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備讃瀬戸の土器製塩 岩本 正二(著) - 吉備人出版
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備讃瀬戸の土器製塩 (びさんせとのどきせいえん)

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発行:吉備人出版
A5判
175ページ
並製
定価 1,600 円+税   1,760 円(税込)
ISBN
978-4-86069-149-3   COPY
ISBN 13
9784860691493   COPY
ISBN 10h
4-86069-149-0   COPY
ISBN 10
4860691490   COPY
出版者記号
86069   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2007年2月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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紹介

備讃瀬戸地域の特産物として、弥生時代から古代まで盛んに行われた小形土器を使った塩作り。その土器製塩の開始から消滅までの実態を、製塩遺跡や製塩土器を手がかりに、時代別に整理・分析する。

目次

第一章 土器製塩と塩のはなし
  一 土器製塩と備讃瀬戸の塩作り
  二 土器製塩の特徴と塩の作り方
  三 どうして製塩土器と考えたのか
  四 塩のはなし
  五 土器製塩の発見
第二章 弥生時代の土器製塩
  一 土器製塩のはじまり
  二 製塩土器の形とその変化
  三 製塩遺跡の諸相
  四 塩の流通
  五 政治動向と土器製塩
第三章 古墳時代の土器製塩
  一 はじめに
  二 製塩土器の三つのタイプ
  三 製塩遺跡の様相
  四 塩の流通と用途
  五 土器製塩と古墳時代の政治動向
  六 土器製塩から見た古墳時代
第四章 古代(飛鳥・奈良・平安時代)の土器製塩
  一 変貌する土器製塩
  二 土器製塩の塩の行方
  三 塩の生産方法の変革

前書きなど

 瀬戸内海沿岸部の小さな町で育った私は、一九七〇年頃まで稼働していた流下式(枝条架)塩田は見慣れた風景であった。岡山大学で考古学を学んだ時、ここでしかできないと思い、研究テーマの一つに土器製塩を選んだ。その後は、仕事の都合もあり、土器製塩研究とは縁が切れたが、内陸部から出土する製塩土器に接する機会もあって細々と考えてきた。今にして思えば、郷里の四国から本州に渡るとき利用した宇高連絡船からすぐ近くで見た島影は、土器製塩研究の基点となった香川県直島群島(喜兵衛島や荒神島など)であり、また、現在では瀬戸大橋から香川県坂出市櫃石島大浦浜遺跡や保存問題の起きた沙弥島ナカンダ浜遺跡などを見ることができる。
 今回の作業を終えた時、土器製塩に関しては、その起源や終末の様相が今ひとつわからないことが気がかりになった。肝心の製塩技法、とりわけ最大の作業である採鹹作業(海水の塩分濃度を高くする)の実態も十分には解明されていない。また、製塩土器と焼塩土器との関係もわかったようでその違いが説明できていないなど、まだまだ基礎的事項からして、今後に残された課題が多いことを痛感した。
 空気や水と同様に生命維持に不可欠の塩、その塩は瀬戸内海沿岸部では原始・古代以来の特産物であったこと、その確保に先人たちの懸命の努力があったこと、その実態を今後も伝えていきたい。
 私が土器製塩を始めとする考古学を学んで以来、終始指導して頂いた近藤義郎先生、そのほか岡山県・香川県の発掘調査関係者・関係機関、「藻塩の会」(広島県蒲刈町)、「塩の会」、遅れた原稿を形にしてくれた吉備人出版など記載しきれないが、多数の方々のお世話になった。(岩本正二)

 岩本正二さんと二人で本書を執筆するように、とのお話を頂いてからかなりの時間が経過してしまった。何よりもなかなか筆の重い筆者の性分に問題があるわけだが、同時にこの数年間は筆者なりに古墳時代像の再検討を試みた期間であった。執筆を準備した当初から、できるだけ土器製塩の時代的特質を鮮明に描くことを目指したが、自らの古墳時代イメージが揺らぐ中で当然、土器製塩という部門の評価、そして本書で強調した展開のダイナミズムの意義をどのように捉えるかについても相当に試行錯誤を繰り返した。
 この間、いくつかの調査や研究会に参加させていただき、そこで報告の機会を頂いたことはとても有益であった。中でも『喜兵衛島土器製塩遺跡群の研究』刊行に向けた研究会は今日なお古墳時代の土器製塩を語る上で必須の同遺跡群の全体像を学ぶことができたし、岡山県邑久町史編纂事業や、勤務校の共同調査などで牛窓・塩飽をはじめ備讃瀬戸地域の基礎資料を再検討できたことも重要であった。また通称「塩の会」で継続的に各地の土器製塩資料を観察させて頂いたことで、この地域の塩生産を評価する広い視野を保持することができたと思う。さまざまな機会を与えて下さった多くの方にあらためて御礼申し上げたい。また、吉備人出版にはひどくご迷惑をおかけしてしまった。お詫び申し上げたい。(大久保徹也)

版元から一言

土器製塩の開始から消滅までの実態を、製塩遺跡や製塩土器を手がかりに、時代別に整理・分析する。

著者プロフィール

岩本 正二  (いわもと しょうじ)  (

1950(昭和25)年、香川県に生まれる。1974年岡山大学法文学部専攻科(考古学)終了。奈良国立文化財研究所、広島県草戸千軒町遺跡調査研究所、広島県立歴史博物館をへて、現在、財団法人広島県教育事業団埋蔵文化財調査室に勤務。主な論文・報告書・著書に、「弥生時代の土器製塩」(『考古学研究』第23巻第1号 考古学研究会 1976年)、「塩の生産と流通」(『日本考古学』3 岩波書店 1986年 分担執筆)、「喜兵衛島以降の土器製塩研究の展開」(近藤義郎編『喜兵衛島―師楽式土器製塩遺跡群の研究―』喜兵衛島刊行会 1999年 分担執筆)、「古墳(墳墓)出土の製塩土器について」(『考古論集(河瀬正利先生退官記念論文集』同刊行会 2004年)、『草戸千軒町遺跡発掘調査報告1~5』(広島県教育委員会 1993~1996年 編著)、『草戸千軒』(吉備人出版 2000年)がある。

大久保 徹也  (おおくぼ てつや)  (

1960(昭和35)年、神奈川県鎌倉市生まれ。1986年岡山大学大学院文学研究科修士課程修了。香川県教育委員会文化行政課・(財)香川県埋蔵文化財調査センター勤務をへて、1998年徳島文理大学文学部講師、現在文学部助教授。主な論文・著書、「古墳時代以降の土器製塩」(『吉備の考古学的研究』山陽新聞社 1992年 分担執筆)、「岡山県」(『日本土器製塩研究』青木書店 1994年 分担執筆)、「備讃地域における弥生後期土器製塩の特質」(『環瀬戸内海の考古学』古代吉備研究会 2002年)、「中国・四国地方の土器」『考古資料大観2 弥生・古墳時代土器2』(小学館 2002年)、「古墳時代研究における『首長』概念の問題」『古墳時代の政治構造』(青木書店 2004年)、「古墳祭祀と王統譜」『王統譜』(青木書店 2005年)。

上記内容は本書刊行時のものです。