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札幌解体新書
世界一やさしい札幌の教科書
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年9月10日
- 書店発売日
- 2024年9月10日
- 登録日
- 2024年7月19日
- 最終更新日
- 2024年9月12日
紹介
北海道の歴史が、日本史を変えた!?
意外と知らない、札幌のこと。札幌の市政100年の歴史を学ぼう。
【街歩き研究家ブラサトル先生が書籍原案+協力】
O.toneでは「古地図と歩く」を連載。古地図や写真などから札幌や北海道の歴史を読み解く。HBC「今日ドキッ!」に不定期出演、NHK「ブラタモリ」札幌編2人目の案内人。著書は「古地図と歩く 札幌圏(あるた出版)」など
【市政100年の歩みから札幌の未来を描く一冊】
「歴史を多角的に見つめ直し、札幌の再興戦略に繋げる」をテーマに、近代化以降150年の歩みを一冊にまとめました。「都市計画・まちづくり」「金融」「産業」「文化・芸術」「行政」という5章に分けて、多角的な視点で北海道を解説。2022年に人気を博したトークイベントをベースにしているため、会話形式でわかりやすく北海道を学べます。
目次
はじめに……2
【1時限目】都市計画・まちづくり……9
なぜ、札幌が北海道の中心になったのか……11
水との戦い……16
中島公園の意味……19
路面電車の発展と縮小……20
戦後の札幌の街づくり……24
札幌の街を大きく変えたオリンピック……28
札幌のアナザーストーリー……31
未来の札幌に向けて……36
テスト……38
解答一覧……39
【2時限目】金融……41
まずは日本の金融史を知ろう……42
北海道の金融は函館から始まった……45
北海道金融の中心地が函館から小樽へ……48
金融史に刻まれる北海道拓殖銀行(拓銀)の存在……52
地域の金融を支える信用組合と信用金庫……55
拓銀破綻による北海道経済への影響……58
未来の北海道のために……60
テスト……62
解答一覧……63
【3時限目】経済・産業……65
製造業が弱い札幌……67
北海道は官業から始まった……68
明治政府を揺るがした払下げ事件……73
石炭によって発展する北海道の工業……77
満州国と北海道……80
再び、石炭によって牽引される成長……82
石炭の時代の終わりを決定づけた夕張新炭鉱事故……85
炭鉱から観光への試行錯誤……88
北大マイコン研究会とサッポロバレー……91
なぜITの巨人が生まれなかったのか……94
「オープン」で「フラット」を再現した札幌BizCafe……97
道内の小売業が最高益を達成する北海道現象……99
何か新しい物事を生む「3つの自由」……101
テスト……104
解答一覧……105
【4時限目】文化・芸術……107
任侠の親分がつくった最初の劇場……109
篠路歌舞伎の隆盛……111
狸小路の始まり……115
大衆の娯楽「映画ブーム」到来……117
黒澤明監督と札幌……120
公による文化・芸術振興……122
厚かましい人ほど得をする「駅8」……127
文化・芸術で稼ぐということ……131
文化・芸術から見る「札幌らしさ」ってなに?……133
テスト……135
解答一覧……136
【5時限目】行政……137
北海道の中に青森県があった?……139
北海道庁誕生……143
北海道開拓に不可欠だった屯田兵……145
囚人と北海道……150
札幌区から札幌市へ……152
北海道開発庁と北海道開発局という二重構造……157
公共事業依存の問題……160
政令指定都市・札幌……161
日本の大都市行政の問題……166
北海道と札幌の関係性……170
地方分権と北海道……172
テスト……175
解答一覧……176
おわりに……177
主要参考文献一覧……184
年表……186
前書きなど
札幌の過去を知り、現在を眺め、未来を描く
●コロナ禍で始まった『解体新書』
2021年4月22日。サツドラホールディングスの本社にあるEZOHUB SAPPORO でスタートした『札幌解体新書』というイベントが本書の母体になっています。
「札幌の過去を知り、現在を眺め、未来を描く」 そんな気宇壮大な心意気を抱えてスタートした『札幌解体新書』ではその後、およそ1年かけて札幌と北海道について、さまざまな側面から学び、議論をしてきました。
時はちょうど新型コロナウイルスによるパンデミックの最中。先行きが見通せず、皆がなんとなく不安な気持ちを抱えている状況でもありました。
