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毒親絶縁の手引き[改訂新版] 柴田 収(監修) - 紅龍堂書店
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毒親絶縁の手引き[改訂新版] (ドクオヤゼツエンノテビキ カイテイシンパン) 改訂新版 DV・虐待・ストーカーから逃れて生きるための制度と法律 (ディーブイ・ギャクタイ・ストーカーカラノガレテイキルタメノセイドトホウリツ)

社会一般
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発行:紅龍堂書店
発売:瀬谷出版
B6判
縦182mm 横128mm 厚さ15mm
重さ 256g
272ページ
並製
定価 2,400 円+税   2,640 円(税込)
ISBN
978-4-902381-49-8   COPY
ISBN 13
9784902381498   COPY
ISBN 10h
4-902381-49-4   COPY
ISBN 10
4902381494   COPY
出版者記号
902381   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年10月30日
発売予定日
登録日
2025年8月19日
最終更新日
2025年11月17日
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受賞情報

CAMPFIREクラファンアワード2023ノミネート

紹介

「毒親から離れたい」
――その願いを、現実に変える本。

クラウドファンディング162%達成・CAMPFIREアワード「みんなで乗り越えた」賞ノミネートの話題作が、最新制度に対応した改訂新版として登場。

戸籍や住民票の保護、税・医療・マイナンバー関連の閲覧制限、SNS・アプリ利用時や生成AIの注意点まで――
「親から隠して守る」あらゆる手続き・リスク対策を1冊に。
加害する家族から離れて安全に暮らしたい人のための、【チェックリスト付き実用書】です。

家を出たい。
でも出られない。
引っ越しても、なぜか居場所が見つかる。
でも、その理由が分からない。

「なぜか居場所が見つかる」――原因の大半は戸籍です。
戸籍を秘匿しなければ、日本で親と絶縁することは極めて難しいです。
本書では身を守るために役立つ法律、支援措置などの各種制度、全国の無料相談窓口、最近の法改正事情まで、当事者にとって命綱となる情報を、実例を交えて解説します。

◆ 初版はクラウドファンディング162%達成・発売前に重版決定
◆ CAMPFIREアワード「みんなで乗り越えた」賞ノミネート
◆ 弁護士、婦人相談員、行政職員からも推薦多数
◆ 朝日新聞、産経新聞、ダイヤモンド・オンラインなど掲載多数


さらに改訂新版では――

◆改正戸籍法・改正児童福祉法・2026年施行予定の共同親権など新制度まで反映
◆行政リンクを全面更新し、利用可能な窓口・制度を最新版に整理
◆生成AI・チャットGPT等の個人情報取扱いについて新規項目を追加
◆「改訂新版によせて」では、相談相手の見極め方や支援体制の複線化など、今すぐ使える知識を紹介


メンタルに寄り添う本やエッセイは数多くありますが、制度や手続きをここまで具体的に網羅した「逃げ方の本」は、国内では極めて稀です。

初版で大好評だった【チェックリスト】も新制度を反映して収録。
「逃げる」と決めたあと、「どの窓口で、何を、どう言えばいいか」まで時系列で整理したこの付録は、漏れやリスクを防ぎながら動くための地図になります。
著者は加害親から逃げ切った当事者。監修はDV・モラハラに強い柴田収弁護士。

残念ながら日本では、親や親戚、兄弟姉妹など血縁関係との絶縁を積極的に取り扱った本はほとんどありません。
周囲になかなか理解してもらえない・どこに相談すればいいか分からず途方に暮れている方は、まずは本書を読んでみてください。
必要なときに、必要な行動が取れるように。
そのための一冊です。

目次

はじめに
第一章 「毒親」とは
 (一)逃げる前に知ってほしいこと。戸籍から住所漏洩する
 (二)加害親の行動パターンと類型
 (三)暴力的な言動は犯罪行為に該当しうる。刑法は家族間にも適用される
 (四)未成年者の場合。児童虐待防止法の定める四種類の虐待について
 (五)自分の親が「加害親かもしれない」と悩んだら
  コラム① 誤った加害者像。毒親は「精神病」「発達障害」というのは間違い

