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「本が売れない」という涙を、猫に見つけられないために。 〜すごく小さい出版社の場合〜

こんにちは。
犬が好きな虹有社(こうゆうしゃ)の中島です。

最近、Twitterで見かけて、1話分を試し読みして、amazonでポチった『夜廻り猫』という漫画にはまっています。
(最寄りの3書店には在庫がなかったので)

夜廻り猫』は、遠藤平蔵という猫が、「泣く子はいねが〜」と、夜の街をめぐり、心で泣く人のもとを訪れ、ともに呑み、笑い、励まし、見守ってくれるという漫画です。市井の人々(ときには犬や猫)に、そっと寄りそってくれる優しさがたまりません。

先日、受注データを見ていたとき、「本が売れない」という涙を、夜廻り猫の平蔵さんに気づかれてしまうのではないかと心配になりました。 (さらに…)

むかしばなし

皓星社の創業は1979年でそろそろ社歴も40年になり、世代交代も現実のものとなっている。それで、少し昔話をしてみたい。
僕がこの業界に関係したのは、村松武司という人の知遇を受けたことによる。村松は朝鮮植民者の三代目として「京城」に生まれ敗戦で引き上げてきた人で、戦後詩の出発点である「純粋詩」や「造形文学」の同人の詩人。小山書店を経て、その頃、虎ノ門にあったダイヤモンド社で『数理科学』という雑誌の編集をしていた。小山書店といっても、知る人は少ないかもしれないが「チャタレイ夫人の恋人」の版元といえば頷く人もいるかも知れない。村松の紹介で昼間は小山久二郎氏のもとで働き、夜は太宰治の従姉弟という夫人の手料理に釣られて小山書店の回想の聞き書きなどしていた。 (さらに…)

『レッド あかくてあおいクレヨンのはなし』

小社では、今回初めて翻訳出版に取り組みました。アメリカで発刊された『レッド』という絵本を見つけたとき、どうしても日本の子どもたちに届けたいと思ったからです。
レッドは赤いクレヨンなのに、赤い物がうまく描けません。先生や家族、友だちがアドバイスしてもだめです。「赤」というラベルを貼られていますが、本当は「青」クレヨンだからなのです。絵本を見れば、子どもたちはすぐにそのことに気づくでしょう。けれど周囲の大人や友だちは、ラベルの中身が見えずに様々なことを言い合います。 (さらに…)

〈寛容〉と〈統制〉のはざま

 2016年は、いろいろと厳しい一年であった。中でも、4月14日、16日の熊本地震(2度の震度7)のダメージは大きい。仕事上も熊本へ行く機会が多く、知り合いの著者も多いため、震災に見舞われて以後の8か月間、精神的にいつもどこかに重苦しいものをかかえながら仕事をしていたように思う。
 
◆飯嶋和一と渡辺京二
 そういう状況の中で、飯嶋和一という作家の重厚な歴史小説に出会えたことは、ひとつの救いであった。江戸初期のまだ鎖国以前の幕府直轄領長崎を舞台にした『黄金旅風』。それとほぼ同時代の島原・天草一揆に材をとった『出星前夜』。いずれも400字で1000枚をこえる大作(小学館文庫)である。1630年代の貿易商人たちが海外との貿易を活発化させようとしている時代に幕府がそれを規制して国民を無力化させ土地にしばりつけてゆくようすが、克明に描かれている。歴史観、人物描写、風景描写、生活用具、医術、貿易船の航海描写、農作物、騎馬術にいたるまで明快に詳述され、主観的な感情移入がほとんどなく淡々と文章が展開してゆく。思わず線を引きながら読み返す場面もたびたび出てくる。その筆力にひき込まれていくのである。〈寛容〉という自由で遊びを含んだ精神が生きていた時代から徳川家という規律のもとにすべてを〈統制〉して民衆を土地と家にしばりつけていく時代へと変わってゆく、激動の時代を資料の裏づけをもとにリアルに浮かびあがらせている。 (さらに…)

絵本と翻訳 ~翻訳者より~

こんにちは。キーステージ21の中村です。この度、キーステージ21では、初めての翻訳絵本を刊行いたしました。『バニーといっしょ!おやすみ』というドイツの絵本です。

この絵本は、翻訳者のまるやまめぐみさんからの紹介でした。まるやまさんから絵本の翻訳について文章を寄せていただきましたので、今回はそちらをご紹介したいと思います。 (さらに…)

