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翔んでベトナム30年 小松みゆき(著) - Kフリーダム
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翔んでベトナム30年 (トンデベトナムサンジュウネン) 私の肩書きは、私 (ワタシノカタガキハワタシ)

社会一般
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発売:Kフリーダム
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ13mm
重さ 262g
216ページ
並製
定価 1,600 円+税   1,760 円(税込)
ISBN
978-4-911255-05-6   COPY
ISBN 13
9784911255056   COPY
ISBN 10h
4-911255-05-6   COPY
ISBN 10
4911255056   COPY
出版者記号
911255   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年10月15日
書店発売日
登録日
2025年10月1日
最終更新日
2025年10月11日
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紹介

どうしてベトナムで30年も暮らしたの?
そこでいったい何をしていたの?
そう問われたら、こう答えよう。
「そこに居場所があったから」


バブル絶頂期の日本を後にして45歳でひとり降り立ったベトナムは、戦争終結からわずか17年という“戦後”の高度成長期前の国だった。覚悟はしていたものの、勝手が違い過ぎて毎日面食らうことばかり。笑うか諦めるしかない日々の中で知ったのは、人とのつながりがすべてなのだということ。たくましい人々との交流と人情を活力に、暮らしに仕事に奮闘しながら築いた信頼関係が、新しい人生の扉を開いたのだった。


第二次世界大戦中に日本軍が持ち去ったと思われるベトナムの梵鐘の返還への尽力、日本語を教えていた生徒の「私の父は日本人。いつか父に会える日のために日本語を話せるようになりたい」という一言から始まった、離れ離れになった家族探しなど、出会った人々の想いに共鳴するままに動き続けたその軌跡。


そして、故郷の新潟から認知症となった老母を引き取りともに暮らした13年間。そののちに訪れた看取りのときを経て思い至った母の人生と、じぶんについて。自らの生い立ちから、“ベトナムの小松”の血となり肉となったハノイでの30年を振り返る、さわやかにして痛快な手記。



当時の日本に生きにくさを感じ、何の肩書きも持たずに飛び込んだベトナムという国。
こで働き、暮らしたことによって多くの経験と人とのつながりを得たことで新たな形を成した著者の“人生”を読むことは、これから翔ぼうとしている多くの女性たちへのエールになるだろう。
戦後80年を経た今、若い世代にもベトナムと日本のかつての関係を学び、人と人レベルでの交流の歴史をつないでいってほしいと願う。

目次

- - - - - - -
第1章 トニョム通りの人々
- - - - - - -
ベトナム高度成長期前の街・ハノイの暮らしは停電とともに
銃をギターに持ち替えて…トニョム通りのゾイねえさん
空襲警報! マドンナは銃を構えて外に走った
ベトナム暮らしのイロハを大家さん一家に学ぶ
郷に入って郷を知るベトナムの近所づきあい
認知症の母〝越後のBaちゃん〟が晴らした私のスパイ容疑
母のための風呂と生活環境を求めて、さよならトニョム通り8番地

- - - - - - -
第2章 VOV「ベトナムの声放送」と私
- - - - - - -
50年前から日本に届くベトナムのラジオ番組
教材がない、辞書もない。ないないづくしの日本語教室
切り抜く仕事、つなぐ仕事
日本のリスナーに〝ベトナムのいま〟を伝える
ベトナムタイムとオフィスの習慣
NHKとVOVの8時間ぶっ通しベトナム紹介1
赤い服の渡り鳥の思い出5
サイゴン陥落をラジオで日本に伝えた日本人女性
マイさんと巡った5月のニッポン
東日本大震災で東北の被災地へ向かったハノイっ子
映画「ベトナムの風に吹かれて」VOVでの撮影裏ばなし

- - - - - - -
第3章 鳴れ! ベトナムの鐘
- - - - - - -
戦争で消えたある村の梵鐘を追う
梵鐘誕生の由来。手がかりは刻まれていた漢字
全国から寄付金が集まり、梵鐘は故郷に帰る
再び消えた梵鐘の行方を追って
たくろうさんハノイで鐘を鳴らす
日越の心の架け橋となった鐘の物語を語り継ぐ
第4章 「動きだした時計」その後
引き裂かれた家族たちの物語を伝える本を書く
帰国、そして30年ぶりの日本での生活が始まるが…
再び動き出した時計、ヤマザキ・ソンさんの旅路
ベトナム「残留日本兵」とその家族を語り継ぐ7
ザンさんへの手紙

