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「文壇」は作られた 尾形 大(著) - 文学通信
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9784909658746

「文壇」は作られた 川端康成と伊藤整からたどる日本近現代文学史

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発行:文学通信
四六判
256ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-909658-74-6   COPY
ISBN 13
9784909658746   COPY
ISBN 10h
4-909658-74-2   COPY
ISBN 10
4909658742   COPY
出版者記号
909658   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年3月29日
書店発売日
登録日
2022年3月12日
最終更新日
2022年4月11日
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紹介

明治期以降、ジャーナリズムの発達・拡張にともなって、文学者たちのなかに文壇という〈場〉が共同的に創り上げられていく。1920年代に文学上の出発を果たした川端康成と伊藤整。彼らは文壇をどのように意識し、参入し、そしてそれぞれの文学を生み出していったのだろうか。
彼らが見据え研究し、距離を測りながらかかわりつづけた文壇という場。そこを起点に描く新たな文学史。

【1950年にチャタレイ裁判の被告人となった伊藤は、全文壇人を代表する立場で法廷に立ち、粘り強く闘い抜いた。また同じ時期に『日本文壇史』の連載を開始して文芸批評家、文学研究者としても活躍するようになる。60年代には日本近代文学館設立運動の中心として、文壇の世話役、かじ取り役として尽力している。そして伊藤が深くかかわっていく文壇の中心には、いつも川端康成がありつづけた。伊藤と川端の文学上の関係性は1930年前後を起点としながら、その後40年近い歳月をかけてゆるやかにかかわり合い、からみ合いながら紡がれていく。】……はじめにより

目次

はじめに

【文学史と文壇史、そして伊藤と川端】
第1章 「文壇」は作られた
1 「文壇」という言葉の定義
2 『日本文壇史』のなかの文壇像
3 歴史の作られ方――文学史と文壇史
4 文壇へ参入するには
5 戦後文壇の中心:川端康成と伊藤整
6 ノーベル文学賞受賞と川端の戸惑い
7 川端と伊藤が向き合った文壇

【二人はどのようにデビューしていったのか】
第2章 文壇への参入と戦略――『感情装飾』と『雪明りの路』の作者たち
1 それぞれの文壇参入
2 川端の〈孤児意識〉
3 伊藤の〈捨児意識〉
4 詩壇から評価される伊藤
5 同人雑誌『椎の木』に集った文人たち
6 梶井基次郎との出会い、そして川端への執筆依頼

【文壇に食い込むために】
第3章 雑誌を創刊する伊藤――『文藝春秋』をモデルとした『文藝レビュー』
1 上京と瀬沼茂樹との出会い
2 モデルとしての『文藝春秋』
3 文学者とカネの問題
4 詩から小説への移行
5 海外文学の窓口
6 文壇参入に足掻く伊藤

【西洋のモダニズムはいかに摂取されたか】
第4章 フロイトの精神分析学とジョイス『ユリシーズ』の受容
1 フロイトとジョイスの輸入
2 創作への影響
3 川端による絶賛と伊藤の行き詰まり
4 「無意識」を描く
5 『ユリシイズ』共訳と方法としての「意識の流れ」
6 類似する物語構造
7 海外文学の受容

【文学の「正しい道」を模索する】
第5章 文学史の構築と「心理小説」の発見
1 1930年代の「歴史意識」と文学場
2 「新」しい心理を「新」しい方法で表現する「新」しい文学
3 伊藤が考えた文学の「正しい道」と「新心理主義文学」
4 「心理小説」を軸とする文学史の発見
5 同伴者・瀬沼茂樹

【文学の伝統を刷新する】
第6章 拡張される「純文学」概念――「父母への手紙」と「生物祭」
1 1930年代の純文学の諸相
2 ジッド受容と「メタ小説」の系譜
3 川端のメタ小説「父母への手紙」
4 自伝的情報の書き込みと共有
5 創作上の窮地に陥る伊藤
6 「生物祭」の読まれ方
7 純文学を拡張する試み

【多くを語り得ない社会状況のなかで】
第7章 プロレタリア文学に向き合う――小林多喜二の死から「幽鬼の街」へ
1 モダニズム文学=反プロレタリア文学?
2 「誰だ? 花園を荒らす者は!」
3 プロレタリア文学への態度
4 小林多喜二虐殺事件
5 伊藤の〈沈黙〉
6 多喜二と芥川の「幽鬼」が語るもの

【食い扶持を稼ぐ】
第8章 作家活動の裏事情――大学講師と代作問題
1 作家の生活とカネ
2 日大芸術科講師に着任
3 文芸雑誌『新潮』への定期的な掲載
4 「原稿執筆させていただきます」
5 作家志望者に向けた『小説論』
6 ジェイムズのThe Making of Literature
7 書簡に残された代作の内情 147
8 The Making of Literatureの露骨な引き写し
9 代作問題の複雑な様相

【協調か沈黙か】
第9章 戦争と文壇――戦時下の「私」の行方
1 戦時下の文学と文学者たちの動き
2 「生きている兵隊」と『麦と兵隊』
3 従軍に殺到する作家たち
4 〈従軍ペン部隊〉に求められたもの
5 戦時下の川端の創作活動
6 北條民雄文学へのまなざし
7 国策に協調的だった文壇活動
8 『得能五郎の生活と意見』と『得能物語』の「私」像

【戦後にそれぞれが担った役割】
第10章 文壇の戦争責任と再建――『鳴海仙吉』と『雪国』
1 終戦後の文学者の再出発
2 文学者と文壇の戦争責任
3 伊藤の執筆活動
4 長編小説『鳴海仙吉』が抱え込んだ同時代的な問題意識
5 〈向こう側〉から〈こちら側〉に帰ってくる物語構造
6 鎌倉文庫からの文壇の再建

【法廷の内外で語られた言葉とは】
第11章 文壇の団結と再出発――チャタレイ事件と『舞姫』
1 「性」をあつかった小説の思想と意義
2 削除版と無削除版
3 チャタレイ事件はどのように読み取られてきたか
4 小説『裁判』がもたらした効果
5 文壇との共闘
6 川端の無言と『舞姫』の発表
7 改稿前後の『舞姫』
8 『舞姫』による応答

【「文壇」の中心へ】
第12章 日本近代文学館設立からノーベル文学賞受賞へ
1 「チャタレイ事件」時の伊藤整の活動
2 近代文学の研究会との関わり
3 近代文学資料の復刻と蒐集
4 日本近代文学館設立へ
5 文学館設立の目的と意義
6 相次ぐ展覧会
7 「文学史」を形づくる場と行為
8 ノーベル文学賞と川端をめぐりあわせたもの
9 「文壇」の誕生と終焉
10 文壇は広がっていく

おわりに

関連年表

著者プロフィール

尾形 大  (オガタ ダイ)  (

1978年神奈川県横浜市生。専門は日本の近現代文学。研究対象は伊藤整を中心とする1920~50年代の文学場。博士(文学)。早稲田大学・日本大学大学院を経て、現在山梨大学大学院総合研究部教育学域人間科学系(言語教育講座)准教授。

上記内容は本書刊行時のものです。