「国家」にこだわるロシア

 2001年9月のアメリカ同時多発テロ以来、世界はテロの時代に入った。国家の主権を奪うのではなく、人々を恐怖で支配して実効支配の地を広げるのがテロ集団だ。なまじ国家など預かると、法律だの外交だのと面倒な文書手続きをせねばならなくなる。故に、国家主権など握らず、実効支配だけでよい、と考えるのである。
東西冷戦が終結する前から、すでに政府に異を唱える国家対非国家主体の紛争(内戦)はあったのだが、あの同時多発テロ以来、同様のテロを試みる非国家主体は増え続け、今や戦いの多くは、国家同士の戦争ではなく、国家対非国家である。
 ところが、今や希少な、国家と国家の戦争を続けている国がある。ロシアである。2014年のクリミア併合にあるように、武力による領土拡大と統治を国際社会の批判にもかかわらず続けている。統治のコスト(民の不満を抑える警察と治安部隊の出動費、医療・教育などの住民サービス費)よりも、領土支配による効用(示威効果、資源の売買益、税収)のほうが大きいと思っているようだ。実際には計画経済が行き詰まったことと、治安出動の出費増大でソ連は崩壊したことを忘れたのだろうか。ロシア政府の下で暮らす人々に、思いが募る。 (さらに…)

人を食って人を売るために

 共和国のシモヒラオ氏は頭を抱えていた。ここでいう共和国とは一般名詞ではなく、去る2014年4月に、このシモヒラオという元編集者がなけなしの100万円を投じて起業した極零細出版社のことだ。ほかに社員めいた存在もないようなので、かれが代表取締役兼奴隷ということになる。この3年足らずのあいだにもそもそと少部数の新刊20数点を刊行し、売れ行きこそタイトルによって波があるものの、なんとか2016年も法人を存続できる見通しらしい。 
 いま、そのシモヒラオ氏が、そうでなくても浮かない顔をいっそう歪ませているのはなぜか。かれの共和国に、またもや返答に窮する封書が投げ込まれていたからである。いわく、「給料はいらないので雇っていただけないでしょうか」うんぬん。極零細出版社の身ではないか。みずから無賃労働を志願してくれるこのありがたい書面に、なぜかれは顔を歪ませなければならないのだろうか? いやー、これがなかなか面と向かってお付き合いすると大変でして……。 (さらに…)

「ガイア」とは

ガイアブックスと申します。
主に翻訳出版を行っております。

版元日誌執筆は2度目ですが、前回は産調出版としてお目にかかりました。
弊社は2013年1月に、それまでの産調出版からガイアブックスへと社名を改めました。
今回は、ガイアブックスの名の由来と、そこに込められた我々の想いをお話させて頂きます。

ガイアブックスの社名は、イギリスの科学者ジェームズ・ラブロックが提唱したとある理論に由来します。
ラブロックは、地球と生物が相互に関係し合い環境を作り上げていることを、ある種の「巨大な生命体の活動」と見なしました。詳解すると複雑系の議論が絡んできてややこしくなるので割愛させて頂きますが、要は、地球を単なる「地の球」ではなく一つの生命体と考え、近視眼的・部分的な介入ではなく、自然の大きな流れと自浄作用を尊重し、共生していこうという考え方です。
この仮説は、ギリシャ神話の大地の象徴と言われる地の女神(ガイア)から名前をとり、ガイア理論と命名されました。
当初は批判的見解も多かったのですが、現在では多くの賛同が得られています。 (さらに…)

「お金って一体何なのかマネー!?」

タイトルは、最近弊社が発刊した、子ども向けの図鑑につけたPOPのひと言です。
普段は金融機関向けの実務書・専門書を中心に制作している弊社ですが、
創業60周年記念出版として、子どもの図鑑を作ったのです。

図鑑のテーマはズバリ「お金」。
金融総合出版社だからこそ選んだテーマでしたが、企画段階からけっこう迷走しました。
子ども向けの本を制作するのがほとんど初めてだったことに加え、
いつも専門的な本ばかり作っているせいで、どうしても頭が固いのです。
上司と一緒に、最初の目次案をにらみながら
「なんかつまらなそう」「子どもがこんなの読むかな」…そんな会話をしました。 (さらに…)

「科学教育の仮説社」のある街・巣鴨においでください

「科学教育」の仮説社の主たる刊行物は,月刊誌『たのしい授業』をはじめとする,小中高校の先生方を主な読者としたものです。
 そのなかでも,「科学上の最も基本的な概念や原理・原則を教えることを意図した授業」である「仮説実験授業」に関する書籍が中心となっています。
 「科学上の最も基本的な概念や原理・原則」ときくと,なんだか難解なことがらを理解して覚えなければならないような気がしませんか。でも,そんなことはないのです。本当に基本的なことはとても単純です。基本中の基本概念である「原子論」だって,「すべてのものは原子からできている」,たったこれだけです。
 この原理・原則をもとにして,世の中におきている様々な現象を読み解いていけるようになるわけですから,これらを身につける学習,授業はたいへんたのしい時間になります。なぜならば,一つの重要な原理を理解すると,世の中の見え方が少し変わってくるからです。「そうだったのか。あれは,そういうわけだったのか!」というようにです。

 そこで,仮説実験授業を提唱した板倉聖宣(いたくらきよのぶ)さんは,そんな基本概念を絵本に書かれています。
 この「いたずらはかせのかがくの本」の新しい巻『せぼねのある動物たち』ができました。
『せぼねのある動物たち』 (さらに…)