第二章 子どもが親を養う義務は、法的には存在しない
 (一)民法八七七条の定める「扶養義務」は死文化している
 (二)民法八二〇条の定める「親権」は子の利益にならなければ濫用
  コラム② 道徳教育と主権者教育の違い

第三章 加害親と離れる準備(前編)
 (一)「絶縁」の選択肢を考える。避難、引っ越し、DV等支援措置について
 (二)未成年者の「絶縁」の選択肢は一つ。安全に避難するために
  コラム③ 住民票を移すか・移さないか。人為的ミスの深刻さ
 (三)証拠を集める。医療機関受診歴、録音・動画、警察への相談録など
 (四)公的機関への相談の仕方
 (五)相談先一覧
 (六)未成年者が無料で利用できる相談先一覧
 (七)政治家に相談するという選択肢を持つ
 (八)福祉サービス第三者評価とは。親切な相談員と出会うために
  コラム④ 家父長制ってなに?

第四章 加害親と離れる準備(後編)
 (一)新居の探し方。市区町村、配達エリア、通勤通学ルートを変える
 (二)引っ越しの必需品、盗聴器の検査、DV・ストーカー対策専門業者
 (三)新居に繋がりそうな情報は全て廃棄する
  コラム⑤ 戸籍制度が残っているのは日本と台湾だけ

第五章 加害親と絶縁して独り立ちする
 (一)DV等支援措置は、新旧二つの自治体で連携してかけてもらう
 (二)分籍はしたほうが安全
 (三)戸籍届書のマスキング申入れ。支援措置との併用のすすめ
 (四)税業務におけるDV・ストーカー等被害者支援措置の申出(「税支援」)
 (五)不動産登記簿も保護できる(新第一一九条第六項、新第一二一条)
 (六)新しい健康保険証をつくる。医療費通知情報等の設定変更
 (七)マイナンバーカードの「代理人」解除。個人番号指定請求について
 (八)郵便局の「転居届」は出さない。住所変更は発送元に個別に出す
 (九)携帯電話やクレジットカードなどの名義変更・解約
 (十)車の登録事項等証明書・検査記録事項等証明書の閲覧制限
 (十一)後見登記制度における支援措置(登記事項証明書の発行抑止)
 (十二)選挙人名簿の抄本の閲覧の拒否
 (十三)供託制度における措置
 (十四)行方不明者届の不受理の措置
  コラム⑥ 警察ってどんな感じ?

第六章 新生活で気をつけること
 (一)DV等支援措置・税支援などの更新手続きを忘れずに
 (二)郵便物は実名でなくても届く。匿名配送を活用する
 (三)SNSは鍵アカウントにするか、自撮りや居場所が分かる投稿はしない
 (四)利用規約・プライバシーポリシー・アプリの権限を確認する
 (五)生成AIの利用方法に気をつける
 (六)自営業者の注意点。登記簿・特定商取引法・インボイス
 (七)知人であっても安易に住所を話さない
 (八)何かあったときの相談先・避難先を決めておく
 (九)情報収集を欠かさない。政治に関心を持つ
  コラム⑦ 離婚後も親子関係が義務化される「共同親権」への疑問

おわりに
特別寄稿 テミス法律事務所代表 柴田収
特別付録 毒親絶縁チェックリスト 時系列まとめ
主要参考文献一覧
改訂新版によせて

前書きなど

本書にはDV・虐待描写が含まれます。フラッシュバックなどの心配がある方は注意してください(本はどこにも行きません。あなたが元気になるまで、のんびりここで待っていますね)。

