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引用と借景 文学・美術・映像・音楽と旅の想到 栂正行(著/文) - 三月社
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引用と借景 文学・美術・映像・音楽と旅の想到

発行:三月社
四六判
228ページ
価格 2,200円+税
ISBN
9784990775520
Cコード
C0070
一般 単行本 芸術総記
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年1月30日
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紹介

アートを追って人はどこに到着するのか。
各地のパブリック・アート、美術館などを訪ねる鉄道の旅を通じて、文学・美術・映像・音楽の各分野を往還、思索を縦横無尽に連結。
作品に見られる「引用」と「借景」の営みをたどるアートの意味論。

東海道新幹線から見る富士山に違和感をもったことはないだろうか。
著者は言う、「富士山はときとして、自然に誕生したのではなく、誰かによって引用されたかのように見える」と。
アートにおける「引用」と「借景」という行為からアートの意味を捉え直そうと、著者は列車の旅に出る。
新幹線の各駅で降車し各地のアートを追いかけつつ、同時に世界の文学作品をひもとき、思索を続ける。
ノーベル文学賞受賞のカズオ・イシグロ作品の解釈、V・S・ナイポール『到着の謎』とデ・キリコの絵画『到着と午後の謎』の関係、ロンドン・ソーホーの映画群からシュルレアリスムの絵画、市場と広場の成立など、想像を駆使して著者が見出した「引用」と「借景」の営みとは。
本書もまた書店に、そして読者に引用される旅に出る。

◆[本書に登場する国内地域]
立川(ファーレ立川)
上野(東京藝術大学など)
東京(東京ステーションギャラリー)
田端(田端文士村)
新横浜(山下公園・インド水塔)
小田原(一夜城ほか)
浦和・大宮・岩槻(さいたまトリエンナーレ)
熱海(MOA美術館、來宮神社、井上靖文学記念館)
三島・新富士(富士山)
静岡(静岡市美術館、静岡県立美術館、大道芸ワールドカップ・イン・静岡)
掛川(シルクロード・ミュージアム)
浜松(浜松市楽器博物館)
名古屋(あいちトリエンナーレ、周辺の美術館)
滋賀・奈良・兵庫・大阪・京都のアート施設、庭園
など
◆[本書に登場する作家、作品名など]
カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』『浮世の画家』『日の名残り』『充たされざる者』『夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』『わたしたちが孤児だったころ』『わたしを離さないで』
V・S・ナイポール『ビスワス氏の家』『模倣者たち』『暗い河』『到着の謎』『魔法の種』
赤瀬川原平
芥川龍之介
アラン・シリトー
飯田善国
イタロ・カルヴィーノ
井上靖
ヴィクラム・セス
エドワード・モーガン・フォースター
遠藤周作
オペラララちゅうサン(ちゅうサン)
川端康成
小池滋
ゴッホ
サマセット・モーム
ジョージ・エリオット
デ・キリコ
チャールズ・ディケンズ
中里恒子
中野重治
ピーター・コンラッド
ポール・セロー
ポール・デルヴォー
マニュエル・プイク
宮川淳
ロイ・リキテンシュタイン
ロニー・スコッツ
映画『ビギナーズ』『さらば青春の光』
ほか

目次

はじめに 1
凡例 5

第一章 人を包囲するモノ 9

パブリック・アートと知らず 10
旧来型オブジェの意味を離れ 11
街中のオブジェ 13
人の停止、静止、オブジェ化 16
引用される記憶の黄色 20
モームとゴーギャン 21
虎の文学 22
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 23
長命な詩人 24
ショウウィンドウ都市 26
ロイ・リキテンシュタイン 28
駅を借景 30
消えた移動する客車 32
近代日本の文化中枢 34
文士と蜜柑 37
過密都市の庭園と路面電車 40
物量都市のモノからの解放 41
モノの呪縛 42
デ・キリコ 43
各駅停車「こだま」 46
蛇行 47
「皇帝列車」 49
関東のインド 51
城 53
ヘンリー・ムーアと飯田善國 56


