雑文:子どもの頃に読んだ本のストーリーは
こんにちは。水曜社 佐藤です。
最近の家でのお話。ふとしたことで「ピノキオ」の話になったのですが、話しているうちに二人ともゼペットじいさんが大魚に飲み込まれていた理由を覚えていなかったことに気がつきました。子どもの頃読んだ本とディズニー版が渾然一体となっており、さらNHKで放送していた海外ドラマ版の記憶もあるのですが、結局のところわからずじまい。話しているうちにストーリーすらあやふやで「コオロギだったかキリギリスは原作にもいたのか?」、「ロバはなぜ出てきたのか?」疑問は増えるばかりで話は終わったのですが、そういえば「ドリトル先生」も「床下の小人たち」も「エーミールと探偵たち」も好きだったのに覚えていないことに気がつく始末です。(岩波少年文庫が大好きで毎日図書室に通っていたのに)
10年くらい前に『坊っちゃん』を読み返したら、東京生まれの変わった男が教員として地方に赴任し、田舎の風習になじめず大暴れして学校をやめてしまう話だったことに愕然としたことがありました。これって教育的にいい話ではないような……。松山の人は本当に夏目漱石が好きなのかなあ。(これは私の勝手な感想なのでファンの方はごめんなさい)初めて読んだ中学生の時は、もっと活劇的な印象があったのでギャップにビックリしました。
逆に『草枕』は、初めて読んだときの印象は???だったのが、読み返して見ると、さほど大きな盛り上がりもなく進む物語と温泉宿の風景、芸術論など淡々と語られ非常に面白い小説でした。
本が読んだ時代や気分で感想が変わるのだから、昔だったら立ち寄ることのない棚に、きっとすごく面白い本が眠っているのかもしれない。最近は新しい作家を探すことも徐々に減ってきて、自分でも保守的な読み方になり始めていることをひしひしと感じています。しかしそう考えると新しい発見を求めて本屋と図書館に通うことがますます楽しくなるのでした。(しかし名作と呼ばれる物語は知っているようで知らないのでハマるかもしれない)
ところで結局、ゼベットじいさんはなぜ大魚に飲み込まれたのでしょうか?ネットで調べても不明でした。知っている方はぜひお教え下さい。
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