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カムイユカラ KAMUY-YUKAR
アイヌ民族伝承のうた
- 初版年月日
- 1995年12月
- 書店発売日
- 2005年7月30日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2013年7月5日
紹介
アイヌ語の口承文学「カムイユカラ」(神謡)をアイヌ語だけで綴った絵本(6話収録・B5横版・192頁・英語対訳付き)と解説書だけではなく、絵本を朗読したCDも付いています。 約60分のCDは、白沢ナベさんと中本ムツ子さんによるアイヌ語の語りを聞きながらアイヌ語の世界にひたって下さい。解説は日本語(一部英語)。
目次
[解説本・目次]
はじめに Preface
謡い手紹介 Profile of Performer
白沢ナベ Shirosawa Nabe
中本ムツ子 Nakamoto Mutsuko
アイヌ語表記について Spelling of the Aynu language
カムイユカラとは What is Kamuy-Yukar?
1.シマフクロウ神(カムイチカプカムイ)のカムイユカラ Song of the Owl God
シマフクロウ神解説 Commentary
2.アオバト神(ワオカムイ)のカムイユカラ Song of the Green Pigeon God
アオバト神解説 Commentary
3.火の神(アペフチカムイ)のカムイユカラ Song of the Fire God
火の神解説 Commentary
4.裸のキツネ(アトゥサチロンヌプ)のカムイユカラ Song of the Naked Fox God
裸のキツネ解説 Commentary
5.雷神(カンナカムイ)のカムイユカラ Song of the Thunder God
雷神解説 Commentary
6.クジラ神(フンペカムイ)のカムイユカラ Song of the Whale God
クジラ神解説 Commentary
カムイユカラの世界観 -まとめとして-
おわりに
前書きなど
カムイユカラとは、「神々」が語る物語です。この「神々」とは「シマフクロウ、クジラ、火、雷」など、いわゆる私たちが「自然」と呼んでいる存在です。つまり、カムイユカラとは、自然が自ら語る物語なのです。
人間は長い間自然を踏み台にして、自由に獲ったり捨てたりしながら暮らしを豊かにしてきました。しかし、気がついてみると、いまや自然は急速な勢いで私たちの身のまわりから失われつつあります。そして自然が、酸性雨や人間の排出する汚染物で病むにつれ、人間も汚染された水や空気で病むようになってきました。また、自然から遠ざかり都市化したした暮らしの中で、ストレスや不安が増すようになると、私たち現代人は心までも深く病むようになってきました。
自然とは人間にとってどのような存在なのでしょうか?
自然とは人間はどのような関係が望ましいのでしょうか?
カムイユカラは、自然が主人公となって語っていく物語です。自然である火やシマフクロウは、はたしてどのようなメッセージを送ってくるのでしょうか。そこには現代の私たちの抱いている常識とは大きく異なった世界観が広がっていることでしょう。それでは、自然が自ら語る節つきの物語、カムイユカラに耳を傾けてみましょう。
版元から一言
『アイヌの知恵ウパシクマ』の姉妹書です。「目」で、「耳」で、アイヌの世界を「読む」本です。
上記内容は本書刊行時のものです。