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売れる見込みのない本に、一筋の光明?

 少々古い話になるが、2015年の6月に刊行した『妄想か、大発見か… 亀ケ岡土器には甲骨文字が刻まれていた』は、いわば自費出版本である。
 著者は佐藤国男氏。函館在住の木版画家で、宮沢賢治童話の挿絵で知られる同氏は、在野の縄文研究家でもある。周辺の田畑や空き地から土器や石器がゴロゴロ出てくるような環境に育ったことから、木版画に目覚めるより先に、古代史の魅力に取りつかれた。
 とくに興味をもったのは、縄文土器・土偶につけられた縄目文様だった。縄文人はなぜ1万年もの長きにわたって、縄目文様を刻み続けたのだろう。その心が知りたいと願った少年のころより半世紀、自分なりに各種文献を読み漁り、縄目文様の意味を探り続けてきたのであった。
 そんなこと考古学の本を読んだり考古学者に尋ねたりすれば、すぐにわかるはずだろう、と思いきや、佐藤氏いわく「日本の考古学者は誰も答えを提示してくれない」。権威ある考古学者たちの見解は、「土器・土偶につけられた文様はあくまでも装飾であって、何の意味ももたない」というもので、ほとんどの研究者が「右へならえ」なのだそうだ。 (さらに…)

城郭研究者必携の本が出来ました

近江には1300以上の城跡があります。1997年、サンライズが最初に作ったお城の本は『近江の城−城が語る湖国の戦国史』(中井均著)でした。
それから20年、当初は滋賀県内の城郭の本を出していたのですが、いつしか県外のお城にまで範囲を広めるようになり、今春、遂に『織豊系城郭とは何か−その成果と課題』という全国レベルの本を発刊することができました。

この本の企画は1984年関西で結成された「城郭談話会」から30周年記念として出したいというお話を2013年に受け、2015年3月に刊行の予定でした。
ところが、原稿の遅延、掲載論考や城郭の追加などで2年遅れとなってしまいました。一時が、難産の末、立派なものに仕上がったことに安堵しています。
執筆陣は城郭研究の重鎮・村田修三氏、「織豊系城郭」という言葉を最初に用いた千田嘉博氏、礎石建物・瓦・石垣の3点セットが織豊系城郭の特質であるという中井均氏を始め、全国各地で活躍しておられる70名以上、併せて71本の論考・個別城郭67城、引用・参考文献が1000点以上というボリュームになりました。また他に類書がないというも、この本の売りです。 (さらに…)

「本の解放区」:オルタナティブに本を売る

 ひとりで版元をしております、三輪舎の中岡と申します。
 前回この日誌で書いた記事「本屋にきびしい国で、本屋が増えるはずがない。」は思いもよらず、たくさんの方に読んでいただいた。出版業界の方と名刺交換すると「あの記事読みましたよ」と声をかけてくださることが頻繁にあった。なにぶん、この業界に入ってから3年と日が浅く、これといって業界ネタになるようなことを持ち合わせていない身にとって、何気なく書いた記事がきっかけで話に花が開くというのは心底助かった。そのようなチャンスをくださった版元ドットコムの皆様には大変感謝している。ありがとうございます。

 今年は、年に一度の本の祭典「東京国際ブックフェア」が今年は開催されないという。

 「ブックフェア開催見送り」(毎日新聞 2017.3.12)

 やっぱりなぁと思った。昨年までに3回訪れたことがあるが、いつもがっかりしていた。トークイベントが楽しみで行くのだけれど、販売ブースについては本を安く購入できる以外のメリットはないと思うし、そのメリットでさえも個人的にはあまり感じたことはない。数万人の来場があるイベントである。売上=客数×客単価なので、客数を上げるには一定の効果はあるのかもしれないが、ブックフェアの会場から出ていく人たちの様子を見ていると、本を“爆買い”しているひとは多くない。平均的には2〜3冊ぐらいだろうか、客単価はあまり高くはないように見える。
 記事によれば「(来年は)今までの延長線上にない新しいものにするため、しっかりと時間をとる」ということなので来年の東京国際ブックフェアには相当期待している。 (さらに…)

カイゼン全開!~とても小さい出版社の場合~

3月中旬、さくら社は、にわかカイゼン週間となりました。
発売を間近に控えたソフト商品1,000本分のアッセンブル作業を5人で行った際のことでした。

その作業工程は、以下のとおりです。

1 DVDトールケースのジャケットカバーにジャケットを挿入
2 マニュアルをケースの左内側のツメに挟み込む
3 CD-ROMをケースの右側にはめ込む
4 ケースをOPP袋に入れる
5 OPP袋の封をする
6 セキュリティーシールを貼る

みなさんは、この6つの工程のうち、どれが一番難しいと思いますか?
どれが一番時間がかかると思いますか? (さらに…)

春はなにかと忙しいけれど

株式会社SCICUS(サイカス)と申します。弊社はJR中央線沿線の西荻窪にある医療系専門書の出版社です。
春先はどこの出版社も繁忙期ではないかと思いますが、弊社の近況としては、MR研修専門情報誌『Medical Education for MR(2017年春号)
と、MR認定試験受験対策用の問題集シリーズ9冊の制作に忙殺されておりました。なんとか無事発刊の運びとなり、ひとまずはホッとしているところです。

問題集の編集を出版物として担当するのは私にとって初めての経験でした。同時刊行で9冊分合計2,800問という充分な問題量の質への担保もさることながら、読者が問題を解くことに集中できる紙面構成、使いやすいかどうかなど、限られた時間とフォーマットの中での工夫が課題となりました。手にしてくださった方々の試験合格の手助けとなることを願ってやみません。 (さらに…)

