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蔡温の言葉 佐藤亮(著) - ボーダーインク
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蔡温の言葉 (サイオンノコトバ) 琉球宰相が残した物語り (リュウキュウサイショウガノコシタモノガタリ)

歴史・地理
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四六判
186ページ
並製
定価 1,600 円+税   1,760 円(税込)
ISBN
978-4-89982-204-2   COPY
ISBN 13
9784899822042   COPY
ISBN 10h
4-89982-204-9   COPY
ISBN 10
4899822049   COPY
出版者記号
89982   COPY
Cコード
C0023  
0:一般 0:単行本 23:伝記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2011年4月
書店発売日
登録日
2011年4月18日
最終更新日
2011年5月5日
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紹介

琉球王国史上、最も偉大な政治家・ 蔡温(さいおん)の教えが現代語訳でよみがえる。
琉球王国の第二黄金時代をになった。琉球王国史上、最も偉大な政治家。さらに、敏腕の外交官、実践重視の哲学者、当代屈指の土木・農林技術者としての顔もあった。三司官として、農業・商工業の振興をはじめ、治水事業・森林育成政策などを、みずから現場に立って指導した。彼が主導した国土利用の再編事業は、今日の沖縄の風景にも大きな影響を与えている。また、数多くの著作を残したことでも知られる。その内容は、国家観や政治の心得などを語ったものから、道徳書、農林業の技術書まで、多岐にわたる。沖縄で初めての自叙伝を書いた人物でもある。それらの教えは後の為政者の指針となり、「蔡温の後、三司官は四人いる」とまでいわれた。著作に綴られた肉声から、その豊かな人間性をうかがい知れるという点でも、琉球史においては稀有の人物である。

目次

琉球王国の歴史上、最も偉大な、最も理屈っぽい政治家

 蔡温がそこにいた 

蔡温登場の時代背景
蔡温は何をした人物なのか 
蔡温登場までの前史  
そのとき、世界は 

蔡温略伝

蔡温の出自 
若き日の蔡温
蔡温、出世する
蔡温、薩摩の足下を見る 
尚敬王の山北巡幸 
蔡温、国政のトップに立つ
平敷屋・友寄事件
羽地大川の大改修  
森林育成政策 (杣山政策)
国土再編と乾隆検地
幻の名護遷都論 
晩年 

 蔡温の人間像

羽地朝秀と蔡温、二つの個性
蔡温の妻子 

 蔡温の著作について

さまざまな著作 
『自叙伝』について 
『独物語』について 
「蔡温、かく語りき」 について 


 自叙伝 蔡温

間の悪い誕生 
ちこぼれの少年時代
謎の隠者 
隠者との問答 
隠者の教え 
国師蔡温
冊封使との対決 
評価事件 
三司官就任から隠居まで

 独物語 蔡温

 琉球王国の現状
琉球は小国である 
御国元(薩摩藩)には感謝すべきである 
結束して大局にあたれ 

外交費について
琉球は大海の中にある 
漂着船への費用 
不意の使者の接待費 
江戸立・渡唐・王世子上国・冊封などの費用 
唐の兵乱にも動揺するな 

国家経営の心得
人口の増加を憂えるな 
優先順位を誤るな 
国の等級とは 

 酒と自律心
自律心を失わせるもの 
酒に呑まれるな 一
酒に呑まれるな 二 
酒に呑まれるな 三 
先すべき二つのこと 
朽ちた手綱で馬を駆けさせる 

商業の自由化
商人税の免除 
泡盛・麺類・豆腐の製造販売の自由化 一 
泡盛・麺類・豆腐の製造販売の自由化 二 
屠豚業者の制限撤廃 

外交の心得
倹約につとめよ 
他国に恥じない振舞いをせよ
漢文筆者を育成せよ 
遊郭は治安のためである 

解決すべき課題
農民の酷使 
勤務評定の精査 
冠婚葬祭・賞罰に関する規則 
学校の創設 

外患について
南蛮船への対処 
武道の訓練 

水運構想
避難港の確保 
浦漕船の活用 
首里への築港 
首里人の失業対策 
首里の港は首里人のためのみにあらず1する材木不足 
杣山を重視すべき理由 
材木は自給自足すべし 
樫木(イヌマキ)の育成 
島周辺離島の林政一 
本島周辺離島の林政二 
宮古諸島の林政 
八重山諸島の林政 

