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もんぺおばさんの田舎料理帖
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2022年3月12日
- 書店発売日
- 2022年3月15日
- 登録日
- 2022年2月1日
- 最終更新日
- 2022年3月3日
紹介
滋賀県の山間集落に暮らす料理研究家中井あけみさんの初著書。「もんぺおばさん」の愛称で親しまれ、田植え体験や味噌づくり体験などの農業体験指導、各種料理教室などを通じて、農業や食の魅力、大切さを伝える活動を続けてきた。本書は自家製調味料、田舎のおばんざいや、募集と同時に埋まってしまう人気パン教室のパンなど112レシピを収録。2013年、食育推進ボランティア表彰(内閣府特命担当大臣表彰)。2014年、毎日農業記録賞優秀賞受賞。
目次
■はじめに…2
■調味料…6
■郷土料理…12
■野菜料理…16
■主菜料理…32
■塩糀料理…40
■ご飯…44
■甘味…52
■パン…60
■つながり飯…64
■もんぺおばさんの春夏秋冬…70
■おわりに…86
前書きなど
はじめに
滋賀県栗東市下戸山。金勝山のふもと、水が豊かで、お米も、野菜も、おいしいところです。
わたしは昭和24年にこの地で生まれ、この地で育ちました。実家は兼業農家。田畑を耕す一番の働き手の牛の世話や、引き手は私の仕事。収穫の時は、30キロの米袋を担いで何度もトラックに運びました。どれも大変な仕事ですが、どれも楽しくて、田舎の暮らしが好きでした。
なかでも楽しみだったのは、明治生まれの祖母にお料理を習うこと。東京女子大学を卒業した祖母は英語の達人で、戦後にはアメリカの進駐軍の通訳を務めたこともあるハイカラな女性でした。
その祖母が教えてくれる料理は「シチュー」や「クッキー」。当時は、お店でも口にできないようなお料理ばかり。祖母が作ってくれるお弁当は、キラキラ輝いて見えました。
おかげで料理が好きになり、大学は食物栄養を専攻し食品化学を学びました。卒業後も助手として食材をどう生かすかを研究していました。
昭和49年に縁があって、隣村出身の牧造さんと結婚。彼が立ち上げた鉄工所で働くことになり、180度違う生活が始まります。それまで調理器具しか持ったことのなかったわたしが、鉄の棒を抱えて飛び回る毎日。「女とび職」!周りの人には驚かれましたが、それもおかしくて、刺激的で楽しい日々でした。
それでも、料理の勉強を続けたい気持ちはあきらめきれず。夫に打ち明けると「家族みんなで勉強して、誰が最初に落ちこぼれるか、競争しよう」と提案してくれました。
夫は「民謡」、娘は「エレクトーン」、わたしは「料理」。
仕事終わりに電車に飛び乗り、神戸や大阪の料理学校へ通う日々が始まりました。和菓子、天然酵母パン、フランス菓子、イタリア料理…。ひとつの講座を修了すれば、次を学びに通いました。学ぶことがうれしくて、どれも師範代まで取りました。
学費の足しにしたくて、給食づくりの仕事も始めました。すると勤め先の学校の先生たちから「お菓子づくりを教えてほしい」「パン作りを教えてほしい」と頼まれるように。鉄工所の2階にキッチンを整えて、『もんぺおばさん田舎工房』を開きました。
知人が知人を誘って、集う人が増え、工房はどんどんにぎやかになっていきました。朝市、田植え体験、収穫祭…小さなイベントをするたびに手伝いに来てくれる「応援隊」もいつの間にか結成されました。
今回の本に収録されているレシピは、わたしが若いころから書き留めてきたものです。
「家で作ったよ」と言われるのがすごくうれしくて、「みなさんが家庭で作りやすいもの」を意識して、考案してきました。特別な食材は使いません。ないときは、似ている食材に代えていただいても作れます。
日々の食卓の一品に、並べていただけたらうれしいです。
「もんぺおばさん」こと、中井あけみ
版元から一言
大阪や京都、名古屋など首都圏から通うファンも多い「もんぺおばさん」の田舎料理。「レシピ本がほしい」というファンからの声にこたえて、手書きのレシピを書き起こし、すべての料理を編集部で実際に作って確かめながら、とうとうこの本が完成しました。どのレシピも身近な食材で作れます。なければあるもので代用できます。野菜がたっぷり食べられます。適当に作っても大体おいしく作れます。冷めてもおいしいレシピばかりで、お弁当や作り置きにもおすすめです。懐かしい味がする田舎料理のおばんざいレシピがたっぷり112。版元の食卓も、もんぺレシピに助けられる毎日です。
上記内容は本書刊行時のものです。