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Kingdom of Sally 網代 幸介(著) - biscuit books
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Kingdom of Sally (キングダム オブ サリー) 網代幸介作品集 (アジロ コウスケ サクヒンシュウ)

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発行:biscuit books
A4判
112ページ
上製
価格 5,500 円+税   6,050 円(税込)
ISBN
978-4-9912414-8-2   COPY
ISBN 13
9784991241482   COPY
ISBN 10h
4-9912414-8-0   COPY
ISBN 10
4991241480   COPY
出版者記号
9912414   COPY
Cコード
C1071  
1:教養 0:単行本 71:絵画・彫刻
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2026年9月26日
書店発売日
登録日
2026年5月7日
最終更新日
2026年9月26日
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紹介

「Kingdom of Sally」は、網代幸介が10年かけて記録した、もうひとつの世界「サリー王国」の物語と130点以上の作品を収録した作家初の本格作品集です。

書き下ろし物語『Kingdom of Sally』全10章(約2,900文字、日英バイリンガル)を軸に、ペインティング・ドローイング・陶・木彫・粘土・タロット・人形など多領域にわたる作品を有機的に結び、ひとつの大きな世界像を立ち上げます。

目次

Prologue
1. Utsuro
2. The Goddess of Darkness
3. Toto the Hero
4. The Tower of Oshia
5. The Kingdom of Sally
6. The God on Earth
7. Sayonara
8. What Remained
Epilogue
Biography

※物語本文は日英併記。各章のあいだに2017年から2026年までの作品130点以上を収録。

前書きなど

(本書「Prologue」より)

夜が深くなると、
レネットは祖母のことを思い出します。
小さな居間の、少しきしむ椅子。
火のそばで、ゆっくりと語ってくれた声。
「これはね、むかしむかしの話だよ」
祖母はそう言って、
いつも同じ話をしてくれました。
ほんとうのことかどうかは、
だれにもわかりません。
けれど、その話はなぜか心に残るのでした。
レネットは祖母のまねをして、
静かに、語りはじめます。
「はじめ、世界は『うつろ』と呼ばれる、
終わりのない闇でした」
古い建物の一室だけが、
夜更けになっても、
ぽつんと明かりをともしていました。

As the night grows deeper,
Reinette finds herself thinking
of her grandmother.
A slightly creaking chair in
a small living room.
A voice that spoke slowly, by the fire.
“This is a story from long, long ago,”
her grandmother would say,
and she would always tell
the same tale.
No one knows whether
it was true or not.
Yet, for some reason,
the story lingered in her heart.
Imitating her grandmother,
Reinette begins to speak softly.
“In the beginning,
the world was an endless darkness
called ‘Utsuro.’”
Only a single room in an old building
remains lit, even late into the night.

版元から一言

biscuit gallery では2021年から網代幸介さんの作品を紹介してきました。絵画、陶、木彫、タロットと、展示のたびに違う形で現れる作品が、どれもひとつの王国の断片であることを一冊で見せたいと考えたのが、本書のはじまりです。

収録したのは2017年から2026年までの作品130点以上。そのあいだに、網代さんが書き下ろした物語全10章を挟んでいます。物語は日本語と英語の併記です。

造本はA4判の糸かがり上製本です。表紙は細布のクロス装で、表・裏・背の三面につや消しの金で箔を押しています。

初版は500部限定です。書店様とは直接取引でお取引しています。ご注文・ご相談は info@biscuitgallery.com までお寄せください。

著者プロフィール

網代 幸介  (アジロ コウスケ)  (著)

網代幸介(1980年生まれ)は東京を拠点とするアーティスト。幼少時からみずからの内にある「もうひとつの世界」を作品にあらわし、追求しています。アクリル彩による絵画を中心に、陶による造形や絵皿、人形の立体作品、アニメーション、音楽などを手がけてきました。

「もうひとつの世界」は、作家の子ども時代の記憶や、影響を受けたものごと、身近な出来事にもとづきながらも、「中世くらいの発達段階でいったんは滅びた、知られざる文明」というナラティブ(語り方)であらわされます。それは虚構でありながら、同時に作家の内的現実なのです。網代は、この失われた文明を発掘する考古学者として、目の前で展開される遠い過去の歴史を、つぎつぎと絵筆で描きとめ、記録していきます。作品は古代の遺物であり、朽ちたような経年変化の痕跡があるのはそのためです。 各作品には、時代設定やコンテクストがあり、登場する人物や空想的な怪物にはときに固有名があたえられ、描かれる場面には意味があります。起源を説くものであったり、教訓、寓話であったり、小さな出来事であったりと、さまざまです。これらの詳細な設定は、王朝、創世神話、文明といった壮大なスケールにまで発展し、その全貌は、作家自身にもまだわかっていません。制約から解き放たれた「もうひとつの世界」では、さまざまな不条理がみられます。残酷さとユーモア、グロテスクと可愛らしさが同居するのも、不思議ではありません。作家はしばしば「少女」の姿となった自身を目撃し、絵で記録するというドッペルゲンガーが起こります。

網代作品には、日本の伝統的な絵巻物やヨーロッパ中世写本、古今東西のさまざまな民衆的宗教美術の要素をみることができ、とりわけヒエロニムス・ボスの影響があげられます。深層意識の表出という意味ではユングや、シュールレアリスムの幻視、アウトサイダーアートと関連づけることでもできるほか、現代日本のキャラクター文化との近親性もみられます。

上記内容は本書刊行時のものです。