」(毎日新聞 2017.3.12)

 やっぱりなぁと思った。昨年までに3回訪れたことがあるが、いつもがっかりしていた。トークイベントが楽しみで行くのだけれど、販売ブースについては本を安く購入できる以外のメリットはないと思うし、そのメリットでさえも個人的にはあまり感じたことはない。数万人の来場があるイベントである。売上=客数×客単価なので、客数を上げるには一定の効果はあるのかもしれないが、ブックフェアの会場から出ていく人たちの様子を見ていると、本を“爆買い”しているひとは多くない。平均的には2〜3冊ぐらいだろうか、客単価はあまり高くはないように見える。
 記事によれば「(来年は)今までの延長線上にない新しいものにするため、しっかりと時間をとる」ということなので来年の東京国際ブックフェアには相当期待している。 (さらに…)