書店員向け情報 HELP
取引情報
地域ブランド戦略
- 初版年月日
- 2026年2月6日
- 発売予定日
- 2026年2月6日
- 登録日
- 2026年1月5日
- 最終更新日
- 2026年2月4日
紹介
「潮流編」と「実践編」の二部構成でなる本書。「実践編」では、地域ブランディングの必要性や住んでみたい都市ランキング、観光地ランキングなどの昨今のトレンドを分析。 地域ブランドの展開事例として、京都や北海道、ニューヨークの事例を紹介している。
さらに、ブランド構成要素と基本的な考え方を整理した後、地域ブランド構築の7つのステップをアイデンティティや観光動態・戦略・人口・産業予想などに言及しながら、ストーリーテリング・カスタマージャーニーなど戦略立案のステップを解説。また、ターゲットとなるハイエンド層の旅の志向性についても論じている。
第二部は、「実践編」として、地域ブランド戦略のアプローチの仕方や地理的表示(GI)保護制度の使い方、 勝ち筋が見える目標設定と基本コンセプトについて整理した後、官民連携の取り組み方やキャッチフレーズの考えた方を整理。さらに、事例として「獺祭」「瀬戸内レモン」「今治タオル」の成功要因を分析。産品ブランドが地域ブランドに与える影響や相乗効果を生むための条件、地域ブランドを育てる4つの戦略視点、よくある失敗8選などがまとめられ、即使える実践書となっている。
目次
第一部 地域ブランド戦略 潮流編[吉田博詞]
第1章 地域ブランディングの調査・価値定義
1、地域ブランディングの必要性・なぜやるの?
2、地域ブランディングとは?
3、地域ブランディングと都市・国家ブランディング
①地域ブランディング
②都市ブランディング
③国家ブランディング
4、国家・都市・地域ブランドランキング
①国家ブランドランキング
②都市ブランドランキング
③世界の住んでみたい都市ランキング
④観光地ランキング
コラム① 企業ブランドランキング
コラム② ハイエンドブランドランキング
5、国内のブランド調査
①地域ブランド調査
②移住希望地ランキング
③住みたい街ランキング
④外国人が見た観光地ランキング
6、地域ブランド展開主要事例
①「そうだ 京都、行こう。」
②「試される大地 北海道」
③「I♡NY」
7、ブランド構成要素と基本的な考え方
①ブランドが提供する四層の価値
8、ブランディングとマーケティング
9、地域のコアバリューの定義
①地質的基盤
②風土的要素
③文化的表現
10、まとめ
第2章 地域ブランド構築の7つのステップ
1、【ステップ1】そもそもの背景整理
2、【ステップ2】現状把握と地域資源の棚卸し、戦略立案
①地域の誇り・アイデンティティ抽出
②観光動態・戦略・人口・産業予想
③3C分析
④STP分析
⑤SWOT分析
3、【ステップ3】ブランド戦略立案(ビジョン・コアバリュー策定)
①コアバリュー
②ビジョン
③ミッション
④バリュー
4、【ステップ4】ターゲットの明確化
①ペルソナ設計
②顧客視点でのKBF
5、【ステップ5】ブランド体験の設計・提供
①提供価値
②五感体験価値のデザイン
③4P+3P
6、【ステップ6】コミュニケーション戦略
①ストーリーテリング
②マルチチャネルでの発信設計
③ビジュアル要素─ロゴ・キャッチフレーズ・デザイン
④感覚的要素─音楽・香り・触感
⑤世界観を貫く一貫性
⑥カスタマージャーニーと顧客接点
⑦シェアしたくなる仕掛け
7、【ステップ7】実行母体の構築と改善のサイクル
①KPI(重要指標)の設計
②データ分析と可視化
③シビックプライド醸成
④自走化、主体的価値向上
8、まとめ
第3章 旅行を取り巻く最新トレンドと本質的な旅の需要
1、そもそも富裕層とは
2、日本の富裕層
3、日本の宿事情
4、富裕層・ハイエンドトレンド
