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もしも原子がみえたなら

 今年,版元ドットコムに入会しました仮説社です。
 ひとことで自己紹介すると,「科学教育の仮説社」です。「科学」と聞くと,最近ではすぐに「子どもたちの理科離れ」といったことを連想される方が多いのではないかと思いますが,子どもだけでなく大人の方々にも科学を広めたいと願って出版活動を続けています。

 みなさんは「科学的に考える」ってどういうことだと思いますか。
 いろんな答えがあると思いますが,「目に見えないからと言ってその存在を頭から否定するのでなく,想像をたくましくして仮説を立ててみる」というのは,科学的態度の一つでしょう。
 この,「目には見えないけれども,たしかにあるにちがいないもの」の代表は「原子」です。目に見えないけれど,原子というものがあるとすると,こうするとああなるにちがいないと予想を立てます。そして実験をしてみると,その予想のとおりになって,「やっぱり原子というものがあるんだ!」と知ることは,とっても感動的なことです。そしてその分かった事実を元にまた予想をたてて,その予想を確認するときはとてもわくわくするに違いありません。
 科学的って,こんなふうに,わくわくと感動の体験に他ならないと思います。

 さて,つい先日,その原子の絵本を出しましたので,紹介させてください。

新版いたずらはかせのかがくの本『もしも原子がみえたなら』 (板倉聖宣著・さかたしげゆき絵,ハードカバーA4変型,48ページ,税込2310円)です。

 空気も水も紙も木も,私たちの体だってみんな原子からできています。こういう知識は,高校生以上のかなり多くの人が知っていることでしょう。この本はそういった知識を小学生以上の子どもに楽しんでもらえるようにしたものです。
 「原子」というと,酸素はOで,水素はHで,炭素はCでという化学反応式を思い出して,「そんな難しいことを,小さい子どもに教えるの?」とおどろかれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし,この絵本にはそんな式はもちろん出てきません。
 この絵本に登場するのは,赤い玉や青い玉や,それらの玉がくっついた,原子や分子の模型です。赤い玉は酸素です。青い玉は窒素で,白い玉は水素,黒い玉は素炭の模型です。
 この絵本では,それらの原子・分子が空気中を飛び回る様子や水の分子がいっぱい集まって目に見える水や雨粒になる様子が,かわいい原子模型の絵とともにお話になっているのです。

もしも原子がみえたなら

 この絵本の内容は,すでにたくさんの小学校で(といっても,下記の仮説実験授業を実施している先生方のクラスでのことですが)とりあげられていて,小さな子どもたちが夢中になることが確かめられています。「計算をする」というのでなければ,原子・分子の考え方はむずかしくないし,びっくりするほど役に立つからです。

 この世の中のものはみんな,結局のところこのような,ほんの100種くらいの原子の組み合わせでできているのです。その原子の組み合わせでいろんな出来事を見ていくと,その本質を誤ることなくとらえる科学的な目を養うことができます。
 たとえば,ものが燃えるという現象は,ある原子に酸素原子がくっつくということだとわかれば,硫黄原子を含んでいる石油が燃えると,その硫黄に酸素がくっついて,二酸化硫黄ができるけど,それは人間の体にはよくないものだというようなことがわかります。
 この絵本を子どものときに読んで,驚きと感動とともに楽しく「この世の中のものはすべて原子でできている」ということを身につけてしまうと,原子や分子の話がでたときに,頭の中に丸い原子の絵が浮かんでくるようになります。そんな楽しい思いと目で環境問題や地球温暖化の問題を読み解けるような人間が一人でもふえてほしいと願っています。

 仮説社は,子ども向けの本のほかにも,仮説実験授業をはじめとする科学教育(この「科学」には,自然科学だけでなく社会科学も含みます)の普及と充実をめざし,現在の教育を根本から改革すべく,月刊誌『たのしい授業』や書籍を出しています。
 それから,出版社としてはちょっと異例だと思うのですが,本の他に,実験器具やおもちゃ,手品も売っています。これは,仮説実験授業を実施するときになくてはならない実験器具を通信販売し始めたのが始まりですが,いまでは,教室で子どもたちに見せるとたいへん喜んでくれるおもちゃや,子どもたちの注意を集めるのに効果のある手品なども,『たのしい授業』誌上で紹介し,通信販売をしています。(詳しくはホームページをご覧ください)

*「仮説実験授業」というのは,「科学のもっとも基本的な概念と原理的な法則」を教えるための教育内容の選定・教材配列と授業法に関する理論・方法です。1963年に,板倉聖宣氏が提唱したものです。仮説実験授業について詳しくお知りになりたい方は,ぜひ『仮説実験授業のABC』(板倉聖宣著,仮説社)をご一読ください。

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