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「国家」にこだわるロシア

 2001年9月のアメリカ同時多発テロ以来、世界はテロの時代に入った。国家の主権を奪うのではなく、人々を恐怖で支配して実効支配の地を広げるのがテロ集団だ。なまじ国家など預かると、法律だの外交だのと面倒な文書手続きをせねばならなくなる。故に、国家主権など握らず、実効支配だけでよい、と考えるのである。
東西冷戦が終結する前から、すでに政府に異を唱える国家対非国家主体の紛争(内戦)はあったのだが、あの同時多発テロ以来、同様のテロを試みる非国家主体は増え続け、今や戦いの多くは、国家同士の戦争ではなく、国家対非国家である。
 ところが、今や希少な、国家と国家の戦争を続けている国がある。ロシアである。2014年のクリミア併合にあるように、武力による領土拡大と統治を国際社会の批判にもかかわらず続けている。統治のコスト(民の不満を抑える警察と治安部隊の出動費、医療・教育などの住民サービス費)よりも、領土支配による効用(示威効果、資源の売買益、税収)のほうが大きいと思っているようだ。実際には計画経済が行き詰まったことと、治安出動の出費増大でソ連は崩壊したことを忘れたのだろうか。ロシア政府の下で暮らす人々に、思いが募る。 (さらに…)

人を食って人を売るために

 共和国のシモヒラオ氏は頭を抱えていた。ここでいう共和国とは一般名詞ではなく、去る2014年4月に、このシモヒラオという元編集者がなけなしの100万円を投じて起業した極零細出版社のことだ。ほかに社員めいた存在もないようなので、かれが代表取締役兼奴隷ということになる。この3年足らずのあいだにもそもそと少部数の新刊20数点を刊行し、売れ行きこそタイトルによって波があるものの、なんとか2016年も法人を存続できる見通しらしい。 
 いま、そのシモヒラオ氏が、そうでなくても浮かない顔をいっそう歪ませているのはなぜか。かれの共和国に、またもや返答に窮する封書が投げ込まれていたからである。いわく、「給料はいらないので雇っていただけないでしょうか」うんぬん。極零細出版社の身ではないか。みずから無賃労働を志願してくれるこのありがたい書面に、なぜかれは顔を歪ませなければならないのだろうか? いやー、これがなかなか面と向かってお付き合いすると大変でして……。 (さらに…)

「ガイア」とは

ガイアブックスと申します。
主に翻訳出版を行っております。

版元日誌執筆は2度目ですが、前回は産調出版としてお目にかかりました。
弊社は2013年1月に、それまでの産調出版からガイアブックスへと社名を改めました。
今回は、ガイアブックスの名の由来と、そこに込められた我々の想いをお話させて頂きます。

ガイアブックスの社名は、イギリスの科学者ジェームズ・ラブロックが提唱したとある理論に由来します。
ラブロックは、地球と生物が相互に関係し合い環境を作り上げていることを、ある種の「巨大な生命体の活動」と見なしました。詳解すると複雑系の議論が絡んできてややこしくなるので割愛させて頂きますが、要は、地球を単なる「地の球」ではなく一つの生命体と考え、近視眼的・部分的な介入ではなく、自然の大きな流れと自浄作用を尊重し、共生していこうという考え方です。
この仮説は、ギリシャ神話の大地の象徴と言われる地の女神(ガイア)から名前をとり、ガイア理論と命名されました。
当初は批判的見解も多かったのですが、現在では多くの賛同が得られています。 (さらに…)

「お金って一体何なのかマネー!?」

タイトルは、最近弊社が発刊した、子ども向けの図鑑につけたPOPのひと言です。
普段は金融機関向けの実務書・専門書を中心に制作している弊社ですが、
創業60周年記念出版として、子どもの図鑑を作ったのです。

図鑑のテーマはズバリ「お金」。
金融総合出版社だからこそ選んだテーマでしたが、企画段階からけっこう迷走しました。
子ども向けの本を制作するのがほとんど初めてだったことに加え、
いつも専門的な本ばかり作っているせいで、どうしても頭が固いのです。
上司と一緒に、最初の目次案をにらみながら
「なんかつまらなそう」「子どもがこんなの読むかな」…そんな会話をしました。 (さらに…)

