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25年後の東浩紀
『存在論的、郵便的』から『訂正可能性の哲学』へ
- 書店発売日
- 2024年5月27日
- 登録日
- 2024年4月16日
- 最終更新日
- 2024年5月15日
紹介
二〇二三年九月二日(土)、専修大学神田キャンパスで行なわれた脱構築研究会シンポジウム「25年後の『存在論的、郵便的』から『訂正可能性の哲学』へ――東浩紀氏とのディスカッション」の全記録に、加筆修正。第1部、第2部は当日の発表と質疑応答の順序をそのまま再現。第3部は『存在論的、郵便的』の解説篇として、同書を詳細に読み解く。第4部は読解篇であり、シンポジウムでは『訂正可能性の哲学』を中心にコメントをしていた編者(宮﨑)が、シンポジウムの討議を経て、あらためて『存在論的、郵便的』を読み、その論点を検討し直すもの。
「『存在論的、郵便的』で投げかけた問いみたいなものが、うまく自分の中で回収されないまま、ここまでずっと来てしまった。そういう意味では、今回『訂正可能性の哲学』を書いて、長い宿題をようやく終えた感じがしています。そのタイミングで、こういうシンポジウムが開かれるのは、本当に奇遇というか、タイミングがぴったりあったと思います。」(東浩紀)
目次
はじめに(宮﨑裕助)
第1部 シンポジウム・新世代セッション
Ⅰ 誤配と「再生産」 ―哲学、家族、大学(森脇透青)
東浩紀氏の、森脇透青氏への応答
Ⅱ 郵便と正義―デリダ研究にとっての宿題(小川歩人)
東浩紀氏の、小川歩人氏への応答
Ⅲ 誤配、自己免疫性、リュトモス(吉松覚)
東浩紀氏の、吉松覚氏への応答
Ⅳ 「同じものだとみなさざるを得ない」ことの強制性について(大畑浩志)
東浩紀氏の、大畑浩志氏への応答
討議 「誤配」「横断」から構想される哲学/いい共同体の作り方/柄谷行人の不在/今デリダを読み直すために/世界には経験性しかない/なぜルソーは『新エロイーズ』を書いたのか?/ノイズが民主主義の土台をつくる基礎となる/分析哲学への違和感/クワス算のパラドクス
/クワス算のパラドクス
第2部 シンポジウム・同世代/先行世代セッション
Ⅴ 現代民主主義の訂正可能性─『存在論的、郵便的』からみた『訂正可能性の哲学』の問題(宮﨑裕助)
東浩紀氏の、宮﨑裕助氏への応答
Ⅵ 『存在論的、郵便的』への二五年後のコメント(佐藤嘉幸)
東浩紀氏の、佐藤嘉幸氏への応答
Ⅶ 魔法使いの弟子たちはどこへ行くのか――誤配・訂正可能性・民主主義の未来(清水知子)
東浩紀氏の、清水知子氏への応答
Ⅷ 25年の時を超えて読む『存在論的、郵便的』(檜垣立哉)
東浩紀氏の、檜垣立哉氏への応答
討議 動物と人間の往復化/世界は様々な出来事に囲まれている/二〇世紀哲学史の闇/人間の人間性/後期デリダの動物論をどう考えるか/テーマパーク化された社会/物性と言葉性の重なり合い/見えるもの/見えないもの/デリダ派のダブルバインド/非意味的切断/二重の切断/「見取り図」としての哲学/キャラクター文学の起源/オタクのいる社会は平和な社会/伝統は引き受けざるを得ない/人間は、危機が起きたときに起源に戻る
第3部 『存在論的、郵便的』解説篇
『存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて』内容解説(森脇透青・小川歩人)
第4部 『存在論的、郵便的』読解篇
郵便的訂正可能性について―東浩紀の『存在論的、郵便的』と『訂正可能性の哲学』のあいだ(宮﨑裕助)
上記内容は本書刊行時のものです。