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グリーン・ニューディールを勝ち取れ
気候危機、貧困、差別に立ち向かうサンライズ・ムーブメント
原書: Winning the Green New Deal
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2025年9月1日
- 書店発売日
- 2025年9月1日
- 登録日
- 2025年8月18日
- 最終更新日
- 2025年8月29日
紹介
本書『グリーン・ニューディールを勝ち取れ』は、気候危機の解決に向けて米国で立ち上がった、グリーン・ニューディールを推進する学生運動「サンライズ・ムーブメント」のリーダーたちが編者です。彼らの呼びかけで、第一線で活躍する気候活動家やジャーナリスト、研究者が、気候変動の大惨事を回避するためには何が必要なのか、それを運動として政治として実現するにはどうすればよいのかを、様々な角度から論じています。
大部分の著者は、アメリカでZ世代・ミレニアル世代とよばれるハイティーンから30代半ばの若者世代です。サンライズ・ムーブメントの共同創設者であるヴァルシニ・プラカシュや、グリーン・ニューディール政策の立案者であるリアナ・グン=ライトなどが執筆しています。また、ノーベル賞受賞経済学者のジョセフ・スティグリッツや、反グローバリゼーションのジャーナリストであるナオミ・クライン、国際的に著名な環境保護主義者のビル・マッキベンなども執筆陣に加わっています。貧困や人種差別に立ち向かい連帯を実現しなければ気候危機は解決できません。他方でグリーン・ニューディールによって実現できる正義の経済を描きます。
※本書は、2021年12月に那須里山舎から発売された『グリーン・ニューディールを勝ち取れ』を、せせらぎ出版から再発行したもので、内容はまったく同じです。
目次
CONTENTS
編者による序文
序章 部屋の中の大人たち
◎第一部 彼らは、この危機の打開を望まない
第1章 今ここにある気候危機/パラダイス─「その名のとおりの町でありますように」
第2章 火をつけたのは、私たちではない
第3章 最悪の時期における市場原理主義
第4章 気候崩壊を避けるためには人種差別をなくす取り組みが必要だ
◎第二部 グリーン・ニューディールのビジョンと政策
第5章 いかにして私たちはグリーン・ニューディールにたどり着いたのか
第6章 グリーン・ニューディールの方針と原則
第7章 経済学からのグリーン・ニューディール推進論
第8章 南部湾岸地域のためのグリーン・ニューディール/おカネには、陽に照らされて腐ってゆく牡蠣殻の山のようなにおいがした
第9章 グリーン・ニュー・ビンゴホール
第10章 労働者にとってのグリーン・ニューディール
◎第三部 グリーン・ニューディールを勝ち取るために組織化(オーガナイズ)する
第11章 人々の力と政治的な力/一緒に海を分けて進む
第12章 私たちは光り輝く─希望と歌による組織化─/アメリカの青空
第13章 地球のための第三のリコンストラクション
第14章 アメリカ政治の次の時代
第15章 抵抗運動から予備選挙へ
第16章 ニューディールによる労働権の確立と、グリーン・ニューディールによる労働者の復権
終 章 組織化しよう、投票しよう、ストライキしよう
謝辞/原注/訳者解説/索引/執筆者一覧/編著者、訳者略歴
前書きなど
◎訳者解説 朴勝俊より(以下、一部抜粋)
グリーン・ニューディールは、アメリカを急速にゼロ炭素経済に移行させるための、経済的総動員の10カ年計画だ。その過程で、格差を大幅に是正し、迫害や抑圧の負の遺産を処理することによって米国経済を再生・再編するものなのだ。アメリカ連邦議会のグリーン・ニューディール(GND)決議には、以下の5つの目標がある。
1.全てのコミュニティと労働者のための公平で公正な移行(afairandjusttransition)を通じて、温室効果ガスの差し引きゼロ排出(ネットゼロ)を達成する。
2.何百万もの良質で高賃金の雇用を創出し、米国のすべての人々のための繁栄と経済的安全保障を確保する。
3.米国のインフラと産業に投資し、21世紀の課題に持続可能な形で対応する。
4.きれいな空気や水と、気候とコミュニティの回復力、健康的な食糧、自然へのアクセス、そして持続可能な環境を、全ての人々に保障する。
5.最前線の脆弱なコミュニティに対する現在の抑圧を止め、未来の抑圧を防ぎ、歴史的な抑圧を補償して、正義と公平性を促進する。そこには、先住民や有色人種、移民、脱工業化地域、過疎地域、貧困層、低所得労働者、女性、高齢者、家を失った人々、障害者、若者たちのコミュニティが含まれる。
これを読めばその構想は明確であり、説明を要さないであろう。急速な気候危機対策を実現するためには、正義(ジャスティス)にかなった豊かな経済をめざす政策が不可欠なのである。
上記内容は本書刊行時のものです。