はじめまして、メディア総研と申します
昨年より版元ドットコムに参加しております、メディア総合研究所と申します。
立原正秋、白洲次郎、白洲正子といった文芸書からスタートし、現在は音楽を中心としたカルチャー書籍を多く手がけています。
会社としてはITコンサルティングや実務翻訳、テレビ番組の制作など様々な事業を行っておりますが、そんな中で出版は2名で細々とやっています。とはいえ、小社が企業理念として掲げるているのは「人間としての高い志と勁い倫理観を持ち、独創的なメディア発信事業を通して地球の新たなる文化創造に寄与」することであり、その中においてはたとえ人数は少なくとも、出版が果たしている役割は大きなものと考えております。
と固いことを言いつつ、最近刊行しましたのが『ブラック・メタルの血塗られた歴史』という物凄いタイトルの本であります。ブラック・メタルとはヘヴィ・メタルの中でも90年代後半頃から北欧を中心に盛んになったきわめてアンダーグラウンドなムーヴメントであり、その過激な音楽性もさることながら、数々の反社会的な活動で悪名を馳せました。
若者文化、特にロックという分野では伝統的に「悪さ」というのが魅力的に映ってきました。とはいえ、たとえばそこで表現される「悪魔崇拝」といったようなものは、まあホラー映画の延長のようなもので、あくまでエンターテイメントとして受け取られてきたといっていいでしょう。
しかしながら90年代後半のノルウェーにおいて悪魔崇拝を標榜した若者たちは実際に教会への放火などの行為に手を染め、時には殺人事件に発展することもあり、またナショナリストとなってテロ活動に身を投じる者も現れます。
本書はそういった現象について徹底的に取材を行って事実関係を明らかにするとともに、社会的・文化的・心理学的・宗教的なさまざまな背景から考察したものです。
これまでにも、ニューヨーク・パンク(を中心としたアメリカのパンク)の赤裸々すぎる証言を集めた『プリーズ・キル・ミー』、80年代ハードコアについての詳細なドキュメント『アメリカン・ハードコア』など、音楽を発端として一つのカルチャーとなった現象・ムーヴメントについての本を刊行しています。併せてご興味がありましたらチェックしてみていただければと思います。