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水のように寄り添う心
女性に宛てた日蓮聖人の手紙
- 初版年月日
- 2005年4月
- 書店発売日
- 2005年5月16日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2010年11月11日
紹介
鎌倉時代の僧・日蓮が女性に宛てた手紙は、女性の心に届く繊細な言葉で綴られている。それをみずみずしい感性で受け取った現代に生きる25歳の女性によるエッセイ集。
目次
信心か恋ごころか……(乙御前御書より)/菩薩道は冬のごとし(妙一尼御前御消息より)/烏龍と遺龍のおはなしから(上野尼御前御返事より)/男のシワザは女のチカラ(富木尼御前御返事より)/火の信心、水の信心(新尼御前御返事より)/月水は不浄にあらず(月水御書より)/女性が鏡を離さぬように(妙一尼御前御返事より)/善知識に出会うには?(持妙尼御前御返事より)/末法の世を生きる(乙御前御消息より)/供養のこころざし(窪尼御前御返事より)/人の寿命は無常なり(妙法尼御前御返事より)/煩悩を背負いつつ(日眼女造立釈迦仏供養事より)/お盆は母の苦しみ(盂蘭盆御書より)/「さんげ」したからといって……(光日房御書より)/母親の恩に報いる(千日尼御前御返事より)/ひたむきさに胸を打たれて(日妙聖人御書より)/親子は種と実、からだと影(中興入道消息より)/どうせいつかは死なねばならぬが……(可延定業書より)/水のように寄り添う気持ち(桟敷女房御返事より)/生まれ変わり死に変わり……(兵衛志殿女房御書より)
前書きなど
まえがき
「日蓮の珠玉のことばを通じ、過去を生きた女性に教わること、または共感することがきっとあると思います」(抜粋)
いまは女性がパワフルな時代です。男まさりに仕事をこなす女性の存在は、なんらめずらしいことにない世の中になりました。しかし、よくよく考えてみれば、女性がおもてに出てきたというのは本当に最近のことです。平塚らいてうら、フェミニズムを主張する女性たちが注目され、モダンガールとよばれるようなオシャレを楽しむ女性たちが注目を浴びたのは昭和のはじめ。女性が権利を主張しはじめたのは、年月にしてまだやっと百年になろうか、というほどなのです。
その時代、時代で境遇もさまざまでしょうが、女性という存在には長い間、まったくというほど主体性があたえられていませんでした。日蓮聖人の生きた鎌倉時代はどうであったかというと、戦争のたえない武士社会。女性はまさに男性によって生き方を定められていたといえるでしょう。
この手紙に書かれているように、選ぶ男性によって女性のすべての道は決定してしまう、というのも決しておおげさなものではないのです。そればかりか、信心を持つ女性をたたえ、はげますことばを書かれた日蓮聖人は、当時としては異例ともいえる女性崇拝者であるかのようです。それは、この手紙を授かった、鎌倉は桟敷に住んでいた桟敷の女房をはじめ、日蓮を慕い法華経信者になる女性が多かったことからも十分にうかがい知れます。
「苦の衆生とは何ぞや。地獄の衆生にあらず、餓鬼道の衆生にもあらず、只女人を指して苦の衆生と名けたり」。
聖人は、そのように書き残しています。本当に苦しいのは地獄や餓鬼界であえいでる者たちではなく、自分の生きる道を自分で決めることのできない女性である、と。それほどに女性は厳しい立場におかれていたわけですが、しかし、この御文にはもっと深い意味が秘められているようです。
――「水のようによりそう気持ち」より
版元から一言
◎ここがポイント
・鎌倉時代の僧・日蓮が女性信者に宛てた手紙は、70編余りが今日に伝わっている。本書では、そのうち代表的な20編から要点を引用、その現代語訳を付したうえで、その手紙の内容をテーマにエッセイを展開している。
・著者は、現代に生きる25歳の女性。13世紀の日蓮聖人の言葉を、みずみずしい感性で受け止め、21世紀に生きる女性としての思いをさまざまに書き綴り、異色の女性論ともなっている。
・心を癒すような言葉が綴られた本書。144ページという小著だけに、ハンドバッグなどに忍ばせて持ち歩きたくなるような造りといえるはず。花をあしらった装丁も清らかな雰囲気となっている。
◎こんな人にお薦め
・女性の生き方を、日本の歴史や伝統に沿って、考えたいと思っている方
・法華経の説く「女人成仏」や日蓮聖人に関心がある方
・心に悩みがあり、心に染み入る言葉を求めている女性の方
上記内容は本書刊行時のものです。