しかし、そんなときだからこそ未来を描くチャンスでもある。コロナ禍はたしかに私たちの生活に大きなインパクトを与えたけれども、この災厄から立ち直るとき、どうすればよりよい社会を、札幌を、北海道をつくっていけるのか、備えておく必要がある。
『札幌解体新書』の中核を担う有志メンバーには、このような強く、熱い信念がありました。
未来を語るのに、なぜ過去を知るところから始めるのか。
一見遠回りにも思えますが、私たちはこのプロセスは必須だと考えていました。
街にはそれぞれ、固有の歴史や成り立ちがあります。そして、それらの影響は現在の街の至るところにさまざまな形で表れています。それが、街の個性であり、文化です。
どこかの街で上手くいった仕組みや仕掛けがあっても、歴史や成り立ちが異なる札幌や北海道でそのまま通用するとは限らない。だから、私たちは札幌の、北海道の過去をしっかり学ぶ必要がある。そのように考えました。
●手探りで見出した5つのテーマ
過去を学ぶ中で気づいたこともあります。
それは、私たちは札幌や北海道の過去を、あまり知らないということです。
もちろん、北海道出身の人であれば、学校で勉強をした記憶があるかもしれません。しかし、それをもって「知っている」と胸を張ることはできないというのが偽らざる実感でした。
そんな私たちですから『札幌解体新書』で何を学ぶのかというテーマ設定も手探りでした。
本書は1時限目「都市計画・まちづくり」、2時限目「金融」、3時限目「経済・産業」、4時限目「文化・芸術」、5時限目「行政」という構成になっていますが、最初から「これらを学べば大丈夫」と決めていたわけではありません。
例えば、最初にまちづくりについて学ぶ中で、「街をつくり、動かすためにはお金が必要だ」「お金の流れはどのようになっていたのだろうか」という疑問が湧いてくる。そこで金融について学んでいくと、今度は「そのお金がどのように投資されて経済や産業が発展していったのだろうか」という問いにつながる。
そんな具合に、メンバーが都度議論をしながら定めていったのが、本書の5つのテーマです。ですので、これら5つのテーマはすべて相互に関連し合っており、これらを知ることで札幌や北海道をより多角的、多面的に見ることができるようになったと思います。
そのようにして計8回開催されたイベントとしての『札幌解体新書』を、より読みやすく、理解しやすくするために、学校の授業の形式でまとめなおしたのが本書です。
担任の先生であるカムイ教授と生徒役であるエゾウサギ学級委員長の掛け合いを中心に、各回のテーマを深掘りするためのゲストの先生を交えてお届けします。難しい用語には解説をつけ、各章末にはクイズも掲載しました。
「世界一わかりやすい札幌の教科書」という本書の副題に恥じない、気軽に読んでいただける内容になったと思っています。
●知ることで、より好きになれる
『札幌解体新書』を通じて、私たちがもう一つ気づいたことがあります。
それは「知ることで、より好きになれる」ということです。
じつは『札幌解体新書』の中心メンバーの多くは、一度は道外に出たものの、札幌や北海道のことが好きで戻ってきた、いわゆるU ターン組です。
Uターンを選択するくらいですから、みんな札幌や北海道のことが大好きです。しかし上述のとおり、必ずしも「よく知っている」わけではありませんでした。
そんなメンバーたちがイベントを通じて学んだ中で、一様に口を揃えて言います。「札幌や北海道のことが、もっと好きになった」と。そして「好きになることで、札幌や北海道の未来をより自分事として考えることができるようになった」と。
私たちは「好きだから知りたいと思う→知る→もっと好きになる→未来を考える」という好循環が生まれるということを実感しました。
本書を手にとっていただいた方の多くも、札幌や北海道のことが好きな人たちだと思います。本書を通じて知識を深めることで、みなさんがもっと札幌・北海道のことを好きになり、未来をともにつくっていく仲間になってくれることを願っています。
『札幌解体新書』実行委員会 一同
版元から一言
「北海道を本気で盛り上げる北海道経済コミュニティ」が制作した、世界一やさしい札幌の教科書。
・学校をモチーフにした大人気トークイベントが書籍化
・イラストや地図などの資料が豊富で札幌をしっかり学べる!
・各章毎にクイズがあり、楽しみながら読み進められる!
これから札幌を知りたい方や、改めて北海道を好きになりたい方へ。札幌を過去から現在へと紐解き、未来を見つめましょう。
上記内容は本書刊行時のものです。