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生まれ、育つ基盤 松本 伊智朗(編集代表) - 明石書店
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生まれ、育つ基盤 (ウマレソダツキバン) 子どもの貧困と家族・社会 (コドモノヒンコントカゾクシャカイ)

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発行:明石書店
A5判
352ページ
並製
価格 2,500 円+税   2,750 円(税込)
ISBN
978-4-7503-4789-9   COPY
ISBN 13
9784750347899   COPY
ISBN 10h
4-7503-4789-2   COPY
ISBN 10
4750347892   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年3月30日
書店発売日
登録日
2019年3月26日
最終更新日
2019年4月16日
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紹介

子どもが生をうけたこの社会には、生活の安定的基盤が確保されているのか。家族という単位は、どのように理解されるべきか。シリーズ第1巻となる本巻は、主に貧困とケアの観点から、現在の社会と家族の特徴を描き、子どもの貧困を生み出す構造を把握する。

目次

「シリーズ・子どもの貧困」刊行にあたって[松本伊智朗]

はじめに――本書の構成[松本伊智朗・湯澤直美]

序章 なぜ、どのように、子どもの貧困を問題にするのか[松本伊智朗]
 1 貧困問題と民主主義
 2 貧困の理解と発見・再発見
 3 貧困の概念
 4 子どもの貧困と家族

第Ⅰ部 子どもが生まれてくる社会

第1章 生活の基盤は安定しているか(1)――雇用・労働、賃金[川村雅則]
 1 新自由主義改革と、労使(資)間の分配構造の変化
 2 雇用はどう変わったか――90年代後半以降の労働市場の変化
 3 賃金はどうなったか――崩れる日本型生活保障と、低賃金雇用の拡大・顕在化する貧困
 4 働き続けられる環境は整備されたのか――長時間・過密労働と男女平等の現実

第2章 生活の基盤は安定しているか(2)――所得・社会保障[山内太郎]
 1 稼働年齢世帯の所得状況
 2 生活が不安定になるほど機能しない社会保険
 3 社会手当という制度の曖昧さと児童手当の低い支給金額
 4 規範的選別機能を持つ生活保護

第3章 子どもの育ちを支える保育士の現状――保育労働の変容がもたらすもの[小尾晴美]
 1 保育士の労働条件の現状
 2 なぜ保育士の労働条件が悪化したのか
 3 保育労働の変容が保育環境になにをもたらすか

第4章 子どもをケアする時間の格差[大石亜希子]
 1 人々の働き方はどう変化したか
 2 子どもをケアする時間の意味と格差
 3 先行研究
 4 生活時間配分の変化と格差
 5 親の就業時間帯の違い
 6 子どもが親と過ごす時間の保障を

第Ⅱ部 子育ての場としての家族

第5章 近代家族の特質と女性の隠れた貧困[丸山里美]
 1 近代家族と女性の貧困
 2 貧困に陥るリスク
 3 経済的暴力
 4 世帯内での資源配分
 5 税・社会保障制度の世帯内の個人への影響

第6章 ひとり親世帯の貧困――所得と時間[鳥山まどか]
 1 所得の貧困と時間の貧困
 2 ひとり親世帯の生活――北海道ひとり親家庭生活実態調査から

第7章 妊娠・出産と貧困[鈴木佳代]
 1 妊娠・出産という「選択」と自己責任言説
 2 妊娠・出産・育児にまつわるコスト
 3 子どもを産み育てることを助ける社会的資源
 4 なぜ貧困にある女性の妊娠・出産・育児は困難さが増すのか?

第8章 貧困と虐待・ネグレクト――国家と家族と子育てと[杉山春]
 1 無力さとは何か
 2 経済力、消費者金融
 3 報道について
 4 国家と家族と子どもたち

第9章 「家庭教育」の意味すること――個人/家族/国家の関係を考える[辻智子]
 1 法律に見る家庭教育
 2 創出される「家庭教育」意識
 3 家庭教育とはいかなる国家政策か
 4 家庭教育振興政策の危うさと現在地点

第Ⅲ部 子どもの貧困対策と社会

第10章 指標から見る子どもの貧困[阿部彩]
 1 貧困の測定の意義
 2 貧困統計の解釈
 3 貧困指標の比較の罠
 4 貧困指標
 5 貧困測定から貧困政策へ

第11章 子どもの貧困をめぐる報道と社会意識[中塚久美子]
 1 子どもの貧困報道
 2 社会意識とメディア
 3 お金・制度的問題への着目
 4 報道の課題

第12章 子どもの「声」と子どもの貧困――子どもの権利の視点から[長瀬正子]
 1 失われる「声」
 2 「声」をいかに支えるのか――大人と社会に求められるもの

「本当の貧困探し」のわな――あとがきにかえて[松本伊智朗]

前書きなど

「シリーズ・子どもの貧困」刊行にあたって

「子どもの貧困」が社会問題化して、約10年になる。換言すれば、子どもの貧困問題が再発見されて約10年になる。この間、貧困率・子どもの貧困率の公表、法律の制定などに見られるように政策課題として認識されるようになった。また自治体での調査、計画策定などの動きも広がっている。この問題を主題にした多くの書籍が出版され、社会的関心は確実に高まっている。学習支援や子ども食堂など、市民レベルでの取り組みも多く見られるようになり、支援の経験が蓄積され始めている。

 (…中略…)

 各巻の主題と位置づけは、以下の通りである。
 第1巻『生まれ、育つ基盤』の主題は、主に貧困とケアの観点から、現在の社会と家族の特徴を描くことである。子どもが生をうけたこの社会は、そもそも生活の安定的基盤が確保されている社会なのか。子育て・ケアの主体として期待されてきた家族という単位は、どのように理解されるべきなのか。これらに関わる議論を通して、子どもの貧困を生み出す構造を把握し、第2巻以降の議論の前提を示したい。

 (…後略…)

上記内容は本書刊行時のものです。