第二章 東海道にアートを求めて 57
未完の家・モノ・ことば・こころ

建てられざる家の設計図 58
三つのモノ 59
時雨亭の跡、モノからことばへ 60
作家を越えて建つ庵 61
普請細部の省略 62
オースティンのモノ、フォースターの金 64
モノで横溢する近代 65
言葉のなかのことばとモノ 67
モノの過剰のあとに来る世界 68
戦後の飢餓と物量の饗宴 70
モノの支配とディケンズの作品 71
エリオット作品とこころの問題 73
ことばの成長、中野と井上 76
ナイポール、モノの中心を求め中心に倦み 78
モノと回想、イシグロ理解の糸口 82
絵と音楽を借りる小説 86
モノの読み直しと三つの世界文学 90
プレモダン、モダン、ポストモダン 94
パブリック・アートとしてのビル群 96
井上靖の光 100
富士が揺さぶるアートの意味 102
ロダンと森のパブリック・アート 104
大道芸ワールド 106
オペラララちゅうサン 108
家康の黄色 111
模型化 112
動くアート、音を楽しむ 113
あいちトリエンナーレ会場へ 115
居心地のよいカフェと道標 116

第三章 アートに到着する旅 119
西へ東へ

着くということ、着いてからのこと 120
名古屋中心の施設 121
豊田市美術館 124
古川美術館と八事の蝶々、翼竜のたまご 125
ソーラーアークと塔 127
海路 129
木曽三川 131
滋賀・和歌山 132
奈良・兵庫 133
大阪 135 
京都・パンフレットと関心 137
現代美術から庭園まで 139
旅のデスティネーション 140
上京型移動 144
いくつもの浦和 144
さいたまトリエンナーレと別所沼 146
地下食堂の映像演劇 149
借景される社員寮 150

第四章 アートは何を掬いとるのか 153
アートの意味、英語学習とアート
ロンドン・ソーホーとアート

アートへの情熱 154
海外のアートと英語 155
アートの英語を日本で準備する 157
英語を復習する参考書 158
手作業で調べ尽くして「読む」 160
カズオ・イシグロ作品を「聴く」 162
回収されざる感情の向かう先 164
見る者の乾きと架空の美術館 167
アートを生み出す街、ソーホーを歩く 169
ソーホーの歴史を背負う作品たち 172
『ビギナーズ』 174
『さらば青春の光』 180
ソーホーの現実を超えぬ映画 182
ソーホーのライブハウスと生の音 184
ソーホーの出版社・書店 185
ソーホーのパブ 186
ロンドン、ソーホー年表 188
COLUMN 音楽の引用と借景 190

第五章 広場の引用と借景 191

シュルレアリストの広場 192
到着と広場の謎 195
市場を描いた絵画 198
フィレンツェ、広場の形容詞 200
『ロモラ』の政治的広場 201
ローマ・力の広場、ヴェニス・広場の反転 202
劇場の残滓、劇場前広場 203
日本の広場 204
港湾広場、空港広場 205
映画のなかの広場 206
解放の広場の交友 208
文豪の広場、言葉の市場 209
ヘミングウェイの広場、パリ 210
到着 211
引用と借景 213

おわりに 215
参考文献 218
索引 221

著者プロフィール

栂正行  (トガマサユキ)  (著/文

東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。同大学人文学部助手を経て、現在、中京大学国際教養学部教授。
著書に『コヴェント・ガーデン』(河出書房新社)、『絨毯とトランスプランテーション』(音羽書房鶴見書店)、『土着と近代』(共編著、音羽書房鶴見書店)、『インド英語小説の世界』(共編著、鳳書房)、『刻まれた旅程』(共著、勁草書房)、訳書にアルフレッド・ダグラス『タロット』、リチャード・キャヴェンディッシュ『黒魔術』、『魔術の世界』(いずれも河出書房新社)、マテイ・カリネスク『モダンの五つの顔』(共訳、せりか書房)、V・S・ナイポール『中心の発見』(共訳、草思社)、サイモン・シャーマ『風景と記憶』(共訳、河出書房新社)、カミール・パーリャ『性のペルソナ』(共訳、河出書房新社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。