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「親と縁を切る方法は、日本にはありません」
 十年前、私がはじめて弁護士に相談したときに返ってきた言葉です。ひどく落胆し、絶望したことをよく覚えています。
 今でこそ、DV等支援措置や分籍について知り、子どもの権利条約や児童憲章について知り、児童福祉法や児童虐待防止法について知り、児童相談所や精神保健福祉センターなどの様々な相談機関について知り、子どもが親から身を守る方法はあると――戸籍法上に「絶縁」という定義がないだけで、物理的に距離を確保して安全に生きる方法は存在すると説明できますが、当時は右も左も分かりませんでした。
 しんどかったです。
「しんどい」、ひらがな四文字にしてしまえばあっけないほど平板なものです。筆舌に尽くしがたい過重なストレスがありました。
 私のプライベートな過去について、本書で詳しく触れることはありません。あくまでも事務的な説明に必要と判断した場合だけ、一例として紹介するに留めます。それは自分を守るためでもありますし、本書を手に取られたあなたならば、苦しみの種類なんて嫌というほど知っているはずだという思いからでもあります。たとえばこういった悩みです。
 親を捨てたいだなんて、自分は冷たい人間なのかな、とか。
 本書では、あなたが自由に生きることは、あなたの権利だという前提で話を進めます。
 本書で「家族の情」について説くことはありません。私は心の専門家ではありませんし、大人になって当時の自分を振り返る限り、あのとき必要だったものが、妥協や、忍耐や、ましてや絆や許しであったとは思えないからです。
 必要なものは距離と時間でした。
 あなたが、あなたの人生を阻害する人間と、物理的に距離を置く方法は存在します。
 絡みついてくる蔦(つた)のような「家族」を、まずは断ち切ってから、今後の身の振りようについて冷静に考えることは、一つの立派な選択肢です。
 本書では、その方法についてのみ焦点を絞って詳説します。
 当時、右も左も分からなかった私が、喉から手が出るほど欲しかったものはチェックリストです。何をどうして逃げればよかったのか。どの法律ならば身を守ってくれたのか。抜け穴となる注意点は何で、どんなヒューマンエラーが起こりえて、日常生活でどこに気をつけなければならなかったのか。誰に相談すればよかったのか。
 当事者ばかりがいつまでも神経を尖(とが)らせて生活するのではなく、加害者の取り締まりや更生を期すために、今、政治に何を望めばいいのか。
 本書は、「毒親」に苦しんでいる方を主な読者に想定していますが、パートナーからのDV・モラハラに悩んで家を出ようとしている人や、ストーカー被害から逃げるために引っ越しを考えている人にも役立てていただけるように注力しました。心当たりのある方は、どうか引っ越す前に本書をご一読いただければと思います。準備をせずにただ逃げても、見つかってしまう可能性があるからです。
 用語については二つのことに気を配りました。
 一つ、「毒親」という表現はなるべく使わず、意識的に「加害親」と表記しました。理由は、「いじめ」という単語に暴行罪や傷害罪を矮(わい)小(しょう)化する効果があるのと同様に、「毒親」という呼称は、その認知を広めることに貢献する一方で、虐待やストーカーなどの犯罪行為を、被害者や加害者に自覚させづらくする側面があると懸念するからです。
 二つ、「子ども」という言葉については、法的には直系卑属(子・孫など血縁者の意味)と未成年者という二つの意味があるため、直系卑属を指すように統一しました。未成年者のことは、そのまま未成年者と記述します。なお、漢字ひらがな表記については、「子供」と漢字では書かずに、「子ども」とひらがなに開きました。「供」という字には供物のニュアンスがあり、差別表記ではないかという議論があるためです。同じ複数形を表す接尾語としても、「ども」は「たち」に比べて敬意が低く、目下のものや侮蔑の対象に向けて使われます。
 補足すると、文部科学省(第二次安倍政権)は、二〇一三年に「『子供』は差別表記ではない」と判断し、公文書を「子供」で表記統一しています。しかしながら本書では、何が差別に該当するかは、政府や親が決めるのではなく、被害当事者が自分で判断しうるものと考えます。
 構成については、各章、基本的に十八歳以上の成人向けの情報を書き、その上で必要に応じて、未成年者のための情報をまとめるという形を取りました。成人向けの情報に多くページを割いたのは、シンプルに、成人のほうが問題解決のために取れる法的手段が多いためです。一方で未成年者の方も、それを知った上で、今取れる選択肢と比較検討することに意味があると考えます。親と「絶縁」することを、大人になるまで待つか、待たないか、待てるか、待てないか、考え、決断するための手掛かりになると信じています。したがって未成年者の方も、本書においては未成年者向けの情報だけに目を通すのではなく、ぜひ、大人と同じ目線に立ち、臆せずに全章を読みこなして欲しいと思っています。そうできるように、日本語については中学生くらいから読めるような平易な単語・表現を心がけました。
 ただし、日常的に暴力に遭っている・酷(ひど)い言葉をたくさんかけられて生きるのがつらいという方は、他の章は後回しでいいので、真っ先に、第三章(四)~(六)の相談機関に目を通してください。
 にわかには信じられないかもしれませんが、あなたを助けてくれる人はいます。あなたが想像しているよりも、おそらく多く存在しています。あなたの言葉を頭ごなしに否定せず、話を聞いて、必要な対策を考えることを職業としている人たちがいる場所や連絡先を、三章では紹介しています。
 その際、一般には書籍に掲載することの少ない電話番号やURLなども、可能な限り全て載せるようにしました。疲れ切って情報を探す気力もない人が、ワンクリックで飛べるようにしたかったからです。ただし、URLや電話番号は、運営の都合などで変更する可能性が常にあるものですから、リンクが切れていた際などは、おそれ入りますが固有名詞などで最新情報を検索していただければと思います。
 その他、相談機関を利用する際は、事前に、第三章(四)「公的機関への相談の仕方」に必ず目を通すようにしてください。加害者は一般的に報復傾向が強く、警察などの第三者に助けを求めると加害が激化するケースが少なくないためです。第三章(四)では、それを避けるための方法をあらかじめ解説しています。