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第5章 翔んだ私と母の歳月
- - - - - - -
閉鎖的な農村社会と母の生き方への反発
母のはかりごと。深夜の故郷脱出から始まった東京生活
蓄えられた翔ぶ力が、そのときを迎える
日本語教師──私の仕事との出会い
生活基盤を築いたベトナムに母を迎える
母を連れて故郷へ、親しき人々に今生の別れを告げる旅
天寿をまっとうした母をベトナムで送る

あとがき

前書きなど

はじめに

30年住んだベトナムから、日本に戻って3年が過ぎた。日本で友だちをつくろうと地元の合唱団に入ったのが2年目のことだ。ここで知り合った仲間たちは、私がベトナム帰りと知るや、親しみをこめて遠慮のない質問をどんどん浴びせてきた。

「ベトナムってどの辺だったかしら。 確か東南アジアよね?」
「一年中暑いんでしょ?」
「主食はなに? パン?」
「食事はスプーン? まさか手じゃないわよね?」
「何語で話すの? 英語? フランス語?」
「えー? ベトナム語っていう言葉があるの!?」

彼女たちの中には海外旅行経験者もいるし、中にはローマやウィーン、カーネギーのステージで歌ったこともあるというつわものもいる。ところがそんな彼女たちでも、ベトナムという国の認識はその程度。まあ、世間のイメージはそんなものなのだろう。質問は続く。

「で、そんなところに30年? いったい何をしていたの?」

興味を持ってくれてありがとう。では、私から話しますね。
なぜ私がベトナムへ行くことになったのか。ベトナムで何をしていたのか。どんな出会いがあって、そこで私は何を考え、何を得たのか。そして、これからどうするのか。

「なぜベトナムで30年も?」と訊かれたら、「そこに居場所があったから」と答えたい。
私がベトナムに翔んだ頃、日本は戦後50年を迎えようとしていた。ベトナムは戦争が終わり南北が統一されてから、まだ17年しか経っていなかった。まさにこれから高度成長期を迎える国で私は暮らしていた。その頃から、そして今もなお、若いベトナムは日々変化している。
 
ベトナム戦争が終結して50年・日本からの独立・建国80年目の秋に

小松みゆき

版元から一言

日本の都市部だけでなく、地方にも外国人が珍しくなくなりました。
観光だけでなく就労で日本に来て生活をする多国籍な人々との関係を、私たちは今後さらに考えて行かなければならないでしょう。
他国で働く、暮らす、そこで生きていくこととはどういうことなのかを考え、そしてこういう生き方もあるということを知っていただける一冊です。
特に日本での生きづらさを感じている女性の方の背中を押すかもしれません。

2025年10月~11月にかけて新聞広告を掲載します。
(10日に新潟日報、10月15日に日本経済新聞、10月19日に赤旗など)

著者プロフィール

小松みゆき  (コマツミユキ)  (

1947年新潟県北魚沼郡堀之内町(現・魚沼市)生まれ。中学卒業後に上京、共立女子短期大学卒。出版社、法律事務所勤務を経て、1992年にベトナムの首都ハノイに日本語教師として赴任。2008年よりベトナム社会主義共和国国営ラジオ局VOV「ベトナムの声」放送局勤務。
これまでに3冊の著書を出版。
認知症の母親をハノイで介護したエッセイ『越後のBaちゃんベトナムへ行く-ラストライフを私と-』(2B企画/2007年・絶版)、そして『ベトナムの風に吹かれて』(角川文庫/2015年)は、同年に松坂慶子主演による日越合作映画となった(アルコ・ピクチャーズ)。
太平洋戦争後にベトナムに残留し、現地で家族を持ったのちに引き裂かれた日本兵と今も夫や父の帰りを待ち続ける家族を追った『動きだした時計 -ベトナム残留日本兵とその家族-』(めこん/2020年)。
天皇皇后両陛下のベトナムご訪問時に、ベトナムに残された家族を紹介する際の案内役を務めるなど、日本とベトナムの相互理解の促進に貢献した数々の功績により、2017年に外務大臣表彰を受ける。
2022年3月に帰国。

上記内容は本書刊行時のものです。