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『官僚たちの夏』の佐橋滋 佐高 信(著) - 七つ森書館
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『官僚たちの夏』の佐橋滋 (カンリョウタチノナツノサハシシゲル)

社会一般
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発行:七つ森書館
四六判
224ページ
上製
定価 1,500 円+税   1,650 円(税込)
ISBN
978-4-8228-0997-3   COPY
ISBN 13
9784822809973   COPY
ISBN 10h
4-8228-0997-8   COPY
ISBN 10
4822809978   COPY
出版者記号
8228   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2009年9月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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書評掲載情報

2009-10-18 朝日新聞
2009-10-11 毎日新聞
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紹介

『官僚たちの夏』(TBS系・日曜劇場で放映)の主人公・風越信吾こと佐橋滋に「ボクのことはサタカ君の方がよく知っている」と言わしめた佐高信が、異色官僚の人と思想を描き切る。原作者・城山三郎と主人公・佐橋滋の対談を収録!

目次

はじめに

1 あらまほしき官僚・佐橋滋
   『官僚たちの夏』と佐橋滋
   「異色官僚」の抵抗
   賢弟・川原英之 
   「腰越状」を送った三宅幸夫
   ハプニング人事
   親子の関係
   女性キャリア
   経済を知らない大蔵官僚
   貫いた非武装論
   残される課題
   大正生まれの結婚

2 佐橋滋の交友録
   雀友・大平正芳
   碁敵・升田幸三
   大平会のゴルフ仲間
   韻友・小林勇
   怪物・山下太郎
   詩吟の相弟子など
   伊藤肇との浪人談義
   ヤンチャな弟・平松守彦
   本田宗一郎とのケンカ対面
   大人・椎名悦三郎
   大原総一郎との関わり
   平松守彦の佐橋滋観
   焼鳥屋の六ちゃん
   賀状の詞
   ワハハのオジさん、奥村綱雄
   純生日本人への礼状

3 対論 通産官僚論 城山三郎・佐橋滋

4 対論 現代官僚改造論 久野収・佐橋滋

おわりに

前書きなど

はじめに

 城山三郎作の『官僚たちの夏』がテレビドラマ化されて評判になっている。
 主人公の風越信吾のモデルが佐橋滋だが、佐藤浩市演ずるこの役は、前に中村敦夫でドラマ化されたこともあった。池田勇人がモデルの池内信人、佐藤栄作がモデルの須藤恵作などに風越のライバルの玉木や風越を慕う鮎川、そして庭野がからむ。玉木は今井善衛、鮎川が川原英之、庭野が三宅幸夫と、それぞれモデルは絵解きできるが、何よりも佐橋の魅力について私は改めて読者に伝えたい。
 望外にも「ボクのことはサタカ君の方がよく知っている」と当人に言われるほど信頼されていた佐橋の官僚としての思想を私が深く尋ねなかったことについて、私はわが師の久野収から公開の場で非難された。一九九六年七月二十日放送のNHK教育テレビ「未来潮流」でインタビューした時である。次にその遣り取りを引いておきたい。

佐高 先生は官僚制の問題にも、いち早く目を向けておられますね。一九七七年、先生は元通産次官の佐橋滋と対談をされました。戦後の産業育成政策の基礎を築いて・ミスター通産・と呼ばれた人物です。佐橋滋は、一方で、通産省職員の労働組合の委員長をつとめ、官僚制の民主化を試みました。
   先生はその時、佐橋滋のつぎのような発言に注目しています。・組織というものはほうっておけば必ず非民主化する。そこでわたしは通産省の政策についても、組合が独自の研究会を持つようにして、官僚組織を民主化しようとした・(「官庁民主化のための労働組合運動を」)。   しかし、この民主化の試みは、佐橋滋氏が委員長を退いた後、受け継がれることはありませんでした。
久野 きみのまずかったのは、佐橋滋の内面の歴史みたいなものを記録にとっておかなかった点ですね。彼は同年の丸山真男の思想と人物を尊重すると言っていましたね。ぼくは、佐橋氏は岸信介と対抗できるだけの存在だったと思いますよ。対抗というのは岸的官僚主義と対抗するという意味です。それで、官庁や官僚における民主化とは何であるかという問題を職業倫理の立場から先頭に立ってやったわけでしょう。
佐高 珍しくキャリア組の出身で組合の委員長をやっていたのですね。
久野 委員長をやって、官僚の民主化をやろうと思ったんだと、彼はぼくに言いましたよね。
佐高 そういう人たちの、佐橋さんなら佐橋さんの哲学がまだ受け継がれていない、わたしもそういうのを書かなかったということかもしれませんけれども……。
久野 佐橋氏にそういう官僚制の病弊みたいなものを、内在的に佐高君はなんで訊いておかなかったかと。彼は佐高君の生き方を大変評価しておったからね。あのとき佐高君はまだ若造だったからね。その若造を評価していました。
佐高 佐橋さんの苦衷がまだわからなかったのかもしれない。
久野 彼は、通産次官から、民間のいかなる役職にも天下らなかった。

 ここで話題になっている久野・佐橋対談は巻末に収録したが、佐橋は非武装論の主張でも異色だった。その非武装論は、久野にも学んだものである。
 いずれにせよ、佐橋が「異色」の官僚であっては、官僚の存在価値はない。この本を読んで、公の立場に立つ官僚の位置づけを改めて考える素材としてほしい。

   2009年7月30日   佐高 信

著者プロフィール

佐高 信  (サタカ マコト)  (

1945年山形県酒田市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、郷里の高校教師、経済誌の編集長を経て、評論家となる。「週刊金曜日」を発行する株式会社金曜日の代表取締役社長。憲法行脚の会呼びかけ人。
主な著書に、『世代を超えて語り継ぎたい戦争文学』(澤地久枝との共著、岩波書店)、『魯迅烈読』『逆命利君』(岩波現代文庫)、『田原総一朗とメディアの罪』(講談社文庫)、『小泉純一郎と竹中平蔵の罪』(毎日新聞社)、『福沢諭吉伝説』(角川学芸出版)、『拝啓藤沢周平様』(田中優子との共著、イースト・プレス)、『抵抗人名録』『罪深き新自由主義』(高杉良との共著)(金曜日)、『追悼譜』(ちくま文庫)、『蟻食いを噛み殺したまま死んだ蟻』(田中伸尚との共著)『100人のバカ』(岡留安則との共著)『われら63歳朝焼けを生きる』(落合恵子との共著)『城山三郎と久野収の「平和論」』(編著)『詩歌と俳句の湧き口』『佐高信の甘口でコンニチハ!』『佐高信の辛口 100社事典』(七つ森書館)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。