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解析力学 村上 雅人(著) - 飛翔舎
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解析力学 (カイセキリキガク)

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発行:飛翔舎
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ20mm
290ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-910879-13-0   COPY
ISBN 13
9784910879130   COPY
ISBN 10h
4-910879-13-7   COPY
ISBN 10
4910879137   COPY
出版者記号
910879   COPY
Cコード
C3042  
3:専門 0:単行本 42:物理学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年4月1日
書店発売日
登録日
2024年2月5日
最終更新日
2024年4月1日
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紹介

大学で習う理工系の科目で、 最も難解だと言われる解析力学。
本書では、ラグランジアン L やハミルトニアン H の応用例を示し、
解析力学が立脚する変分法をわかりやすく解説。
ニュートン力学があるのに、なぜ、解析力学が必要なのか? その答えが分かる。

解析力学が、難解でも無用でもなく、人類の所産であることに気づかされる。

目次

もくじ
はじめに ························································ 3

第 1 章 変分法 9
1. 1. 関数の停留値9
1. 2. 汎関数と変分11
1. 3. 最速降下曲線問題20
1. 4. オイラー方程式26
1. 5. 最速降下曲線問題の解30
1. 6. 懸垂曲線33
1. 7. オイラー方程式の一般式 41
補遺1-1 変分法におけるy とy' の取り扱い 43

第2 章 解析力学事始め ラグランジアンとラグランジュの運動方程式 ···· 48
2. 1. 物体の運動例 48
2. 2. 最小作用の原理 49
2. 3. 慣性運動54
2. 4. 作用積分55
2. 5. なぜL=TーU なのか 56
2. 6. ラグランジュの運動方程式60
2. 7. 放物運動62
2. 8. 単振り子66
2. 9. 惑星運動69
2. 10. まとめ 77
補遺2-1 極座標における運動解析 79
A2. 1. 直交座標と極座標 79
A2. 2. 回転行列 82
A2. 3. 極座標におけるベクトル表示 84
A2. 4. 速度ベクトル成分の極座標表示 87
A2. 5. 加速度ベクトルの極座標表示 88
A2. 6. 運動方程式 91

第3 章 仮想仕事の原理 ········································· 93
3. 1. 力のつりあい 93
3. 2. 静力学への応用 98
3. 3. 条件付き極値問題 106
3. 4. ダランベールの原理 109
3. 5. ラグランジアンの導出 113
補遺3-1 ラグランジュの未定乗数法 118
A3. 1. 極値問題 118
A3. 2. 条件付極値 119
A3. 3. 未定乗数法 120

第4 章 一般化座標 ···············································125
4. 1. ラグランジアンと座標 125
4. 2. 一般化座標 130
4. 3. 自由度と運動 132
4. 4. 多体系の振動 143
4. 5. 一般化運動量 159
4. 6. 一般化力 161
4. 7. 循環座標 163

第5 章 ハミルトニアン ···········································166
5. 1. 正準方程式 166
5. 2. 一般化運動量 171
5. 3. 極座標 174
5. 4. 最小作用の原理とハミルトニアン 185
5. 5. エネルギー保存則 188
補遺5-1 ルジャンドル変換 192

第6 章 正準変換 ·················································197
6. 1. 位置と運動量 197
6. 2. 位相空間と単振動 198
6. 3. 一般の運動 202
6. 4. 正準変換 204
6. 5. ラグランジュ方程式の不定性 213
6. 6. 正準変換と母関数 219
6. 7. 無限小変換 231
6. 8. リウビルの定理 235
補遺6-1 母関数の時間変化 238

第7 章 ポアソン括弧 ············································240
7. 1. 正準変換とポアソン括弧 240
7. 2. ポアソン括弧の一般化 242
7. 3. ポアソン括弧の応用 250
7. 4. 自由度 255
7. 5. 角運動量とポアソン括弧 258
7. 6. 生成消滅演算子 260
補遺7-1 ヤコビ恒等式 264