5、ハイエンド層の旅の志向性
①サステナブル
②リジェネラティブ
③トランスフォーマティブ
④自己超越・社会性
⑤ナラティブ性
6、滞在・体験プログラムと特別性
①事業の前提条件の整理
②ガイドの関わり方
③プランの「松・竹・梅」
④天候や難易度の伝達
⑤安全管理
⑥特別性の演出
⑦関係の継続
⑧臨機応変さ(今だけ、ここだけ、あなただけ)
7、宿を起点とした地域ブランディング
①四季を楽しめる工夫
②食材の背景を知る
③気取らなさ
④地酒・地のドリンク
⑤調度品
⑥文化面の演出
⑦集落散策企画
⑧リネンやお土産物コーナー
⑨宿の図書館
⑩コンシェルジュ
8、地域DMCの必要性
9、特徴的なテーマ性と事例
①ブルーゾーン(長寿の秘訣・暮らしの知恵)
②武士道精神(SHOGUN・〇〇道)
③ウェルネス(ZEN・自然信仰)
④食文化(日本酒・日本食)
⑤伝統工芸・ものづくり
⑥無形文化遺産
10、シビックプライド・応援団づくり
①シビックプライド
②ファンづくり
③自走化・地域の主体性
11、まとめ 日本の目指すべきブランディング像
第二部 地域ブランド戦略 実践編[樫野孝人]
第4章 地域ブランド戦略のアプローチ
1、地域ブランディングとシティプロモーションの違い
2、地域ブランドの確立は、全ての発射台を高くする
①決定回避の法則(選択回避の法則)
②ハロー効果
③バンドワゴン効果
④一貫性の法則
⑤ブランド=価値の保証
3、地理的表示(GI)保護制度の使い方
①GI制度の代表的な事例
②登録するだけではブランドにならない
③GI制度の最大の効用とは何か?
④登録=ゴールではなく、登録=スタート
4、勝ち筋が見える目標設定と基本コンセプト
コラム③ 戦略転換の分水嶺:閾値とキャズム
5、連携と枠組み:TPP型とFTA型の考え方
①TPP型とFTA型とは何か?
②「見せ方」と「進め方」を分ける戦略
6、地域のブランドステイトメント・キャッチフレーズ
7、あるもの探し、あるもの磨き、あるもの選び
①地元でも見落としている資源を掘り起こす
②視点の重要性:プロとターゲットのリアルな感覚
③カギとなるのは「無いものねだり」ではなく「あるもの探し」
8、ブランドの陳腐化を防ぐために
第5章 成功事例に学ぶ産品ブランドの実装
1、産品ブランドとは?
2、獺祭の挑戦と戦略──革新が地方ブランドを世界へ押し上げた
①地方から生まれた〝異端児〟
②ブランド戦略5つのポイント
③逆風にどう向き合ったか──批判と課題への対応
④革新が〝世界の地方ブランド〟をつくる
3、瀬戸内レモンのブランド戦略──自然と共に価値を育てる
①国産レモンに、光が当たらなかった時代
②「無農薬・防腐剤不使用」が最大の武器に
③「おしい!広島県」観光キャンペーンとの連動
④ネーミングの統一
⑤レモンが主役のメニュー開発
⑥レモンが脇役・引き立て役の多商品展開
⑦6つの成功要因
4、今治タオルの再生とブランド戦略──「産地」から「信頼の証」へ
①瀕死の産地から、奇跡の逆転劇へ
②ブランド再生の起点は「佐藤可士和」という選択
③今治タオルを変えた7つのブランディング改革
第6章 産品ブランドが地域ブランドに与える影響
1、「ひとつの商品」が「まちの顔」になるとき
①獺祭:日本酒ブランドが山口の新しい顔に
②瀬戸内レモン:地域資源を再解釈し、新たな風土の象徴に
③今治タオル:品質のこだわりが、まち全体の価値を押し上げた
④産品ブランドが地域ブランドに与える主な影響
⑤地域ブランドは「象徴商品」から立ち上がる
2、地域ブランド戦略と産品ブランド戦略の相互作用
①両輪が回るとき、ブランドは加速する
②ブランドが「個」と「全体」でつながる意味
③相乗効果を生むための3つの条件
3、「商品→地域」だけでなく、「地域→商品」へ
4、地域内の連携をどう築くか?
