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蘭亭序之謎 上 唐隠(著) - 行舟文化
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蘭亭序之謎 上 (ランテイジョコード ジョウ)

文芸
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発行:行舟文化
文庫判
縦152mm 横105mm 厚さ17mm
重さ 250g
436ページ
並製PUR
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-909735-17-1   COPY
ISBN 13
9784909735171   COPY
ISBN 10h
4-909735-17-8   COPY
ISBN 10
4909735178   COPY
出版者記号
909735   COPY
Cコード
C0197  
0:一般 1:文庫 97:外国文学小説
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年8月2日
書店発売日
登録日
2023年5月31日
最終更新日
2023年8月7日
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紹介

重厚な史実とダイナミックな虚構。玄宗と楊貴妃以後の唐の時代は、日本人にはほとんど知られていないが、ぜひこの作品で知って愉しんでほしい。
――作家 田中芳樹

◎あらすじ
 元和年間、唐は憲宗の時代。皇帝の重臣・裴度の姪である裴玄静は、七歳で初めて殺人事件を解決して以来、地元では「女名探偵」として知られていた。しかし地方官僚だった父の死後、実子に家督を継がせたい継母の策略で故郷を追われ、玄静は叔父を頼って長安に向かう。そこで玄静は叔父の親友である時の宰相・武元衡の暗殺事件に遭遇する。殺される直前、正体不明の相手から繰り返し脅迫を受けていた武大臣は彼女の探偵としての評判を見込んで、周りに気取られぬよう暗号の形で「王羲之の『蘭亭序』に隠された秘密を解き明かし、皇帝や自分たちの命を狙う黒幕の正体と目的を暴いてくれ」と託していた。
 玄静は、長安に辿り着いた嵐の夜に出会い、共にある怪死事件に遭遇した医師・崔淼と共に王羲之とその一族に因縁ある土地を巡る旅に出ることになるが、実は崔はある人物が彼女を見張るため送り込んだ間者で――

目次

自序――なぜ「大唐後期」を描くのか
『蘭亭序』の歴史的事実について
『蘭亭序』全文
楔子
第一章 迷離夜
第二章 刺長安
第三章 幻蘭亭

版元から一言

担当編集が語る、この作品のここがスゴイ!①
「あまりにも互いを信用していない男女バディもの」

 本作は男女バディもので、玄静さんの事件捜査の旅に「訳アリなんですね、お供しますよ」とついてきてくれる、物腰柔らかでちょっと軽薄な優男の崔淼さんという人が相棒になるんですが、実は彼はある人から玄静さんを見張るよう命じられたスパイなんです。
 面白いのは、玄静さんは名探偵なので早々に「あれ? こいつなんか怪しくないか?」と勘づくわけです。さらに崔淼さんもなかなか推理力がある人で「あ、こいつ俺がスパイだって気づいてやがるな」と察するんです。
 その状態で、「ここで私がみんなの前でこう言えば、あいつはこっちの真意を分かって動いてくれるよな」だとか「ここらであいつは動き出すだろうから、先手を打ってこういう工作をしておくか」と、腹の読み合いをしながら旅を続けていくという、非常に風変わりなホームズ&ワトソンなんです。
 もちろん、互いに「こいつは賢いし、こういうところは好感持てるし、心底から悪い奴ではないな」みたいなある種の信頼・好意はずっと描かれてるんですけど、それはそれとしてずーっと主人公二人が腹芸を仕掛け合っている。なかなか聞いたことのない男女バディだと思います。

担当編集が語る、この作品のここがスゴイ!②
「『蘭亭序』という魅力的な題材」

 そもそも『蘭亭序』の謎、ってテーマが面白いんです。
『蘭亭序』とは、中国史上最高の書道の天才といわれた王羲之の、中でも最高傑作と言われながら真筆は現存しない、謎の多い作品です。のちの太宗・李世民がその書を愛するあまり「俺が死んだら一緒にお墓に埋めて!」と遺言し、どうやら実際に埋葬されたようなのですが、のちに墓陵の発掘調査をおこなっても出てこなかった曰くがあり、誰かが墓を暴いて盗み出したんじゃないかとか、本当は埋められていなくてのちの世に則天武后が持ち出したのだとか、すごいのだと「『蘭亭序』なんて書は最初からなかった」なんて珍説まであるそうです。
 本作では主人公たちが、死んだ大臣の残した暗号にいざなわれて王羲之とその一族に因縁ある土地を巡り、最後には歴代数百年にわたって時の権力者たちが欺き、あるいは欺かれた『蘭亭序』の真実が明らかになるわけなんですが、これがめちゃくちゃ面白いホワイダニットになってるんです。中国史や書道にそこまで興味を持ってこなかった人にも、楽しんでいただける作品だと思います。

訳者レビュー:https://note.com/kabunmystery_fun/n/ne60c329f1c6a

著者プロフィール

唐隠  (トウイン)  (

唐隠(とう・いん)
一九七〇年代に中国上海で生まれる。二〇一〇年にデビュー。一五年に「当当年度影響力作家賞」、一六年にアマゾン中国が選ぶ「新鋭作家賞」を受賞。台湾・誠品書店が頒布した「二〇一七年度閲読報告」にて、「二〇一七年十大ベストセラー作家」と「最も受けのよい作家」に選ばれた。
代表作・四部構成の「大唐懸疑録」シリーズは、台湾(繁体字版)、日本、タイ、ベトナム、韓国への版権輸出を果たし、うち『蘭亭序之謎』が「海外館蔵影響最広的中文図書(海外の図書館が所蔵した、最も影響の大きい中国語書籍)」ランキングに入選。同シリーズの有料オーディオブックは再生回数が三千万回を超え、ドラマ版の制作も鋭意準備中である。

立原透耶  (タチハラトウヤ)  (監訳、訳

立原透耶(たちはら・とうや)
大阪府生まれ、奈良県育ち。北海道在住。日本SF作家クラブ会員。
一九九一年、『夢売りのたまご』でコバルト読者大賞を受賞し翌九二年デビュー。二〇〇〇年までは「立原とうや」名義で活動。小説家としての作風はファンタジー、SF、ホラーなど多岐にわたる。華文SFの翻訳も手掛け、『三体』シリーズでは日本語版監修を担当する。大学教員の顔も持つ。

大恵和実  (オオエカズミ)  (

大恵和実(おおえ・かずみ)
一九八一年生まれ。中華SF愛好家・翻訳家。編訳書に、武甜静・橋本輝幸・大恵和実編『中国女性SF作家アンソロジー 走る赤』(中央公論新社・二〇二二年)、大恵和実編『中国史SF短篇集 移動迷宮』(中央公論新社・二〇二一年)がある。翻訳に、梁清散「夜明け前の鳥」・万象峰年「時の点灯人」(立原透耶編『宇宙の果ての本屋』新紀元社・二〇二三年)などがある。

根岸美聡  (ネギシミサト)  (

根岸美聡(ねぎし・みさと)
北海道生まれ。京都府在住。中学生の頃に中国へ派遣されたことから中国語との縁が始まる。最も興味のある領域は現代中国語方言。現在は近畿圏の大学で教壇に立ちつつ、中国語小説の翻訳を行う。

柿本寺和智  (カキモトジカズトモ)  (

柿本寺和智(かきもとじ・かずとも)
浅学非才の漢学徒。

上記内容は本書刊行時のものです。