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現代ドイツの住宅政策 大場 茂明(著) - 明石書店
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現代ドイツの住宅政策 (ゲンダイドイツノジュウタクセイサク) 都市再生戦略と公的介入の再編 (トシサイセイセンリャクトコウテキカイニュウノサイヘン)

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発行:明石書店
A5判
288ページ
上製
価格 4,500 円+税   4,950 円(税込)
ISBN
978-4-7503-4863-6   COPY
ISBN 13
9784750348636   COPY
ISBN 10h
4-7503-4863-5   COPY
ISBN 10
4750348635   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年8月5日
書店発売日
登録日
2019年7月29日
最終更新日
2020年6月30日
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紹介

ドイツ統合(1990年)以降における住宅政策の軌跡を、低所得者を対象とした公共賃貸住宅の供給等を中心に改めて整理するとともに、それを新たな状況に直面した公的介入の再編と挑戦の過程ととらえ、今後の都市居住のあり方を展望する。

目次

 本書を理解するためのキーワード

序章 本書のねらい
 1.都市居住と住宅政策
 2.ドイツ住宅政策の軌跡
 3.本書の構成と分析視角

第Ⅰ部 デュアリスト・モデルへの再編(1990年代~2000年代)

第1章 住宅政策の残余化と効率化――市場の変化と施策の再編
 1.はじめに
 2.住宅市場の構造変化
 3.住宅政策の残余化と効率化
 4.選択的助成へのシフト

第2章 旧東ドイツ地域の住宅政策
 1.はじめに
 2.DDR時代の住宅政策
 3.旧東ドイツ地域の住宅政策
 4.1990年代前半における住宅需給の動向
 5.1990年代後半における住宅需給の動向
 6.住宅市場の動向と政策の成果――チューリンゲン州を事例として
 7.おわりに――残された課題

第3章 社会住宅制度の再編
 1.はじめに
 2.社会住宅制度の成立
 3.社会住宅制度の変容
 4.社会的居住空間助成法制定と社会住宅制度の再編
 5.ノルトライン=ヴェストファーレン州における公的助成
 6.おわりに

第4章 都市縮退と市街地更新事業
 1.はじめに
 2.東の縮退、西の縮退
 3.新たな都市開発プログラム
 4."Stadtumbau Ost"プログラムの展開
 5."Stadtumbau West"プログラムの展開
 6.今後の展望

第5章 統合近隣地区開発の支援
 1.はじめに
 2.ヨーロッパにおけるインナーシティ施策の動向
 3.ドイツにおける統合近隣地区開発支援プログラム
 4.マルクスローにおける統合近隣地区開発の展開
 5.おわりに――今後の展望

第6章 環境共生型都市居住の推進
 1.はじめに
 2.ルール地域の工業化と衰退
 3.IBAエムシャーパークの概要
 4.都市居住プログラムの展開
 5.おわりに

第Ⅱ部 公的介入の新たな挑戦(2010年代)

第7章 再都市化時代におけるドイツ住宅政策の可能性
 1.はじめに
 2.住宅政策の分権化と地域差の拡大
 3.施策重点の個別化と多様化

第8章 都市再生の新たな試み――衰退地区からトレンディ・エリアへ
 1.はじめに
 2.ハンブルクにおける都市更新事業の特徴
 3.ザンクト・パウリの市区再生
 4.おわりに――都市再生事業の評価と今後の課題

第9章 グローカル時代における成長都市圏の地区更新
 1.はじめに
 2.成長都市とジェントリフィケーション
 3.都市再生戦略の動向
 4.ザンクト・パウリにおけるRISEプログラムの展開
 5.おわりに

第10章 再都市化の進行にともなう地区居住施策
 1.はじめに
 2.人口増加と住宅市場の推移
 3.ハンブルクにおける住宅政策の動向
 4.地区居住施策の展開
 5.おわりに

おわりに――今後の展望

 参考文献
 あとがき――ハンザからルール、そして再びハンザへ
 索引

前書きなど

序章 本書のねらい

 (…前略…)

3.本書の構成と分析視角
 以上のように、近年ドイツでは住宅政策が新たな展開をみせている。それにともない政策の根幹を成していた社会住宅プログラム(対物助成)と住宅手当(対人助成)の受益者の構成も大きく変容することとなった。
 本書の目的は、過去100年あまりにわたるドイツ住宅政策の歩みをふりかえった前著(小玉ほか,1999)の成果をふまえて、ドイツ統合(1990年)以降における住宅政策の軌跡を改めて整理するとともに、それを新たな状況に直面した公的介入の再編と挑戦の過程ととらえ、このことを通じて今後の都市居住のあり方を展望することにある。

 (…中略…)

 本書の構成は、下記の通りである。
 第Ⅰ部では、まず第1章で住宅市場の構造変化にともなって、住宅政策も残余化・効率化し、デュアリスト型へとに向かって変容していく軌跡を整理し、1990年代~21世紀初頭の施策を特徴づけるいくつかのトレンドを素描する。次に、第2章で旧東ドイツ地域の住宅政策と都市居住が「西ドイツ化」されていく過程を追うとともに、この時期の主要な施策を個々に取り上げて、その特徴と可能性を事例研究をもとに考察していく。
 第3章では低所得層に対するアフォーダブル住宅確保の取り組みである社会住宅制度の再編を制度の発足から「社会的居住空間助成法」の制定(2002年)に至る住宅政策の歩みから考察する。またこの時期に本格的な取り組みがはじまった都市更新事業については、東西ドイツで差異のみられる都市縮退現象と、それに対処するストック・コントロール施策(第4章)、EUならびに連邦・州共同イニシアティヴとして実施されている総合近隣開発支援プログラム(第5章)とに分けて論じる。更に、第6章ではIBAエムシャーパークにおける環境共生型都市居住推進の取り組みを取り上げ、その特徴と意義について、事例研究をもとに考察していく。
 第Ⅱ部では、まず第7章で2010年代における住宅政策の新たな展開を整理する。第8章以下では、欧州における典型的な成長都市の一つであるハンブルク(Hamburg)大都市圏をとりあげ、選択的な人口移動にともなう都市空間のモザイク化やジェントリフィケーションが進行しているインナーシティを事例に、かつての衰退地区がトレンディ・エリアとして再生する過程(第8章)、成長指向の「都市開発ベクトル」と域内格差是正を目指す「地区改善ベクトル」とのせめぎ合い(第9章)、社会維持条例・家賃ブレーキ制度・新規住宅地建設における社会住宅附置義務など地方政府(州)独自の居住施策(第10章)の展開を分析する。こうした分析を通じて、公的介入の新たな挑戦がもたらす現代ドイツの住宅政策の可能性を考えて行きたい。

著者プロフィール

大場 茂明  (オオバ シゲアキ)  (著)

1955年、静岡県浜松市に生まれる。1986年、大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程(地理学専攻)単位取得退学。博士(文学)。大阪市立大学文学部助手、講師、助教授を経て、現在大阪市立大学大学院文学研究科(地理学専修)教授。専門は、都市政策、ドイツ地域研究。2005年度奥井記念賞(日本都市学会賞)受賞。
主著に、『近代ドイツの市街地形成――公的介入の生成と展開』(ミネルヴァ書房、2003年)、『欧米の住宅政策』(共著、ミネルヴァ書房、1999年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。