5、二つのブランドが出会うとき、物語が動き出す
第7章 地域ブランドを育てる4つの戦略視点
1、「品質・言語化・デザイン・ストーリー」
──魅力を引き出す4つの価値設計
①品質はブランドの〝根幹〟
②品質を言語化できないと伝わらない
③デザインは〝出会いの入口〟
④「ストーリー(物語)は作るものではなく、生まれるもの」
2、ブランドコンセプトからプロモーションまで──育てる順序と戦略思考
①ブランドコンセプトは〝旗印〟である
②プロモーションは〝体験の設計〟
③販路拡大の方法──市場調査とターゲット選定の視点
④市場調査は〝直感〟ではなく〝仮説と検証〟
3、地域産品ブランディング「よくある失敗8選」
①ターゲットを最初に決めている
②勝てるカテゴリーまでのブレイクダウンが出来ていない
③価値の言語化が出来ていない
④ストーリーが欠如している
⑤ベンチマークやKPIを明確にしない
⑥地域内の合意形成を軽視する
⑦著名人に安易に頼る
⑧タレント契約が甘い
4、地域資源の発掘において大切なこと
① 〝良いもの〟は見えなくなっている
②原石は〝原石のまま〟では光らない
③〝価値〟は、自分で決めない
④地元 × 外部=化学反応
⑤意見の対立は〝深化〟の入り口
第8章 官民連携による地域ブランド戦略の共創
1、なぜ今「共創」なのか?
――ひとりでは成し得ない価値を、力を合わせて形にする
2、共創とは、「資源の重ね合わせ」
3、官民連携を成功させるための8つの視点
①お互いの経営資源の理解と共有
②完成形ではなく、ベータ版で持ち込む
③「官と民の役割」を見誤らない
④信頼してもらうまでは〝Give〟を続ける
⑤小さな成功を積み重ねる
⑥地元の人のプライドを傷つけない
⑦目的と手段を混同しない
⑧予算と期間の相互理解
4、共創を成功させる3つの姿勢
前書きなど
数多くの現場に関わる中で、地域ブランドづくりが成功しているケースは決して多くない。むしろ、手間と予算をかけたにもかかわらず、ほとんど成果が見えずに終わる、いわゆる「税金の無駄遣い」と感じる場面に出くわすことも少なくない。
その要因は様々だ。一過性のイベントで終わってしまう企画、担当者の異動によって継続性が失われるプロジェクト、地域の内輪向けに閉じた自己満足的な広報…。いずれも戦略なき試行錯誤が根底にある。
一方で、地域には誇るべき資源や職人の技、良質な産品が数多くある。けれど、それを広く届けるための資本力やマーケティング力は、個人事業者や小規模事業者には限界があり、行政が掲げる支援策に望みを託すしかないのが実情だ。
地域の中堅・大手企業も、自社の商品をヒットさせることには熱心でも、地域ブランド全体の底上げまで担う余力や動機があるわけではない。むしろ、個別の地域ブランドにブームが見えた段階で後乗りする方が効率的という合理的判断もある。本来なら、地域ブランドが確立されることで、地域全体が恩恵を受けるはず。それにもかかわらず、行政・企業・住民といったプレイヤーの立場や思惑がかみ合わず、歯車がうまく回らない状況に陥ってしまうのである。
こうした現場の課題に対して、「理論的には正しい」書籍は多くあっても、実務に直結する「本当に役立つ知恵」が詰まった一冊は意外に少ないと感じている。
本書は、著者が実践の現場から得たリアルなノウハウと、失敗や葛藤の経験をもとに、「地域ブランド」「地域産品ブランド」を育てていくための“使える実践書”である。
地域の未来をつくる方々にとって、ヒントと勇気を与える一冊になるのは間違いない。
版元から一言
リクルートOB400名以上が参加する「かもめ地域創生研究所」の理事であり、実際に地方創生の現場で審議員やアドバイザー、コンサルティングをしている著者2人のノウハウがぎっしり詰まった実践書。
地方公務員はもとより、NPO、地場産業従事者、地域資源を使ったメーカーなど、幅広く観光、移住、地域産品関係者のバイブル的参考書。
上記内容は本書刊行時のものです。
