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ヒロシマナガサキ[DVD]
原書: WHITE LIGHT/BLACK RAIN:The Destruction of Hiroshima and Nagasaki
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2008年4月
- 書店発売日
- 2008年4月5日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2011年6月29日
紹介
『はだしのゲン』の中沢啓治氏ら14人の被爆者と、原爆投下に関与した4人のアメリカ人の証言を軸に25年の歳月をかけて完成させたヒロシマ・ナガサキの真実。
(アメリカ/2007年/本編86分+特典30分/日本語字幕/視聴覚障害に対応したバリアフリー再生機能付)
◇非営利上映等が許諾されたライブラリー版は、18,000円
版元から一言
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第60回(2008年)エミー賞「ノンフィクション・フィルムメイキング」部門受賞
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●解説
本作は、『Days of Waiting(待ちわびる日々)』でアカデミー賞ドキュメンタリー映画賞に輝いたスティーヴン・オカザキ監督が、25年の歳月をかけて完成させた渾身のドキュメンタリー映画である。
原爆投下から60余年を経た今、日本でもその惨劇の記憶が薄れつつあるが、世界の多くの人々には、いまだ被害の実態についてほとんど知られていない。アメリカでは、原爆が戦争を早期に終わらせ、日米両国民の多くの命を救ったのだという、いわゆる“原爆神話”が広く受け入れられている現実がある。
英訳された漫画「はだしのゲン」と出会ったことで、広島・長崎への原爆投下に関心を深めたオカザキ監督は次第に、核の脅威を世界に知らしめることが自分の役目だと考えるようになってゆく。82年、被爆者を取材した第1作『Survivors(生存者たち)』を発表。同作は英語圏で初めて被爆者自身の証言が紹介された作品となった。原爆投下から50年目の95年にスミソニアン博物館で開催が予定された原爆展に伴い、オカザキ監督は新作映画の製作を始めるが、原爆展自体が米国内の猛反発で中止となり、映画製作も中止に追い込まれてしまう。原爆展中止を求める動きは、原爆がもたらした災厄の真の姿に対する、米国民の極度のアレルギー症状と言えた。そんな逆風の中でも諦めることなく取材を続けたオカザキ監督は、胎内被爆の現実に迫った中篇『マッシュルーム・クラブ』で、05年アカデミー賞にノミネートされる。そして2007年、『ヒロシマナガサキ』が完成。彼のこれまでの映画人生のひとつの到達点が本作と言える。
被爆者が高齢化していくなか、せきたてられるように日本を訪れ、実に500人以上もの被爆者に会い、取材を重ねた。本作は、14人の被爆者と、原爆投下に関与した4人のアメリカ人の証言を軸に構成されている。その中にはオカザキ監督の人生を決定づけた「はだしのゲン」の作者・中沢啓治氏の姿もある。惨劇から、ゆうに半世紀を越えるにもかかわらず、彼らの証言はひたすら生々しく、私たちの心をかき乱す。それはとりもなおさず、原爆というものがいかに忌むべき存在であるかの証左に他ならない。貴重な記録映像や資料を交え、広島・長崎の真実を包括的に描いた本作は、被爆者たちの想像を絶する苦悩に向き合い、彼らの生きる勇気と尊厳を深く受け止めている。
現在、世界には広島型原子爆弾の40万個分に相当する核兵器があると言われている。9.11テロ以降、世界的緊張とともに核拡散の危機が急速に高まり、核兵器による大量殺戮が現実化する恐れも出てきた。このような状況のなか、本作は07年8月6日、広島に原爆が投下されたその日に、全米にむけてテレビ放映された。国連でも特別上映された本作は、アメリカのみならず世界中の人々に、広島・長崎で何が起きたかを知らしめ、核兵器の脅威に対して強い警鐘を鳴らす作品となっている。
●推薦コメント
・役所広司さん<俳優>
原爆が落ちたのは世界で日本だけ、伝え続けていかなければ、愚かな人間はすぐ忘れてしまう。我々にできることは、繰り返し繰り返し、耳に目にタコができるほど、繰り返し伝えていくこと。この映画でまた改めて被爆者の方々の苦しみが今も続いていることを痛感する。その苦しみと恐怖は想像を絶する。また時間とともにそれが薄らいでいく愚かな自分が恐い。
・宮沢りえさん<女優>
全てを忘れてしまいたい記憶... 決して忘れてはいけない事実。 この間を心が大きく、深く揺れました。
・坂井真紀さん<女優>
結局は、平和ボケと言われても仕方のない日々を送っている自分が情けなくてたまらなくなりました。この映画に心から感謝をし、変わらなければいけない自分と向きあっています。
・―宮本亜門さん<演出家>
世界で唯一の被爆国に住んでいる日本人だからこそ、このドキュメンタリーを見てほしいのです。「有事のため」と言い張り爆弾を備えようとしていることが、どれほど愚かな事か知ってもらうためにも。映像の中で自分自身と向き合い話してくれた全ての人に心から感謝します。ありがとう。
・日野原重明さん<聖路加国際病院理事長>
今までになかった映画。原爆をとおして戦争がどのように始まり終わったかを語る最高の作品。映像とともにリアルな証言が心をうつ。
・山下敦弘さん<映画監督>
2つの原子爆弾が“日本”と“アメリカ”を永遠に断ち切る事の出来ない関係にしてしまった。と同時に“日本人”と“アメリカ人”は永遠に交わる事が出来ないかもしれないと感じた。そのことが一番の恐怖だと思った。
上記内容は本書刊行時のものです。