「科学教育の仮説社」のある街・巣鴨においでください

「科学教育」の仮説社の主たる刊行物は,月刊誌『たのしい授業』をはじめとする,小中高校の先生方を主な読者としたものです。
 そのなかでも,「科学上の最も基本的な概念や原理・原則を教えることを意図した授業」である「仮説実験授業」に関する書籍が中心となっています。
 「科学上の最も基本的な概念や原理・原則」ときくと,なんだか難解なことがらを理解して覚えなければならないような気がしませんか。でも,そんなことはないのです。本当に基本的なことはとても単純です。基本中の基本概念である「原子論」だって,「すべてのものは原子からできている」,たったこれだけです。
 この原理・原則をもとにして,世の中におきている様々な現象を読み解いていけるようになるわけですから,これらを身につける学習,授業はたいへんたのしい時間になります。なぜならば,一つの重要な原理を理解すると,世の中の見え方が少し変わってくるからです。「そうだったのか。あれは,そういうわけだったのか!」というようにです。

 そこで,仮説実験授業を提唱した板倉聖宣(いたくらきよのぶ)さんは,そんな基本概念を絵本に書かれています。
 この「いたずらはかせのかがくの本」の新しい巻『せぼねのある動物たち』ができました。
『せぼねのある動物たち』 (さらに…)

「イラスト、はじめました」

笠間書院の編集(+その他もろもろ)の西内です。過去の版元日誌で装丁作りのことを書かせていただきましたが、あれから組版もはじめ、近年イラストも描きはじめました。今日はイラストの話をしたいと思います!

きっかけは、2年前に担当した『忍者の教科書』の表紙「忍之助」です。1
この本は編集作業が非常にタイトでした。一般向けの本でしたので、普段の小社の装丁のように古典資料を用いるのは抵抗があり、有料イラストを探したのですが妥当なものが見つからず、イラストレーターさんに依頼する時間もなかったため、勢いで描きました。ちなみに絵の心得は、高校生のときに美術部員(という名の帰宅部員)だった程度ですが、Adobe Illustratorがあればなんとかなるということが証明されたと思います。ちなみに『忍者の教科書2』もあります。 (さらに…)

はじめての企画「いじめ・不登校ゼロ作戦」

 初めまして。海鳴社の横井と申します。
 この度、私が企画しました「いじめ・不登校ゼロ作戦」の著者である大沼謙一先生との出会いと出版に至るまでの経緯をつづりたいと思います。

 ある日、家族旅行で伊豆大島へ行った時のこと。
 三原山の噴火口付近を散策していると、馬を連れた男性2人が側を通りかかりました。三原山への観光乗馬の方でした。
子どもが靴ずれをしていたため、乗せてもらうことに。
 馬を連れた男性の1人は大島にある小学校の校長先生でした。
 「最近、腹が出て来たんでこうやって歩かせてもらってるんだ。
ところで、豊洲に住んでいるんだったら大沼校長先生を知らないかい?」
 当時、我が子はまだ入学前だったため、私は知りませんでした。
 「大島出身で有名な名物校長なんだよ。なんだ知らないのか~。」
と、その校長先生はがっかりされた様子でした。 (さらに…)

こどもの専門家

10月半ばのある日。絵本作家のくすのきしげのり先生と福田岩緒先生にお会いしました。
個々に打ち合わせをする機会はあったものの、私を含めた3人で会うのは実に5年ぶりのこと。積もる話も多く、絵本について、子どもについて語りあう良い時間となりました。

7月に弊社より発売になった絵本『ぼくのにいちゃん、すごいやろ!』は、
くすのきしげのり先生がお話を、福田岩緒先生が絵を付けてくださった作品で、

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『ともだちやもんな、ぼくら』(2011年)、『ええことするのは、ええもんや!』(2014年)に続くシリーズ3作目の絵本です。

