発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 224ページ 並製
定価:1,143円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-3075-4 C0336
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年10月 書店発売日:2009年10月15日
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09年夏の総選挙で国民の圧倒的支持で成立した民社国連立政権。戦後長く続いた自民党政権にかわり、官僚依存のこの国をどう刷新させるか。とくに市場原理主義政策によって破壊的な打撃を受けた弱者、地方をどのように再生させるのか。新政権の課題を考える。
目次
特集のことば
[特集:民主“革命”—日本は変わる—]
・「律儀な人々」の革命(住沢博紀:本誌編集委員)
・民主党“革命”と日本政治の行方(早野透:朝日新聞コラムニスト×橘川俊忠:本誌編集長)
・「政権交代」の歴史的意味を考察する(橘川俊忠:神奈川大学教授)
・財源をどこに求めるか(山家悠紀夫:暮らしと経済研究室)
・日本の安全保障と核軍縮への道(高原孝生:明治学院大学教授)
・労働政策民主党政権の課題(濱口桂一郎:労働政策研究・研修機構)
・年金制度の何が改革されるべきか(駒村康平:慶應義塾大学教授)
・民主党に代わって「成長戦略」をつくる(小林良暢:グローバル総研所長)
・環境エネルギー政策の行方と期待(飯田哲也:環境エネルギー政策研究所)
・国連が日本に自由権規約で厳しい勧告(千本秀樹:筑波大学教授)
・「政権選択」選挙と転換期の市民社会(松田博:立命館大学教員)
・分権改革から「市民自治法」へ(澤井勝:奈良女子大学名誉教授)
・実存か政策提言か(鈴木英生:毎日新聞東京本社学芸部)
・今がチャンス、「サードセクター」形成へ(濱口金也:パルシステム生協連合会)
[深層]
・政策決定過程で問題残る連立合意(桐原保:フリージャーナリスト)
[メディア時評]
・政権交代日本の政治とメディアは変わるか(喜多村俊樹:ジャーナリスト)
[警世閑話]
・総選挙を見て、巨視的将来を一考する(西田照見:立正大学名誉教授)
[想うがままに]
・自公にとどめを刺せ(小寺山康雄:本誌編集委員)
[文化時評]
・庄野潤三、のりピー、ある私小説作家(陣野俊史:批評家)
[この一冊]
・小熊英二著『1968』(上)若者たちの叛乱とその背景/(下)叛乱の終焉とその遺産(富田武:本誌編集委員)
[読者論壇]
・追悼「朝までテレビで討論する革命家」上田耕一郎(斎藤邦泰:『月刊伯楽』編集長)
・「出口」見えないアフガニスタン戦争(金子敦郎:国際問題ジャーナリスト)
・違憲のデパートと化した裁判員裁判(橋詰悦荘:ジャーナリスト)
・君主の政治的機能とベルギーの分裂危機(松尾秀哉:聖学院大学准教授)
・ヘーゲルとマルクス(アンドレーアス・アルント:国際ヘーゲル学会会長)
2010新春号(VOL.22)予告
編集後記
前書きなど
特集のことば
八月三〇日午後八時、列島に衝撃が走った。開票と同時にテレビは民主党圧勝・自民党惨敗、与野党逆転・政権交代を報じた。多くの国民は深夜まで、自民や公明の大物議員の敗退、民主新人の勝利を固唾を呑んで見守った。自らが投じた一票で演じられる壮大なドラマ——その主役の座にあることを実感したかもしれない。
なぜ起こったのか。かつて無い政治権力の交代は、「民主に一度はやらせてみよう」の民意が持続したこと、麻生のコマーシャルを流せば流すほど票が逃げたことが象徴する。同時に小泉−平蔵の市場原理主義で痛めつけられた民衆の全国津々浦々の総反乱であったのだ。また麻生のダメさを見抜き、「なんぼなんでも、これが日本の総理大臣か、恥ずかしい」という日本人の“恥の文化”が生きていたのであろう。
ともあれ永く日本に君臨した自民党は一夜にして権力の座から滑り落ち、奈落の底へ。それは、やるせない日々の思いを民主党に託した民衆の総反乱“一票革命”であり、新たな日本政治の歴史への序章である。
幕は開いた。これからである。鳩山新総理や閣僚が会見で、自らの言葉で語り、マニフェストの実現を宣言するその姿は国民に新鮮に映り、何かが変わるかもと思わせた。「脱官僚政治、生活重視」の政治とは何か。面従腹背−実質的なサボタージュをさせず、「民主に奉仕する役人」に舵をきらせるためには政治家の力量そのものが問われる。臨時国会や予算編成が始まる。国民の予感を実感とさせる確かな一歩を踏み出せるか。国民やメディアの側も政治変動の過渡期である今、しばしの時間を新政権に与える度量を持つことも肝心である。
同時に新政権の側も政治・権力の毒性を深く自覚すること。また新政権は連立政権であり、民主圧勝は小選挙区制度のなせる技。比例票でみれば民主三三〇〇万、社民三〇〇万で一割。しかも、この三〇〇万は確信的な民意である。多様な民意を吸収する連立政権であってもらいたい。
本号特集はあえて「民主党“革命”——日本は変わる」とした。巻頭論考は「律儀な人々の革命」とよぶ。各論考は何が起こったのか、何をなすべきか、を多角的に論じる。精読いただき是非談論風発を期待したい。
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