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新型コロナパンデミック下の医療と移民 駒井 洋(監修) - 明石書店
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新型コロナパンデミック下の医療と移民 (シンガタコロナパンデミックカノイリョウトイミン) 情報・保健・医療サービス (ジョウホウホケンイリョウサービス)

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発行:明石書店
A5判
196ページ
並製
価格 2,800円+税
ISBN
978-4-7503-5584-9   COPY
ISBN 13
9784750355849   COPY
ISBN 10h
4-7503-5584-4   COPY
ISBN 10
4750355844   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年6月30日
書店発売日
登録日
2023年5月30日
最終更新日
2023年7月7日
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紹介

2019年にはじまったCOVID-19によるパンデミック禍のなかで日本のなかの移民はどのように医療サービスにアクセスしていたか。捕捉しにくいオーバーステイ滞在者などのワクチン接種のほころびを回避するために、行政・医療従事者はどのようにアプローチしたか。

目次

「移民・ディアスポラ研究」11の刊行にあたって

序章 近未来社会を映し出す医療と人権の位相[山田健司]
 プロローグ(前提)
 パラダイムの新生面
 「人権」の素性
 パラダイム転換の必要性

 新型コロナ関連年表

第1部 ワクチン接種を含む感染者への医療的対応

第1章 外国人の保健医療アクセス――新型コロナ・ワクチン接種をとおして見えてきた課題[藤田雅美/小松愛子/神田未和/清原宏之/池田早希/岩本あづさ/手島祐子/新居みどり/村田陽次/加藤丈太郎/弓野綾/沢田貴志/佐藤寛/仲佐保]
第2章 移民の健康をとりまく世界の状況と新型コロナワクチン接種政策に関する海外事例紹介[小松愛子/藤田雅美/岩本あづさ]
第3章 外国人新型コロナワクチン相談センターの取り組み――市民団体の視点から[青柳りつ子/新居みどり/加藤丈太郎]
第4章 外国人医療の転換点となり得る新型コロナ――群馬県太田市における事例を通じて[小林真生]

第2部 医療現場における外国人対応の光と影

第5章 救急医療領域におけるソーシャルワーク実践――難民認定申請中の外国人患者の意思決定に寄り添う支援[小島好子]
第6章 新型コロナウイルス感染症の流行が外国人に対する医療提供体制に与えた影響について――医療ソーシャルワーカーの視点から[平林朋子]
第7章 パンデミック下における外国人医療と心理・社会的サポート[橋本翠]
第8章 COVID-19患者への医療ソーシャルワーカーの援助から――見えてきた現状と課題[渡邊佳代子]
第9章 パンデミック下の外国人医療と日本人看護師および保健師との関わり[金澤寛]

第3部 外国人へのパンデミックのインパクト

第10章 パンデミックが生む外国人医療介護労働者人権侵害の加速――マイクロアグレッションとネガティブプロファイリングの衝撃[メルビン・A・ジェバー/ザルディ・C・コラード/山田健司]
第11章 パンデミックの高齢女性移民生活基盤への影響――コミュニティ形成する教会へのインパクトの事例研究[ジョハンナ・ズルエタ]
第12章 COVID-19パンデミック時の離婚と結婚――日本における結婚移住者へのインパクトと意味[メルビン・A・ジェバー/山田健司]


 新型コロナパンデミック関連用語集
 書評[駒井洋]
 編集後記[小林真生]

前書きなど

「移民・ディアスポラ研究」11の刊行にあたって

 (…前略…)

 シリーズ第11号のメインタイトルは、「新型コロナパンデミック下の医療と移民」とすることとした。2019年末中国で発生したウイルス性の感染症は新型コロナ(COVID-19)と呼ばれ、短期間のうちに全世界を席巻し、日本にも2020年初頭から襲来し、3年が過ぎた2023年5月にはいり、ようやく5類感染症に移行した。新型コロナ禍による被害者は邦人ばかりでなく日本に滞在する外国につながる人びとをも直撃している。本書を刊行する目的は、この人びとの新型コロナ禍のもとでの状況を概括し、医療的施策を検討し、今後の方向性を模索することにある。
 ある人びとの感染の程度が他の人びとより高いばあい、この人びとが感染源となって他の人びとを脅かす。したがって、新型コロナにたいする医療的施策はすべての人びとに公平でなければならない。外国につながる人びとは、情報の獲得や医療費負担をはじめとして、多くの面できわめて脆弱であり、公平性からはほど遠い。本書の基本的視点は、このような公平性の欠如の検討にある。
 本書の大きな特徴として、典型的とみられる医療機関の具体的対応事例を提示していることがあげられる。その執筆者はいずれも現場におけるサポーターであり、その内容は生々しい迫力に満ちている。
 本書は3部から構成されている。第1部は「ワクチン接種を含む感染者への医療的対応」と題され、外国人の保健医療アクセス全般、海外の状況、相談センターの取り組み、群馬県太田市の事例の4章からなる。第2部は「医療現場における外国人対応の光と影」と題され、自治医科大附属病院、医療ソーシャルワーカーの活動、心理的・社会的サポート、広島市立舟入病院、日本人看護師および保健師の関わり方の5章からなる。第3部は「外国人へのパンデミックのインパクト」と題され、外国人医療介護労働者にたいする権利侵害、フィリピン人コミュニティにおける教会機能の崩壊、離婚と結婚への影響の3章からなる。
 このほか、巻頭に「年表」、巻末に「用語集」が付されている。
 本書が日本に滞在する外国につながる人びとの医療状況を改善することを切望する。

著者プロフィール

駒井 洋  (コマイ ヒロシ)  (監修

筑波大学名誉教授。移民政策学会元会長。東京大学大学院社会研究科博士課程修了。博士(社会学)。
主な著書『国際社会学研究』(日本評論社、1989年)、『移民社会学研究――実態分析と政策提言1987-2016』(明石書店、2016年)。監修書に「移民・ディアスポラ研究1~9」(明石書店、2011~2020年)など。

山田 健司  (ヤマダ ケンジ)  (編著

帝京科学大学医療科学部・大学院医療科学研究科教授。長崎純心大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(学術・福祉)。静岡県下田市出身。出版社、公務員等を経て現職。
主な研究テーマ:超少子高齢社会における地域セフティネットの構築、外国人家事介労働者の権利擁護システム、機械学習による事象生成要因分析の社会科学領域への応用。
主な著書:『人間福祉の発展を目指して』(西三郎編著、勁草書房、1999)、「東日本大震災死亡者の群像-年齢構成比による死亡要因の類推」『社会政策』(社会政策学会誌4巻1号、2012)、「東アジアにおける家事介護労働市場の現状――日本への影響」『社会政策』(社会政策学会誌7巻2号、2015)等。

小林 真生  (コバヤシ マサオ)  (編著

立教大学兼任講師。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程修了。博士(学術)。群馬県太田市出身。地方都市における対外国人意識、スポーツ選手の国籍選択を研究。
主な著書『日本の地域社会における対外国人意識――北海道稚内市と富山県旧新湊市を事例として』(福村出版、2012年)。「地域社会を通じて見た外国人技能実習制度――北海道稚内市の事例を中心に」『現代における人の国際移動――アジアの中の日本』(吉原和男編著、慶應義塾大学出版会、2013年)、「対外国人意識改善に向けた行政施策の課題」『社会学評論』(第58巻第2号、2007年)。編著に『移民・ディアスポラ研究3 レイシズムと外国人嫌悪』『移民・ディアスポラ研究9 変容する移民コミュニティ』(駒井洋監修、明石書店、2013年、2020年)

上記内容は本書刊行時のものです。