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「結婚の意味は結婚しなければわからない」

 平日は仕事から帰って自宅で晩ご飯を食べ始めるのが10時、11時になることが多い。食べ終わったらすぐに片付ければいいものを、つい新聞読んだりテレビ見たりメールの返事書いたりシャワー浴びたりしちゃうと、深夜1時、2時になって「さあ、食器を洗わねば」なんていう羽目におちいる。そんなとき必ず頭の中で唱える言葉が“「家事は快楽だ」「食器洗いは楽しい」と宣言しちゃえ”という内田樹さん(合気道の師範として道場「凱風館」を主宰)の教え。
 これ、いったいなんの話かというと、そもそも結婚生活において家事を夫婦で公平に分担することは不可能、だったら「自分は家事が大好きだ、こんな楽しいことを人にやらせてなるものか」と思うことにしちゃうのがいい、という結婚生活の極意のひとつなのでした。
 ほかにも「7つの挨拶で家庭円満」「小遣い制は止めよう」「相手の話をちゃんと聞かなくてもだいじょうぶ」といった夫婦を円滑にするためのコツがいっぱい詰まった本が、今年7月に刊行してベストセラー街道を驀進している(当社比)内田樹さんの『困難な結婚9784865591392_200です。
 すでに結婚している人だけでなく、結婚相手を探している、今の相手と結婚しようかどうしようか迷っている、といった結婚前の人に向けてのアドバイス──「迷ったら海外旅行」「結婚式はやったほうがいい」「お金がないから結婚するんです」などなど──も満載されています。 (さらに…)

地元コンシャスな「本とアートの産直市」開催!

「秋の大文化祭」の異名をもつ高円寺フェスが第10回を迎えます。
 東京・高円寺の古着屋さんたちが中心となって、地元商店会を巻き込み、「お店に背中を向けないお祭り」を目指してこられました(確かに、そう言われると大きな「お祭り」って商店にお尻を向けて鑑賞することが多いですよね)。
 そのフェスで「本とアートの産直市」を、今年も開催します。
 これまで、新刊版元が中心となって開催してきましたが、今回は、地元の市民グループ「本が育てる街・高円寺」(略称「本街」)と、新刊書店「文禄堂高円寺店」とのコラボで開催することができます。
 地元コンシャスなお祭りだけに、心強い味方ができたと言えます。
 そこで、今回は、メインプログラムの「本とアートの産直市」だけではなく、本街などとのコラボ企画をご紹介します。

●「本の交換市」を開催
 本街とのコラボ企画としては、「本の交換市」と「チャリティー古本市」を開催します。
 「本の交換市」は本街が日頃から行っている活動のひとつで、「まちなか本棚」の拡大版です。
 「まちのほんだな」では、自転車屋さんや魚屋さんなど、日頃は本と縁のないお店や古書店に本棚を設置し、「自分だけでなく、誰かに読んでもらいたい本」を交換しあうというもの。本が「循環」する様子を可視化しようという野望がこめられた企画です。
 そして、高円寺フェスの2日間は、約500冊の古本をならべ、そこに「誰かに読んでもらいたい本」を持ち寄ると、同じ冊数の本と無料で交換できる、というものです。
会場:明石スタジオ前(杉並区高円寺南4-10-6)
日時:10/29・30 12:00〜17:00

●本屋で使えるクーポンをプレゼント
 一方、文禄堂高円寺店とのコラボ企画は、「本とアートの産直市」で500円以上の買い物をすると抽選で最大3000円のクーポンが当たる、というものです。
 本の産直市は、メーカー(出版社)がユーザー(読者)と直接触れ合う機会を設けることを第一義としています。けっして「中抜き」して、「おれたちで儲けを山分けしようぜ」というものではありません(笑)。
 しかし、そのことを具現化するのは、なかなか難しく、これまで試行錯誤してきましたが、今回は購入者にクーポンを提供し地元書店で使ってもらうことで、本を介して人が街を「回遊」するきっかにしようというもの(下世話な話ですが、使用された額を本とアートの産直市から書店に現金で補填します)。
 高円寺を本の街にしたい、という本街メンバーの思いを実現する第一歩になればと思っています。

 最後に、メインプログラム「本とアートの産直市」についてPRを。
 今年は、32の出版社が集い、「産直」の原点にかえって盛り上げます。
 産直市のいいところは、作り手が買い手と対面し、言葉を交わし、より深く本を知ってもらうこと。なので、今回は、いつもより多くの作り手が会場内にわさわさと滞在しています。
 また、前夜祭「歴史は削除できない」トークイベント「小さな出版社のつくり方」など各種イベントもあります。
 ぜひ、お立ち寄りください。

「本とアートの産直市@高円寺フェス2016」
会場:明石スタジオ(杉並区高円寺南4-10-6)
日時:10/29・30 12:00〜18:00
入場無料