国に仕える者の心得
大局を見よ  
国家の条件とは 
天の摂理に従え 
あくまで大局を見よ 
国に仕える者たちに望む 

 蔡温、かく語りき

国家について
政治について 
仕事について 
信についていて 
人間関係について 
生きかたについて    

         

前書きなど

 琉球王国の歴史に不滅の名を残した偉人。「琉球王国最大の政治家」「古今独歩の大経世家」「近世琉球のスーパースター」など、彼を称える形容詞には事欠きません。
 蔡温には、もうひとつの称号を贈ってもよいと思います。「琉球王国の歴史上、最も理屈っぽい男」と。
 蔡温は言います。
「死者の祟りなどない!」と。
 なぜか。
「死者が祟るのであれば、戦で死んだ兵士は、なぜ敵兵を祟り殺さない
のだ。おかしいではないか」
 また蔡温は言います。
「生まれ変わりなどない!」と。
 なぜか。
「人間が生まれ変わるのならば、孔子はなぜ生まれ変わってこないの
だ。おかしいではないか」
 さらに蔡温は言い切ります。
「あの世などない!」と。
 なぜか。
「あの世などという概念は、釈迦が大昔につくりあげた方便にすぎない。そんなものがいまだに信じられているとは、じつに嘆かわしいかぎりだ」
 琉球史において、蔡温ほど、その個性をうかがい知れる人物はいません。それは彼が、当時としては突出して多くの著作を残しているからです。
 蔡温は筆まめな人物でした。彼は自叙伝を書き、王府政治のマニュアルを書き、啓蒙書を書き、教訓書を書き、さらには森林育成の業務マニュアルまで執筆しています。その数は、単著のみにしぼっても十七編に及びます。
 残念ながら、蔡温の著作のうちいくつかは、散逸して内容が確認できません。しかし、先人の努力によって、多くが写本として今日まで伝えられています。
 私たちは、蔡温の言葉を聞くことができるのです。とはいえ、当然ながらそれらは古い文体(候文や漢文)で書かれているため、容易に読めるものではありません。
 そこで本書では、彼の言葉を現代語に訳し、気軽に読めるものにしました。蔡温の半生を綴った『自叙伝』と、王府政治のマニュアルともいうべき『独物語』、そして、その他の著作から選んだ印象的な言葉を「蔡温、かく語りき」としてまとめています。
 また、蔡温の言葉をより深く理解するために、蔡温の生涯と、彼が活躍した時代背景などを「蔡温がそこにいた」という一編にまとめました。
 理屈っぽく、説教臭く、謙虚に見せかけて自信満々で、そうかと思うと、「若い頃の自分は本当に駄目な奴だった」と正直すぎる告白をしてしまう男、蔡温。彼の言葉を通じて、どこか憎めないその魅力に触れていただければ幸いです。

版元から一言

蔡温(さい・おん) 1682年~1761年 琉球王国の三司官(大臣)。具志頭親方文若の名も持つ。
 尚敬王に仕え、琉球王国の第二黄金時代をになった。琉球王国史上、最も偉大な政治家とされる。また、数多くの著作を残したことでも知られる。その内容は、国家観や政治の心得などを語ったものから、道徳書、農林業の技術書まで、多岐にわたる。沖縄で初めての自叙伝を書いた人物でもある。それらの教えは後の為政者の指針となり、「蔡温の後、三司官は四人いる」とまでいわれた。著作に綴られた肉声から、その豊かな人間性をうかがい知れるという点でも、琉球史においては稀有の人物である。
「真の宝は、君自身だ。なぜ自分を磨かないのか」

著者プロフィール

佐藤亮  (サトウ リョウ)  (

テクニカルライター(マニュアル制作者)。1977年、島根県生まれ。大阪府、千葉県育ち。
東洋大学文学部史学科卒業。ハイテクノロジー・コミュニケーションズ(株)に勤務し、家電・ PCソフト・社内業務などのマニュアル制作に従事。2010年に独立。

上記内容は本書刊行時のものです。