【たかが名前、されど名前】

「不思議だな」と思っていた現象に名前がつく。たったそれだけで安心感を得たという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
自分の身体の不調にきちんとした病名がつくときなどは、それが顕著に感じられると思います。しかし、それが心の状態に起因する病気だったりすると、周囲からは単なる性格だとみなされてしまい、なかなか病気と認められず苦しい思いをしている人が多いという現状があります。
たとえば、「少しの汚れが気になって気になってしかたがない!」という場合、これは単なる「気にしすぎ」な性格か、あるいは、「強迫性障害」という心の病気かもしれません。
この場をお借りして、この病気に関する弊社刊行の書籍をご紹介させていただきます。

申し遅れました。私、彩図社編集部の栩兼紗代と申します。版元日誌上に登場するのは今回が初めてです。弊社について簡単にご説明しますと、サブカルチャーや歴史もの、旅行書、雑学本など幅広く刊行している総合出版社です。

ご紹介するのは、『ぼくは強迫性障害』

という文庫エッセイです。昨年10月に刊行され、ありがたくも多くの反響をいただき重版にいたりました。 (さらに…)

「重版にまつわるエトセトラ」

 2015年10月末に発売して以来、順調に版を重ねている『絵はすぐに上手くならない』(成冨ミヲリ・著)は、書評も出ていないのにTwitterなどで話題を呼び、毎月のように重版し、ただいま15刷りに到達しております。

 また、2016年末に刊行し、わずかひと月で重版が決定した『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』(嵯峨景子・著)や、2017年1月15日の「朝日新聞」の書評が効果てきめんで重版となった『メイキング・オブ・アメリカ』(阿部珠理・著)、さらには、こちらも発売ひと月足らずで重版が決定したばかりの『実験する小説たち』(木原善彦・著)と、弊社にしては珍しく(笑)、重版ラッシュが訪れております!

 そんな折だからこそ、今回は、小出版社における、「重版」について考えてみたいと思います。(ただし、弊社のように委託部数が多い場合の話になります。注文出荷制をとられている版元さんなどの場合は事情が異なること、最初にお断りしておきます) (さらに…)

相変わらず…

以前、3本目の「版元日誌」を寄稿したのは2011年5月だから、5年以上昔の話。その時「女房と二人だけの会社だし、まあ、出すべきものだけを出していくだけで、モトがとれるとはモトから思っていない、わけでもないけれど、こういうかたちでいつまでつづけられるかな」と書いた状態は依然としてそのままです。
昨年刊行できた書籍は3点。もっとも別に『季刊Collegio』という、口の悪い向きには「得体の知れない」小冊子を発行しているから2カ月に1点くらいは出したという勘定か。それもみなごく「少部数」出版に限られます。だから「会社」は実質休眠で個人事業。「事業」というのもおこがましい態。それも「気づけばいつの間にか高齢者」には相応しいと言えるでしょう。 (さらに…)

『ちつのトリセツ──劣化はとまる』……人生が変わる膣ケア

▼世界では常識、やっていないのは日本女性だけ!
 自分の指にオイルをつけ、その指を膣のなかに入れて、膣にオイルを塗りこむ──。
 これが、妊婦さんにはすでにおなじみの、「会陰マッサージ」の基本です。
 オイルでマッサージすると膣や会陰がやわらかくなり、うるおいも増すので、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、お産が楽になるのです。
 インドでは数千年も前から行われていて、最近、近代西洋医学でも効果が実証されたため、いまでは世界中の医療機関(日本では聖路加産科クリニックなど)が、妊婦さんたちに会陰マッサージを奨励しています。
 ところが、Be born助産院の医院長、たつのゆりこさんは、
「妊婦だけでなく、オトナの女性は全員、会陰マッサージをやったほうがいいんです。膣ケアをやっていないのは日本人女性だけ。世界中の女性が、すでに、あたりまえのこととして膣ケアを行っているのです」
 と、言うのです。 (さらに…)

「出版輸送の危機」への応答責任

「深刻さ増す出版輸送問題」
「流通改革の必要性強調」
「輸送問題『出口見えない』」
「取次社長が輸送問題語る訳」
 ——これらは、新年早々の業界紙『新文化』(1月19日号)の1〜2面に並んだ見出しの数々だ。
 最初の「深刻さ増す〜」が東京都トラック協会出版取次専門部会の瀧澤賢司会長にインタビューした1 面記事で、瀧澤氏は「発足時(昭和44年)72社いた部会店社は約半世紀を経て現在20店社となりました」として、「このままいくと早晩、出版輸送の崩壊がどんどん進む」と危機感を露わにしている。
 つぎの「流通改革の必要性〜」は業界会合で紀伊國屋書店の高井昌史社長が「取次会社による物流体制の維持が困難になっている」と発言したというもの。さらに「〜出口見えない」は日本出版取次協会(取協)の平林彰会長がドライバーの労働環境について「荷主として対応しないといけない」が「出口がまったく見えない」と語ったという。そして、最後の「〜輸送問題語る訳」は同紙の丸島基和社長によるコラムで「運送会社の悲痛な声が内在している」と指摘している。
 ひとつの号で、これだけ出版輸送の「危機」が語られることは珍しい。
 一方で、丸島社長が指摘するように、これらは昨日今日顕在化したのではなく「約20年にわたり、(略)深刻さを増している」問題だ。 (さらに…)