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ChatGTPとClaude
二人の知の巨人、そしてAI資本主義の誕生
- 出版社在庫情報
- 不明
- 書店発売日
- 2026年7月6日
- 登録日
- 2026年5月9日
- 最終更新日
- 2026年6月15日
紹介
あなたが毎日使っているAI。これを作った人間たちが、世界を動かしている。民主主義の国では選挙で選ばれることが権力者になる条件である。しかし選挙で選ばれることなく、世界を動かす権力をもった人間がいる。サム・アルトマンとダリオ・アモデイの二人である。この「知の巨人」は、人類の知性・安全保障・資本の構造を根底から変えつつある。人工知能を得た資本主義は「AI資本主義」へと進化した。この新しい資本主義は、人類を幸福にできるシステムなのか。防衛省の委嘱を受け、新領域の安全保障を調査研究をしてきた著者がこの問いを考察する。
あなたは今日、ChatGPTかClaudeと会話しただろうか。
このAI(チャット型人工知能)を作った人間がいる。OpenAI最高経営責任者サム・アルトマンと、Anthropic最高経営責任者ダリオ・アモデイ。この二人は、今や世界の政治をも大きく動かす権力を手にしているとも言える。しかしその権力は、彼らが熱望して手に入れたものではない。
本書はこの二人を「Unelected Sovereigns(選挙で選ばれることなく、権力を手にした者)」と呼ぶ。
ここで、これまでの資本主義は終焉を迎え、あらたな「AI資本主義(AI Capitalism)」が誕生することになった。彼らは人類史上最高額の開発資金を投資として呼び込む。そして彼らの判断は世界中の知的労働を変化させる。かつて人類が経験したことのない領域と社会構造の変化が起きている。
そして「彼らの判断やひらめき」が各国の安全保障政策を動かし、戦場における生死の判断系にまで関わろうとしている。
なぜ非営利で出発したOpenAIが世界最大の資本を動かす企業になったのか。2023年11月、深夜の自己消滅メールで計画されたクーデターの内側で何が起きたのか。Anthropicはなぜ国防総省の要求を公然と拒否し、アメリカ史上初めて「国家安全保障上のサプライチェーンリスク」に指定されたのか。ChatGPTとClaudeという名前の語源に、どんな思想が宿っているのか。
これらの問いを解きながら、本書が最終的に向かう先は一つの根本的な問いである。
「AI資本主義は人類を幸福にできるか?」
著者は防衛省の委嘱を受け、ベルリンを拠点に各国の軍事に於ける通信、セキュリティ、装備を調査した経験を持つ。その視点から、「安全性(Safety)」を掲げるシリコンバレーの企業が「安全保障(Security)」の論理に飲み込まれていく構造を、読者に向けて解剖する。
本書は単純な人物評伝ではない。また技術書でもない。AI資本主義の誕生の歴史、現状、近未来への予測を記録として残すべく書かれた本である。前例のないドキュメントである。
英語版のアメリカでの発売を予定している。
目次
【目 次】Contents
第1章 OpenAIの誕生と変容
◆ ChatGPTという衝撃――2ヶ月で1億人
◆ 「Open」を名乗りながら非公開にした組織
◆ サム・アルトマンという人物――3つの顔
◆ Unelected Sovereignsの誕生
第2章 5日間のクーデター
◆ 2023年11月の第3週末――あなたは何をしていたか
◆ 飛ぶ鳥を落とす勢いの男と、縮まる包囲網
◆ 自己消滅メールで動いた4人
◆ 「サム、解任することを決定しました」
◆ 資本の論理が思想を押し流した5日間
◆ イリヤ・サツケヴァーという保留された謎
◆ 5日間の後に――関係者たちはどこへ行ったのか
◆ 事実関係の整理――退社はクーデターの3年前
第3章 ダリオ・アモデイとサム・アルトマン――2人の原点
◆ 革職人の息子――ダリオの原点
◆ 父の死と「間に合わなかった新治療」
◆ 「ドゥーマー」と呼ばれる怒り
◆ 妹ダニエラという存在――フルートと英文学とAI
◆ OpenAIで感じた違和感
◆ Macintoshが届いた日――アルトマンの原点、8歳の秋
◆ 16歳のカミングアウト
◆ スタンフォードを去った理由
◆ Loopt――早すぎたアイデア
◆ Yコンビネーター――人と時代を読む訓練
◆ 称賛と警戒――アルトマンという人物
◆ 起業の動機――痛みと可能性
◆ 分離という決断――同じ海へ
第4章 アメリカ国防省長官に「No」を言った男
◆ 2026年2月24日――ペンタゴンへ
◆ なぜ断ったのか――レッドラインの意味