版元から一言

国内初の「逃げ方の実用書」、反響を受けた改訂最新版。
加害親から「物理的・法的に離れて生きる」ための制度と手続きを、当事者視点で網羅的にまとめました。毒親被害者だけでなく、宗教2世・3世、離婚後のシングルマザー、弁護士や支援職など、幅広い層から反響をいただいています。

本書はDV等支援措置、分籍、戸籍・登記簿の閲覧制限、医療・税・マイナンバー関連の保護などを具体例とともに解説。改訂新版ではさらに改正戸籍法、改正児童福祉法、不動産新法、共同親権など2026年施行予定の新制度まで対応。行政リンクや相談窓口も最新版に刷新し、生成AIの個人情報取扱いについてなど新規項目も設けました。
巻末には、初版でも大好評だったチェックリストを収録。避難から新生活までに必要なことを時系列で整理し、漏れがないか確認できる内容は、当事者はもちろん、支援職・相談業務に携わる方々も即活用できます。

「毒親から逃げる方法」を、法律に則って具体的に解説した実用書は、本書が初めてです。
初版刊行時には朝日新聞・産経新聞・ダイヤモンド・オンライン、また若い読者も多いwithnews、まいどなニュースなど、多数のメディアに取り上げられ、大きな反響を呼びました。

令和5年度の児童虐待件数は22万5500件を超え、悲しいことに過去最多となりました。虐待のさなかにある当事者は、自分が受けているものが暴力だとさえ気づけないことも少なくありません。
当事者と支援者を支えるための「地図」として、売場でのご展開をお願いできましたら幸いです。

著者プロフィール

柴田 収  (シバタ シュウ)  (監修

弁護士。
岡山大学大学院法務研究科修了。2012年にテミス法律事務所を設立し、離婚問題、特にDV・モラハラ事案を積極的に取り扱う。暴力に苦しむ人の多さを痛感し、依頼を検討している方ならば初回相談無料・時間無制限で全国から法律相談を受ける。2022年からはX(旧:Twitter)でも不定期で、DV・モラハラの無料相談スペースを開催している。

紅龍堂書店  (クリュウドウショテン)  (編著

「幻想書店」をコンセプトに2020年から運営している小さな出版レーベル・書店。実店舗は所在地非公開。警察の保護を受ける虐待被害当事者が在籍したことから本書を制作。現実と物語の狭間に立つ本作りに力を入れており、公式サイトでは本の「子ども割」を継続。経済的に厳しい家庭には電子版を無料頒布している。

旧版ISBN
9784902381450

上記内容は本書刊行時のものです。