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国境を越えるフィリピン村人の民族誌 長坂 格(著) - 明石書店
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国境を越えるフィリピン村人の民族誌 (コッキョウヲコエルフィリピンムラビトノミンゾクシ) トランスナショナリズムの人類学 (トランスナショナリズムノジンルイガク)

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発行:明石書店
A5判
452ページ
上製
定価 8,000 円+税   8,800 円(税込)
ISBN
978-4-7503-2935-2   COPY
ISBN 13
9784750329352   COPY
ISBN 10h
4-7503-2935-5   COPY
ISBN 10
4750329355   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2009年2月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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紹介

故郷との間に密接なネットワークを保持してきたフィリピン人移住労働者たち。イロコス地方村落と移住先イタリアでのフィールドワークをもとに移住者の生活世界を鮮やかに描き出し、国際移住がもたらすトランスナショナルな社会関係の形成や変化を考察する。

目次


序論 トランスナショナリズムを文脈化する
 はじめに
 1 フィリピンからの国際移住に関する先行研究の検討
 2 フィールドワーク
 3 本書の構成
 4 イロカノ語表記および為替レートについて

第 I 章 トランスナショナリズム研究からの視点
 はじめに
 1 移住研究における均衡論と史的構造論
 2 トランスナショナリズム研究の射程

第 II章 村落社会の概観
 はじめに
 1 町の中心と周辺
 2 家族・親族関係の特徴
 3 イロコス地方からの移住

第III章 S村からイタリアへの移住
 はじめに
 1 移住研究における親族ネットワーク
 2 イタリアにおけるフィリピン人の概況
 3 移住者のプロフィール
 4 S村におけるイタリアへの移住の拡大
 5 ローマにおける移住者の生活とネットワーク
 6 親族ネットワークの政治経済的背景
 おわりに

第IV章 村落社会の中のバリックバヤン
 はじめに
 1 S村における送金収入の重要性
 2 海外移住者と村落社会の多様な関わり
 3 海外移住者の故郷での生活

第V章 故郷で養育される移住者の子どもたち
 はじめに
 1 トランスナショナルな家族ネットワークへの視点
 2 故郷に残される/送り返される子どもたち
 3 家族関係の特徴からの考察
 4 「持つ親族」と「持たざる親族」
 おわりに

第VI章 故郷で伝統的宴を主催する
 はじめに
 1 村落社会における精霊信仰
 2 村落社会における宴
 3 ダヤの事例
 4 ダヤの現在
 5 考察

第VII章 マニラに移住した村人たち
 はじめに
 1 S村出身者のマニラにおける紙器業への集中の経緯
 2 S村出身者の紙器業への集中の背景
 3 紙器工場経営者たちの日常生活
 おわりに

結論 国境を越える村人と故郷
 はじめに
 1 トランスナショナリズムの形成過程の個別性
 2 トランスナショナルな社会的場の動態
 3 トランスナショナリズムの持続
 4 トランスナショナリズムの文脈化と国際移住研究

 付録1 男性への結婚時の相続(サブオン)の歴史的変化
 付録2 世帯調査の概要

 謝辞――あとがきにかえて
 参考文献
 主要語彙集
 索引

前書きなど


はじめに(一部抜粋)

(…前略…)

3 本書の構成
 本書の構成は以下の通りである。まず、第 I 章では、移住研究の主要なアプローチとの対比でトランスナショナリズム研究の視点・射程について論じることによって、本書の理論的枠組みを明確にする。
 第II章では、フィリピン、イロコス地方の村落社会について論じる。具体的には、町空間の構成、家族・親族関係の様態、村落の移住史について述べ、出身地社会の歴史的・社会的・文化的文脈を明らかにする。
 第III章では、本書が主として扱うイタリアへの移住の展開過程、およびイタリアでのS村出身者の生活について論じる。移住過程・移住後の生活における彼らの親族関係の重要性を指摘し、あわせてそれを第II章の出身地社会の家族・親族関係についての記述と、イタリアの移入民政策や家事労働市場との関連で考察する。
 第IV章では、村落社会における社会経済変容に着目する。特に、海外移住の村落経済への影響、村落における一時帰国者の消費行動による新たな階層関係の生成について論じる。
 第V章では、イタリアへの移住者の子どもたちが故郷で養育される現象に着目し、近親者間のトランスナショナルな協力関係について、第II章と第IV章の記述を踏まえて考察を加える。
 第VI章では、海外移住者たちが故郷でイロコス地方の伝統的宴を主催する現象を取り上げる。村落社会の精霊信仰、宴の進行、儀礼の中での宴の位置づけなどを詳細に論じた上で、海外移住者たちの移住経験との関連で、彼らが故郷で伝統的宴を主催する現象を考察する。
 第VII章では、マニラに移住したS村出身者のうち、故郷と密接な関係を保持し続ける、印刷業の下請け産業に集中した人々を取り上げる。彼らの特定産業への集中過程を跡付けた上で、彼らの生活史を題材に、イタリアへの移住者との比較で、日常生活における社会関係の広がり、故郷との関係、海外在住親族との関係を記述分析する。

(…後略…)

著者プロフィール

長坂 格  (ナガサカ イタル)  (

1969年、愛知県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。筑波大学大学院修士課程地域研究研究科修了。神戸大学大学院文化学研究科博士課程単位取得退学。
現在、新潟国際情報大学情報文化学部准教授。博士(文学)。

主要論文
「フランスにおけるフィリピン人労働者のエスニシティ」(佐々木衞編『越境する移動とコミュニティの再構築』東方書店、2007年)、
“Cellphones in the Rural Philippines”(Pertierra, Raul(ed.)The Social Construction and Usage of Communication Technologies: Asian and European Experiences, University of the Philippine Press, 2007)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。