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道一つ越えたら崖っぷち ポムナル(著) - アジュマ
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道一つ越えたら崖っぷち (ミチヒトツコエタラガケップチ) 性売買という搾取と暴力から生きのびた性売買経験当事者の手記 (セイバイバイトイウサクシュトボウリョクカライキノビタセイバイバイケイケントウジシャノシュキ)
原書: 길하나건너면벼랑끝:성매매라는 착취와 폭력에서 살아남은 한 여성의 용감한 기록

社会一般
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発行:アジュマ
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ29mm
重さ 450g
432ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-910276-07-6   COPY
ISBN 13
9784910276076   COPY
ISBN 10h
4-910276-07-6   COPY
ISBN 10
4910276076   COPY
出版者記号
910276   COPY
Cコード
C0098  
0:一般 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年10月16日
書店発売日
登録日
2022年1月23日
最終更新日
2022年10月14日
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書評掲載情報

2023-01-20 週刊読書人  3473号
評者: 人見佐和子
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紹介

ソウルオリンピックの1988年から20年間、性売買を経験してきた女性による手記。同僚の女性たち、暴力と搾取まみれのひどい雇い主や斡旋人、借金のシステム、性売買の集結地「ガラス部屋」、買春男たちの姿態、すべてを振り返り綴ってる。脱出後トラウマと闘いながら著者は同様な体験をしている女性たちのために闘うシスターフッドの活動を始める。著者の勇気をぜひ早く読んでください。

原書推薦文

性売買経験当事者である作者の話は具体的で淡々と進む。だから強い力を持つ。文章を読み進めながら、自分へのしんどい問いかけを止められなかった。私だったら違っただろうか。他の人生を生きられただろうか。私は絶対にその道に入らないと言い切れなかったから、本を閉じることが出来なかった。(チェ・ジニョン/小説家)

この本がフィクションだったらよいと思った。読みながらずっと反省した。なぜ私はこの声をまた消そうとしていたのだろうか。あげられなければならない声は、こんなことはありふれたことだとみなす受け入れられない人たちによって、根気よく潰されてきた。そうでなければ性搾取のカルテルを目の前にして「強制されたのか、自発的なのか」「搾取されたのか違うのか」のほうに関心を向けるなんてことはありえない。この不必要で邪悪な問いをまた繰り返したくなったならば、この本の完読をまずはお勧めする。(キムホン・ミリ/フェミニズム研究活動家)

目次

推薦の言葉
 チェ・ジニョン(小説家)
 キムホン・ミリ(フェミニズム研究活動家)

プロローグ 私が話す理由

第1部 長いトンネル
 第1章 「なぜ性売買をすることになったのですか?」
 第2章 十八歳で入った性売買の道
 第3章 海を越えて慣れない島へ
 第4章 ガラス部屋の路地
 第5章 「うちらはどうせクソ客処理班だから」
 第6章 田舎のチケット喫茶嬢に

第2部 私を再び探す時間
 第7章 私の過去に住んでいるオーナー
 第8章 金で女性の人格を買う者たち
 第9章 顔のない女と顔のない男
 第10章 私はだれ?
 第11章 過ぎた日と別れるために
 第12章 身体が語るトラウマ
 第13章 彼女たちを見送って
 第14章 経験を解釈しなおす
 第15章 性売買、そして性暴力