◆ 2月26日――ダニエラとの対話
◆ 2月26日――声明文
◆ 2月27日――制裁の日
◆ 矛盾のメール
◆ 法廷――判事が「オーウェル的」と言った日
◆ 世界の反応、ダリオの謝罪
◆ この出来事が歴史に刻んだもの
第5章 譲らない設計思想――なぜ「No」と言えたのか
◆ 【第1部】Air Boxとは何か――引き金の前の空間
◆ Human in/on/out of the loop――3段階の移行
◆ ウクライナ――人類初のAI主導ドローン戦争
◆ Lavender・Starlink・国際法・民主主義国家の矛盾
◆ AIは引き金を引いていいのか――安全保障の文脈でのAir Box
◆ 【第2部】2つの設計思想――OpenAIとAnthropicは何を目指したのか
◆ サムが作りたかったもの――「開かれた」という名前の意味
◆ ダリオが問いたかったこと――AIは理由を理解できるか
◆ 憲法的AI――中学生でも理解できる説明
◆ 著者とClaudeの対話――AIの内側を問う
◆ 「無害」は誰が決めるのか――最後の問い
第6章 Mythos――公開されなかった最強のAI
◆ ◆ M-1 Mythos――公開されなかった最強のAI
◆ ◆ M-2 Mythosの能力――何ができるのか
◆ ◆ M-3 なぜ公開しなかったのか――Anthropicの判断
◆ ◆ M-4 Project Glasswing――選ばれた40社
◆ ◆ M-5 ペンタゴンとMythosの交差点――最大の皮肉
◆ ◆ M-6 Mythosが示すもの――「公開しない」という選択の意味
第7章 AGIとは何か――人類史上最大の問い
◆ ◆ 1 AGIとは何か――人類史上最大の問い
◆ ◆ 2 AGI開発の5段階――人類はどこにいるのか
◆ ◆ 3 終末論とは何か――宗教と科学の交差点
◆ ◆ 4 ペーパークリップ・マキシマイザー――直交性定理
◆ ◆ 5 「Machines of Loving Grace」――ダリオの楽観論
◆ ◆ 6 「人類最後の発明」という語りの構造
◆ ◆ 7 3つの問い――AGI時代を生きる人間に
◆ ◆ 8 映画の世界は現実に起こりうるか――5段階の論理的思考
第8章 資本の構造――見えない者たちが世界を動かす
◆ ◆ 1 記録が毎年塗り替えられる世界
◆ ◆ 2 OpenAIの奇妙な株主構成――株を持たないCEO
◆ ◆ 3 損失を出しながら巨大化する――なぜ誰も止めないのか
◆ ◆ 4 Anthropicの80倍成長――計画を超えた現実
◆ ◆ 5 AmazonとGoogleの利益の半分がAnthropicから
◆ ◆ 6 ジェンスン・ファン――「AI時代の石油王」
◆ ◆ 7 イーロン・マスク――かつての同志、今の競合
◆ ◆ 8 損失は「投資」――AI資本主義のSovereign論理
◆ ◆ 9 グレーの時代――モネの睡蓮
◆ ◆ 10 台湾TSMCという最大の地政学的脆弱性
◆ ◆ 11 就職先としてのOpenAI・Anthropic――給与の現実
◆ ◆ 12 AIビジネスのマネタイズ――どうやって稼いでいるのか
◆ ◆ 13 Stargateプロジェクト――5000億ドルのインフラ建設
◆ ◆ 14 孫正義の賭け――9兆円を投じた男
◆ ◆ 15 見えない者たちが何を握っているのか
第9章 知識労働の変容――AIと人間の新しい協働
◆ ◆ 1 この本はどう作られたか――編集の現場からの報告
◆ ◆ 2 法律の現場――弁護士の月曜日の朝
◆ ◆ 3 医療・会計・コンサルティング――プロフェッションの変化
◆ ◆ 4 創造性の再定義――アーティストはどこへ行くのか
◆ ◆ 5 教育の根本的な問い――暗記する意味がなくなった世界で
◆ ◆ 6 言語の非対称性――英語圏と非英語圏の新しい格差
◆ ◆ 7 「AI格差」という新しい分断
◆ ◆ 8 知識労働のAir Box――引き金は戦場だけにあるのではない
終章 知能の所有者は誰であるべきか――問いは、まだ終わっていない
◆ ◆ E-1 AIの成長を阻む7つの壁――半導体・データセンター・電力・量子・ビッグデータ・ガバナンス・環境
◆ ◆ E-2 Air Box――本書を貫いた問いの名前
◆ ◆ E-3 最後に――1社が独占しなかったことの意味
◆ 2人の知の巨人は今後も影響を与え続ける
◆ 人間にとって1番大切なものは何か
◆ 哲学・美学・倫理――AIが最も苦手とする分野
◆ 知能は、人の命と尊厳を守るために使われるべきである
巻末 2人の知の巨人――詳細人物記録
サム・アルトマン詳細記録 / ダリオ・アモデイ詳細記録 / 2人の対比
上記内容は本書刊行時のものです。