第8 章 ハミルトン-ヤコビ方程式 ·····································268
8. 1. ハミルトニアンがゼロとなる変換 268
8. 2. ハミルトン-ヤコビの手法 273
8. 3. 母関数とラグランジアン 285

おわりに ···························································287

前書きなど

はじめに

大学で習う理工系の科目で、何が最も難解かと問われれば、解析力学
(analytical mechanics) と答えるひとが多いのではないだろうか。一般力学であれ
ば、ニュートンの運動方程式で多くの問題を解法できる。それも、力のつりあい
に基礎を置いているので、直感でもわかりやすい。なにより、高校で習う手法で
ある。わざわざ、解析力学という別形式の物理を習う意味がないのではないか。
これが、多くの初学者が感じる率直な疑問であろう。
さらに、ラグランジアンL と呼ばれる関数がいきなり登場し、それがL = TーU
という運動エネルギーから位置エネルギーを引くという式によって与えられる
と習う。そして、はじめはL が主役を演じることになる。その物理的意味に疑問
を持ちながら進んでいくと、突然、ハミルトニアンH が登場し、こちらの関数
は、H=T+U という足し算であると習う。そして、ラグランジュ形式からハミ
ルトン形式の解析力学へと引き継がれる。いよいよ、初学者は路頭に迷うことに
なる。

実は、解析力学の手法は変分法に立脚している。つまり、変分法の理解が、解
析力学を理解する第一歩となる。そのうえで、物体の運動に変分法を適用した際
に登場するのがラグランジアンL なのである。そして、L の変数をルジャンドル
変換したものがハミルトニアンH なのである。
形式が異なることから戸惑うひとも多いかもしれないが、解析力学という手法
によって力学問題が解法できるという事実は、新たな視野を与えるものでもある。
物理学者のファインマン (Richard Feynman) は、解析力学に魅せられたひとり
である。それは、この学問がニュートン力学とは異なる手法を使っていながら、
まったく同じ解を与えるからである。そして、彼は、最小作用の原理をもとに、
量子力学において経路積分という独自の手法を構築したのである。
とは言え、解析力学を難解と感じているひとが多いのも事実である。そこで、
本書では、ラグランジアンL やハミルトニアンH などに、どのような意味があ
るのかを、応用例も示しながらわかりやすく解説している。物理の手法は実践に
利用してみて、はじめて理解が進むからである。これは、理工数学シリーズの基
本的考えである。

本書を通して、解析力学が難解で無用なものではなく、人類の所産であり、も
のごとを見つめるときに、別の角度から光をあてると、異なった風景が見えるこ
とに気づかせてくれる学問なのだということを少しでも感じていただければ、著
者として幸いである。

2024 年 春
村上雅人、鈴木正人、小林忍

版元から一言

式の導出過程をいっさい省略しない
高度な数学手法には、詳しい補遺を付記
読者をじっくりと理解へ導く

著者プロフィール

村上 雅人  (ムラカミ マサト)  (

理工数学研究所 所長 工学博士
情報・システム研究機構 監事
2012 年より2021 年まで芝浦工業大学学長
2021 年より岩手県DX アドバイザー
現在、日本数学検定協会評議員、日本工学アカデミー理事
技術同友会会員、日本技術者連盟会長
著書「大学をいかに経営するか」(飛翔舎)
「なるほど生成消滅演算子」(海鳴社)
など多数

鈴木 正人  (スズキ マサト)  (

理工数学研究所 主任研究員

小林 忍  (コバヤシ シノブ)  (

理工数学研究所 主任研究員
著書「超電導の謎を解く」(C&R 研究所)
「低炭素社会を問う」(飛翔舎)
「エネルギー問題を斬る」(飛翔舎)
「SDGs を吟味する」(飛翔舎)
監修「テクノジーのしくみとはたらき図鑑」(創元社)

上記内容は本書刊行時のものです。