EUの女性科学技術者政策科学技術とジェンダー
ヘルガ・リュープザーメン=ヴァイクマン:編著, 小川 眞里子:訳, 飯島 亜衣:訳
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 112ページ 上製
定価:1,400円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2002-1 (4-7503-2002-1) C0036
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奥付の初版発行年月:2004年11月 書店発売日:2004年11月12日
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紹介

ヨーロッパ産業界が活性化する上で,女性研究者が担う役割と,彼女達が直面する職業上・生活上の障害を分析した研究報告。洋の東西を問わず,私生活と仕事の板挟み,公的な場面での差別に悩む姿が浮き彫りになる。

目次

序(フィリップ・ビュスカン研究総局長)
まえがき
第1章 イントロダクション
第2章 なぜ科学と技術開発で女性に注目するのか
第3章 産業界で研究に従事する女性──概観
第4章 2010年に向けての展望──チャンスと取り組み
第5章 起業家──経済活性化の切り札
第6章 結論と提言
参考文献と出典
略語一覧
訳者あとがき

前書きなど

訳者あとがき  本書は、欧州連合(EU)で科学技術研究にかかわっている専門家グループによってまとめられた報告書である。グループを組織したのはEUの研究総局である。特に科学技術に限定しなければ、わが国において諸外国の女性の雇用一般に関する研究は幾冊かすでに出版されている。しかし特に女性の科学技術者に限定し、EU全体を概観した書物は現在のところほとんど無く、その点が小冊子ながら本書のユニークな点である。加えて、多くのグラフを組み込んだ本書はきわめて手軽で、EUの科学技術政策における女性登用策の概要を知るに便利である。EUは2004年5月から25カ国になったが、本書の基本的データの価値はけっして失われていないし、そこに見られる提言の多くは、一般企業のみならず法人化元年を迎えた大学運営にも有益ではないかと思われる。  EUの政策は4年ごとに区切られていて、ちょうど10年ほど前に開始された第4次フレームワーク・プログラム(1994−98)の頃から女性と科学の問題が大きく取り上げられるようになった。とりわけ1998年にはフランス初の女性首相経験者であるエディス・クレッソン研究総局長の肝いりで、欧州委員会と欧州議会が共同して「女性と科学」の問題に取り組むという画期的な国際会議がベルギーで開催され、それを受ける形で研究総局内に「女性と科学」ユニットが設立されることになった。  クレッソンの積極策を引き継ぎ第5次フレームワーク・プログラム(1998−2002)では、フィリップ・ビュスカン研究総局長のもと「女性と科学」ユニットはめざましい政策推進を展開した。最も有名なのは、1999年にヨーロッパのすぐれた女性科学研究者12人によってまとめられた提言である。ヨーロッパの女性研究者の現状をレポートし、問題点を明らかにし、「平等な扱い」「ポジティヴ・アクション」「ジェンダー・メインストリーミング」の三つの政策を打ち出したもので、作業グループの組織名European Technology Assessment Networkの頭文字をとって『ETANレポート』と呼ばれる。同じく1999年にEU公認の活動主体としてEU加盟国と準加盟国の代表からなる「ヘルシンキ・グループ」が設立され、各国の研究者のジェンダー分布状況や女性研究者の環境情報の収集を行い、共通する調査項目のもと加盟国・加盟候補国30カ国の比較が公表された。  科学と女性の問題についてこれまで取り組んできた歴史研究と違って、『ETANレポート』や『ヘルシンキ・レポート』を通して、EUにおける女性科学者・技術者支援政策を知るようになると、具体的なジェンダー平等推進政策における日本の立ち遅れが気がかりになりはじめた。そのような折、2003年度の21世紀COEプログラムにお茶の水女子大学の「ジェンダー研究のフロンティア」が採択された。同プログラムは四つのプロジェクトで構成され、そのなかに「身体と医療・科学・技術」をテーマに事業推進を行うプロジェクトも組み込まれることになった(プロジェクトC:リーダー舘かおる)。プロジェクトCのお手伝いをさせていただくなか、EU研究総局の「女性と科学」ユニット部長として第5次フレームワーク・プログラムで活躍されたニコル・ドゥワンドルさんを本年2月お茶の水女子大学に招聘することが出来、舘かおる先生のご尽力の下に講演会やシンポジウムが開催された。  ドゥワンドルさんの来日を機会に、本書の翻訳を具体的に相談し、版権の問題も一切無用である旨の了解を得て、すでに第2版の出版となって欧米で広く読まれ活用されている本書の翻訳に本格的に取り組んだ。EUの女性科学技術者の登用推進の現状が広く知られ、わが国でもそのような流れが作り出されることに本書がいささかなりとも役立てば幸いである。  ここで読者の便宜のために、インターネットのサイトについて一言付け加えておきたい。欧州委員会研究総局の情報サービスの一環であるCORDISの女性と科学に関する次のページから、「女性と科学」ユニットに関係する大半の報告書(本誌をはじめ『ETANレポート』など)をダウンロードすることが出来る。ただし掲載されている本誌は初版で、かなりの誤植や落丁がある。翻訳に当たっては、程なく出版された第2版を使用した。 http://www.cordis.lu/improving/women/documents.htm (後略)

著者プロフィール

ヘルガ・リュープザーメン=ヴァイクマン(リュープザーメン=ヴァイクマン,ヘルガ)

Professor Dr. Helga Rubsamen=Waigmann
バイエル株式会社 副社長、フランクフルト大学教授

上記内容は本書刊行時のものです。

小川 眞里子(オガワ マリコ)

三重大学人文学部教授。専門は科学史・科学論。

主要著訳書
『フェミニズムと科学/技術』(岩波書店、2001年)、『科学史から消された女性たち』(ロンダ・シービンガー著、共訳、工作舎、1992年)、『女性を弄ぶ博物学』(ロンダ・シービンガー著、共訳、工作舎、1996年)、『ジェンダーは科学を変える!?』(ロンダ・シービンガー著、共訳、工作舎、2002年)、『ヴェールをとる科学』(L. J.シェパード著、共訳、誠信書房、1997年)他。

上記内容は本書刊行時のものです。

飯島 亜衣(イイジマ アイ)

上智大学大学院文学研究科教育学専攻博士後期課程2年

上記内容は本書刊行時のものです。


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