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演博、そして酒のことなど
鳥越文藏エッセイ集
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2022年9月18日
- 書店発売日
- 2022年9月25日
- 登録日
- 2022年9月5日
- 最終更新日
- 2022年9月6日
紹介
「俺ほど世界で一番演博を愛している者はいない」といつも仰っていた鳥越文藏先生のエッセイ集。
昭和3年に坪内逍遙によって創設された演劇博物館にイノベーションを起こした中興の祖である著者は、それまで学内に向かって開かれていた演博の方向を外部に向け、だれでもが利用できる開かれた演博にしたいという強い思いをもっていた。そして、時代の潮流と、腕っこきの弟子達と協力を得て、デジタル化の先鞭をつけ、「早稲田の演博」を「世界のenpaku」と呼ばれるまでに変えた。今から20年ほど前に書かれた文章は、博物館・資料館・文学館などの学芸員ばかりではなく、古い組織の体質を仲間を信じて共に改革していこうとする全ての人の共感をえられるでしょう。
そして、大学退任の後に書かれた酒と美味いものをはじめとする悠々自適の文章、そして、老いについても少々。
目次
目 次
演博
私の演博的自叙伝
近時申報
酒のことなど
ショウチュウ
ビール
ワイン
サケ
勿体ないも卑しいから
味痴 未知 道
珍しきが花なり
無知不実行
毒試
思考の内外
何はともあれ旨いもの
民主主義万歳
食通にはなれず美食家にはならず
飲食に関わる音
海国萬歳
私の厨房歴
老いの楽しみ
貧しい食生活
写真機
魚のこと
ことば
好き嫌い
一周忌の酒
病気上手の死に上手
祐田善雄先生と「義太夫年表」
郡司先生追悼
夢多き友を悼む(追悼信多純一氏)
追悼文(ドナルド・キーン氏)
鳥越文藏略歴(カラー口絵16頁)
附り
前書きなど
あとがきにかえて
父鳥越文藏は2021年4月5日に亡くなりました。あいにくのコロナ禍のため、身近にいるごく少数の方々のみで、密葬の形で葬儀を行わざるを得ませんでした。
2022年9月18日、コロナ禍は未だ収束しておりませんが、父の大好きだった早稲田、そして演劇博物館の主催で、大隈講堂にて父のお別れの会を開催して頂く運びとなり、感謝の気持ちでいっぱいです。
本書は、「なにか記念になる刷り物を、来て頂いた方に配ったら」という、7月のお別れの会の相談の席上での話から始まりました。立命館大学の赤間亮先生が、父がかねてより書斎の一角に纏めて置いた自分の書いたものとアルバムを、画像データベースの形に整理して下さいました。それをベースに、文化資源社の滝口富夫氏が編集・製作の音頭をとってくださいました。
本書には、一つは、父の大好きだった演博を館長としてどのように運営していったのか、もう一つは、演博に負けないほど好きだったお酒にまつわる話などを集めました。これは主として、東海志にせの会が発行していた『あじくりげ』という雑誌に寄稿したものです。多くの方がご存じない晩年の父の素顔が表れているように感じます。
皆さんの書棚の片隅に収めて頂き、ときどきお酒のお供にしていただければ幸いです。
なお本書の製作にあたり、原稿を快くご提供くださった演劇博物館、神戸女子大学古典芸能センター、八木書店、親切にアドバイスをくださった日本俳優協会の浅原恒男相談役とコテンゴテンの峯田悦子社長、短時間で素敵なレイアウト・デザインをしてくださったデザイナーの南知子氏に深く感謝致します。
2022年8月28日
鳥越明日香
版元から一言
この本を、私どもから出版させていただける、そういったご配慮をいただけまして、大変光栄に思い、御遺族および関連各位に対して深甚の感謝を捧げます。
有り難うございました。
先生とは演博を始め、各所で度々仕事の打合をしました。大体、午後のちょっと遅め。
そして「今日は、真っ直ぐ社に戻らなきゃならないのか?」
という先生の一言は、あらかじめ織込み済み。
そんな思いは私だけではないようで、
表紙のデザインは、そんな状況を俳優協会相談役の浅原氏主導のもと、まとめていただきました。
先生と接した多くの方には共通する思い出があると思います。
大部恥ずかしいけど、本書は間違いなく「僕の好きな先生」であるわけで、
きっと先生と接した多くの人もそうだろうと思います。
だから多くの人に手に取って読んで欲しいと思います。
版元の親爺謹白
上記内容は本書刊行時のものです。