エピローグ 私は過程に立っている
日本の読者のみなさんへ
訳者あとがき
解説 北原みのり

前書きなど

 私は二〇年あまりの間、性売買を経験した女です。私にとって性売買経験当事者というアイデンティティは自分を構成する一部なので捨てることはできません。私は性を売って生きてきました。初めは貧しい家族の生活費を稼ぐために、その後には膨れ上がった借金を返すために、すぐには抜け出せない長いトンネルを歩いてきました。しかし、私にも、誰かの娘として、守られるべき幼い子どもとして、貧しさを背負った女工として生きてきた人生があります。
 貧しさというおもりのせいで引き受けなければならなかった暴力は、セクシュアル・ハラスメントという形で、未成年の子どもへの強かんという形で、愛にかこつけたデートDVという形で起こりました。そして、そのすべての暴力の完成形は、性売買でした。
 この本を書くことになった主な理由は、貧しく資源がない女性であった私に、どのような形で暴力が加えられたのか、その暴力がどのようにまた別の暴力へとつながっていったのか、その過程をお見せするためです。その暴力が一人の女性の人生をどのように破壊したのかについても、そして、性売買のくびきからなんとか解放されるために生きてきたその後の人生も紐解いてみました。暴力から抜け出そうとしましたが、簡単に抜け出せなかった理由、その暴力がどのように
性売買へとつながったのかについての答えを、私の人生の底をのぞき込み、皆さんとともに探していこうと思います。そして私はこれまで経験してきた、性売買という暴力の痛みと傷に打ち勝ったのではなく、日々の生活を送りながらいまだにトラウマによって悪夢にさいなまれ、過去と現在があれこれ混じり合い苦しみ、失ってしまった自分を探す過程にあるということを告白しておきます。
 この本を出版するまでに多くの激励と愛情をくださったすべての方に感謝の気持ちを述べなければなりませんが、紙幅の都合、すべての方のお名前を記すことができず申しわけない気持ちをお伝えします。私の人生にこの上なく大きな影響をくださった社団法人女性人権支援センター・サルリム〔訳注・暮らしの意味〕のイ・ギスク理事長とビョン・ジョンヒ代表を始めとするサルリムの活動家の皆さん、サルリムの創立者であり初代代表であるジョン・キョンスク前代表、サルリムのシェルターの故・イ・スクチェ前委員長に感謝を申し上げます。性売買問題解決のための全国連帯設立者であり初代代表であるジョン・ミレ前代表、社団法人大邱女性人権センターのシン・パクジニョン英政策チーム長、大邱女性人権センター・ヒムネ八〔訳注・がんばれの意味〕相談所のジョン・パクウンジャ副所長、大邱女性人権センター自活支援センターのチェ・ミネセンター長、女性人権センター・ポダ〔訳注・見る/もっとの意味〕のイ・ハヨン所長、社団法人人権希望カンガンスーレ・ナムクヌル〔訳注・木陰の意味〕施設のイ・ジョンウン垠施設長、社団法人
水原女性人権トドゥム〔訳注・芽生えの意味〕自活支援センター馬マソヒョンセンター長、女性の党指名共同代表のジャン・ジウ代表、スム〔訳注・息の意味〕心理相談所イ
・ギョンヒ心理相談員さん、大好きな私の友人ジョン・ウソン、タク・ユギョン、ジョン・ヨンミにも感謝の気持ちを伝えます。
 そして、身に余る愛を与えてくれる性売買経験当事者ネットワーク「ムンチ〔訳注・集まるの意味〕」のメンバー、特に、ジウムさん、バラさん、チャルさん、ムムさん、ジンさん、コンさん、ソリさん、ジェスさん、ボラさんにも連帯の力を送ります。本書の日本語訳に尽力してくださった古橋綾さんにも感謝の気持ちを伝えます。
 最後に、二〇〇〇年と二〇〇二年に群山火災事件で犠牲になったオンニ〔訳注・お姉さんという意味。女性運動の中で性売買当事者のことを女性として一緒に連帯するという意味で呼ぶ言い方〕たちと、私の心の中で星になったオンニたちを追悼する気持ちをこめて、この本を捧げます。

版元から一言

1970年代から90年代、多くの日本人男性が韓国に買春のために訪れ、キーセン観光と呼ばれ社会問題になりました。またAV産業が認められていない韓国では、ネットの盗撮映像を通報した女性団体が「これは日本では合法的に流通している映像作品です」と警察から言われて衝撃を受けたそうです。今年、日本ではAV新法が公布・施行されました。この法律の最大の問題は、本番の性行為を撮影することを合法化する内容になっているという点です。つまり、性交を契約上の業務として国が認めた、おすみつきを与えたということなのです。『道一つ越えたら崖っぷち』の著者ポムナルさんは「性売買の地獄はどこも似ている」と本書の中で語っていますが、性売買の風景は日本も変わりません。本書を読んで一人でも多くの人が性搾取の存在に気づき、根絶のために連帯してくれるよう、願っています。

著者プロフィール

ポムナル  (ポムナル)  (

ポムナル(봄날)(Bom-nal)
性売買という冷たい冬を越え、万物が蘇生する春の日(ポムナル)に社会の懐に戻って来た。自分が受けた暴力の経験を解釈し直し、性売買経験当事者たちと共に反性売買活動を懸命に行っている。仲間とおしゃべりをすること、おいしいお店を訪ね歩くことがささやかな楽しみ。料理、旅行、コンサート、観葉植物を育てることを好み、結婚しない人生を謳歌する女性。誰かのそばにいて、分け与え、慈しみを与えられる人生を過ごそうと努力している。

古橋 綾  (フルハシ アヤ)  (翻訳

古橋 綾 Aya Furuhashi
社会学・ジェンダー研究。社会学博士(韓国・中央大学校)。東京外国語大学大学院非常勤講師・立教大学兼任講師を経て、岩手大学教育学部社会科教育科准教授。韓国で日本軍「慰安婦」問題解決運動、米軍基地村女性支援運動、反性売買運動などに関わってきた。時代を越えた性暴力・性搾取の問題を研究。主な翻訳書に『記憶で書き直す歴史 「慰安婦」サバイバーの語りを聴く』(韓国挺身隊問題対策協議会2000年女性国際戦犯法廷証言チーム編著、金富子、古橋綾編訳、岩波書店、2020年)、『歴史否定とポスト真実の時代――日韓「合作」の「反日種族主義」現象』(康誠賢著,大月書店,2020年)などがある。

李 美淑  (イ ミスク)  (監修

李 美淑 Lee Misook
東京大学大学院情報学環・准教授。専門はメディア・コミュニケーション研究。国境を越える市民連帯、社会運動とメディア、ジェンダーとメディア、ジャーナリズムについて研究。

北原 みのり  (キタハラ ミノリ)  (解説

北原みのり Minori Kitahara
作家、女性のためのプレジャーグッズショップ「ラブピースクラブ」を運営するアジュマ代表。2021年アジュマブックススタート。希望のたね基金理事。著書に『日本のフェミニズム』(河出書房新社刊)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。