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猪俣津南雄
戦略的思考の復権
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2023年8月4日
- 登録日
- 2023年6月20日
- 最終更新日
- 2023年8月3日
紹介
戦前期の社会主義運動において、セクト主義や教条主義を批判し、
独自の戦略論・組織論を提起するとともに、
日本資本主義論争を尻目に農村踏査を行い、
反ファッショの統一戦線を模索し続けた猪俣津南雄――。
その闘いの軌跡は、いま困難に立ち向かう人々に対する熱いメッセージだ。
目次
緒 言
〈一〉時代を超えて共鳴し合うもの
〈二〉ロシア革命インパクトと組織問題
〈三〉批判的活動を通じた独自の思想形成
〈四〉戦略的思考が切り開くもの
第一章 共産党結成と旧思想の克服 一九二一~二三
第二章 共産党再建と無産政党をめぐる確執 一九二四~二六
〈一〉活動制限下の調査研究
〈二〉猪俣の社会主義思想
第三章 独自の現段階分析と戦略規定
第四章 「帝国主義研究」と「現代日本ブルジョアジーの政治的地位」
〈一〉世界革命の展望――『帝国主義研究』
〈二〉日本革命の展望――「現代日本ブルジョアジーの政治的地位」
第五章 戦略論争と組織論争の展開 一九二八~二九
〈一〉戦略規定をめぐる論争の展開
〈二〉混迷深める無産政党合同問題
〈三〉労働戦線再建の試みと『労農』脱退
第六章 戦略的思考と横断左翼論
〈一〉戦略的思考――戦略論争が提起するもの
〈二〉横断左翼論――統一戦線と前衛結成の交互作用
第七章 戦略論争の新展開
〈一〉「野呂・猪俣論争」再考
〈二〉「コミンテルン綱領」をめぐって
〈三〉その後の猪俣の活動
第八章 「労働戦線」から「民衆戦線」へ
〈一〉職場に根ざした労働組合の構築
〈二〉反戦運動の展開と全評結成
〈三〉加藤勘十訪米と「英文レポート」
〈四〉「統一運動に現れた労働者大衆の生長」
第九章 ファシズム批判と未完の農村革命論
〈最期の日々〉一九三七年~一九四二年
第一〇章 生い立ち~米国留学時代
〈一〉俳人「鹿語」として
〈二〉米国における留学生活
前書きなど
猪俣津南雄(いのまた つなお)
1889年新潟で生まれ長岡中学を卒業。早稲田大学を卒業し、1915年に米国に留学、在米日本人社会主義者団の活動に加わり、21年に帰国。翌年の日本共産党結成に参加。第二次共産党には加わらず、27年発刊の『労農』の同人として戦略論争を展開。29年に『労農』同人脱退後は精力的に執筆活動を行い、反戦運動や農民運動にも関与。37年の人民戦線事件で逮捕され、42年に死去。
著書に『現代日本研究』『金の経済学』『農村問題入門』など。
上記内容は本書刊行時のものです。