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徳田秋聲探究 小林修(著) - 文化資源社
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徳田秋聲探究 (トクダシュウセイタンキュウ)

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発行:文化資源社
B6判
392ページ
上製
価格 3,600円+税
ISBN
978-4-910714-09-7   COPY
ISBN 13
9784910714097   COPY
ISBN 10h
4-910714-09-X   COPY
ISBN 10
491071409X   COPY
出版者記号
910714   COPY
Cコード
C3095  
3:専門 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年2月25日
書店発売日
登録日
2025年1月21日
最終更新日
2025年2月10日
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紹介

菊池寛賞を授賞した八木書店版『徳田秋聲全集』の編集委員を務めた著者による新しい知見に満ちた秋聲論集。

本書の魅力のひとつは、作品の中にさまざまな疑問を見つけて作品構造や執筆モチーフを解明したことにある。たとえば
・墓石に記された未詳の義母と最後の愛人:小林政子とが繫がる細い因縁とは?
・名作『縮図』の冒頭が何故銀座資生堂パーラーから始まるのか?
・著者の入手した稀覯的『縮図』新聞切抜き本の作製者は誰か?
・閑却されて来た秋聲の通俗小説論を本格的に論述。秋聲の目指した通俗小説の改革とは?
・秋聲と栃木県今市というトポスの所縁は? 作品への反映は?

また、秋聲と日露戦争作品、閑却されて来た掌編「おち栗」から戦争小説の意義を初めて詳述。秋聲代作説に関しては、代作と自ら認めた一中編作品の原稿を徹底調査、すべて秋聲自筆で推敲の跡も残る原稿を検討、代作問題の複雑さと近代文学における作家のオリジナリティの関係を論ずる。その他、円本刊行以前に予約出版・大量広告を行なった国民文庫刊行会・玄黄社社長鶴田久作と秋聲の関係を明らかにするなど、今まで誰も触れなかった数々の文献を元に新たな秋聲像を探究。

近代文学研究者はもとより、新しい秋聲推しの読者にお薦めの一冊。

目次

徳田秋聲探究 目 次

Ⅰ 金沢という地霊
  秋聲伝の古層㈠ 父徳田雲平の第二妻女と白山神社神主建部貢
  秋聲伝の古層㈡ 父徳田千之助(雲平)筆「先祖由緒一類附帳」より
          秋聲の叔父たちのこと/秋聲母方津田家のこと

Ⅱ 『縮図』の諸相
  『縮図』論序説―銀座から白山へ―
  『縮図』の行方―軍靴と三絃―
  『縮図』の周辺㈠―ある〝新聞切抜き本〟
  『縮図』の周辺㈡―ある〝新聞切抜き本〟について再び

Ⅲ 日露戦争・関東大震災・学芸自由同盟
  秋聲と日露戦争―「春の月」から「おち栗」へ―
  秋聲と関東大震災―「フアイヤ・ガン」試論―爆弾と消火器―
  秋聲と学芸自由同盟のことなど―久米正雄宛郵便物から―

Ⅳ 通俗小説への意欲
  『心と心』―『あらくれ』の陰画―
          ーもう一人の養女の物語ー
  『誘惑』の試み―通俗小説に聊か新紀元を―
    【資料紹介】「「二つの道」の劇化」原稿
  『闇の花』という問題作―芸術を民衆の前に―

Ⅴ 全集・原稿・代作・出版
  『徳田秋聲全集』完結
  草稿・原稿研究―秋聲と〈代作問題〉
  国民文庫刊行会・玄黄社の鶴田久作と秋聲
  フィロソフィーとボディ―漱石の『あらくれ』評をめぐって
  徳田一穂の〝日和下駄〟―秋聲の影と同行二人の東京歩き―
    【資料紹介】秋聲「日本文学報国会・小説部会長就任挨拶」原稿

 あとがき

版元から一言

個人的なことで、大変恐縮ながら、著者は大学の先輩として、仕事の関係を越えて、長らく親しくさせて頂いている研究者です。
いっぽう出版人としての私には、この本が、他の出版社から刊行されたら、私の編集者人生は何だったのだのか? と思ってしまうような本が何冊かありますが、本書は間違いなく、その筆頭に挙げられる一冊です。これは、著者との個人的な友誼を抜きにしても断言できます。

著者プロフィール

小林修  (コバヤシオサム)  (

1946年生まれ。立教大学文学部卒。同大学院中退。
立教女学院教諭、実践女子短期大学教授を経て実践女子大学短期大学部名誉教授。
『徳田秋聲全集』(八木書店:第54回菊池寛賞受賞)編集委員
(主な著書) 『南摩羽峰と幕末維新期の文人論考』(八木書店、2017年)
立教女学院短期大学図書館編『福田清人・人と文学』(共著)(鼎書房、2011年)
(論文)「『日露戦争実記』と従軍記者田山花袋そして『肉弾』」(『社会文学』第32号、2010年6月)、「下田歌子の宮中出仕と〈歌子〉名下賜前後の考察」(『明治聖徳記念学会紀要』復刊50号、2013年11月)、「南摩羽峰の幕末維新と孝明天皇宸翰
問題」(『和漢比較文学』第66号、2021年2月)、「文芸家住所録・住所付き名鑑集成の試み」(『近代日本における人文知移動の動態的研究』平成30年度グローバル社会文化研究センター研究プロジェクトB 研究成果報告、2022年3月日本大学経済学部)等。

上記内容は本書刊行時のものです。