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音楽本大賞スタートの記

今年2月10日にクラウドファンディングをスタートして、2ヶ月後にめでたく目標額を達成。並行して選考を重ね、5月16日に大賞ほか7冊の受賞作を発表。7月9日に下北沢の本屋B&Bで授賞式を開催。

いまは、予定より遅れている(すみません!)クラファン特典のZINEの製作に取り組み中──この間、全国紙や業界紙、ラジオ番組などでなんども取り上げていただいたので、お目にとめてくださった方もいらっしゃると思いますが、今年立ち上げた第1回「音楽本大賞」の話です。

本屋大賞、日本翻訳大賞、サッカー本大賞といった書籍を対象とする手作りの賞に刺激されて(アジアン・カンフー・ジェネレーション後藤正文さんたちのAPPLE VINEGAR Music Awardにも背中を押されて)、音楽本の魅力を広く伝えて読者を増やし、書店の音楽書コーナーを盛り上げるとともに、書き手への応援にもなればと、長年あたためていたプランを具体化させたのが去年の秋。

当初は音楽書に力を入れている出版社に声をかけて資金を出し合い共同で主催することも考えたのですが、どうも自分たちには合わない気がして、3つの出版社で働く4人と大学院生1人(もっぱらネット周りを担当してもらいました)という個人の集まりで実行委員会を立ち上げ、必要な資金はクラウドファンディングでまかなうことにしました。

音楽を好きな人は無数にいても、音楽をテーマとする本に強い関心があって、しかもお金を出して支援しようという方がそんなに沢山いるだろうか……おそるおそるのスタートでしたが、ふたを開けてみれば243人もの方から、目標額の95万円を大きく越える159万6100円というご支援が集まりました。責任を感じるとともに、これでまず第1回は開催できる! とホッともしました。ご支援くださった皆さんにあらためて御礼を申しあげます。

メディアで取り上げられただけでなく、受賞された方々にも思いのほか喜んでいただけましたし、広報や宣伝が足りないにもかかわらず、あちこちの書店がフェアを展開して下さったりと、予想と期待をはるかに上回る大きな反響があり、思い切って始めた甲斐があったというものです。あ、栄えある第1回の大賞に輝いた『フィールド・レコーディング入門』(柳沢英輔著、フィルムアート社)をはじめとする受賞作については、こちらのページをご覧になってください。

とはいえなにしろ初めてのことで、すべてが手探り。なにをもって「音楽本」とするか、選考委員をどなたに引き受けていただくか、どんな部門賞を設けるか、クラウドファンディングのリターンに何を提供できるか、などなど考えるべきこと、決めるべきことが次々に出てきてひたすら試行錯誤が続きました。選考のどの段階でだれ/どこになにを伝えたらいいかにも大いに頭を悩ませることに。少なからず不備もあったと思いますし、中にはひとこと言ってやろうと思われた方もいらっしゃったのではないかと……。

たとえば、第1回にかぎって実行委員が直接たずさわった本は大賞の対象にしないことにしましたが、これも判断に悩んだことのひとつです。もちろん実行委員は審査にはいっさい口を出していないのですが、さらに公平を期したいと考えました。該当する著者や訳者の方々には申し訳ないことでしたし、実際外すべきではないという声もいただきました。2回目からは制限なく実施するつもりです。

そんななか、この賞に賛同のメッセージを寄せて下さった出版関係や音楽家の皆さん、賞のことをいち早く広めてくださった皆さん、実践的なアドバイスなどさまざまなかたちでサポートしてくださった皆さんには、どれだけ感謝してもしきれません。お一人ずつお名前を挙げることはできませんが、皆さんのお力添えのおかげで第1回音楽本大賞をぶじ実施できました!

次の第2回は、極端な話、実行委員も変わる(増える)かもしれませんし、選考委員の顔ぶれや選考と発表の方法、部門賞の設定などなど、初回の反省をふまえて練り直すつもりですが、2023年の音楽本はすでに豊作の手応え充分。有力な大賞候補が目白押しなので、今から楽しみでしかたありません。

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