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キノコ・カビの研究史
人が菌類を知るまで
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2010年10月1日
- 書店発売日
- 2010年10月20日
- 登録日
- 2010年6月23日
- 最終更新日
- 2011年1月24日
紹介
菌学研究の歴史は世界的にもきわめて短く、わが国では菌学はまだ「未科学」の状態にある。本書は菌学の歴史を紹介した世界で初めての書であり、1976年以来高い評価を得ており、おそらく今後類書が出ることはあっても、これほど広範に文献を渉猟し、その内容を一冊にまとめることができる科学史家は出ないと言われている。この領域にはまだ無数の課題と無限の可能性が残されていることを伝えたいという願いから訳されたもので、これから自然研究を志す若い世代に遺したい古典的文献。
目次
まえがき
謝辞
1 序論
菌学の発展とその方向
2 菌類の発生とその位置づけ
発生・初期の見方
発生・1700―1850年
菌類の位置づけ
多形性(プレオモルフィズム)
二形性(ダイモルフィズム)
分類学上の位置づけ
3 形態と構造
高等菌類の外部形態
微小(下等)菌類
高等菌類の微細構造
形態形成
4 培養と栄養摂取
ミケーリの観察
腐生菌、共生菌、寄生菌
木材腐朽
地衣類
菌根
純粋培養
代謝と代謝産物
5 雌雄性、細胞学および遺伝学
雌雄性
細胞学
ヘテロタリズム
菌じん類
サビキン類とクロボキン類
子嚢菌など
遺伝学
胞子形成と雌雄性の生理学と生化学
6 病原性
植物に対する病原性
植物における疾病の分類
コムギ網なまぐさ黒穂病
コムギ黒サビ病
自然発生論者と病原体論者
植物病理学の発展
宿主・寄生者相互作用
寄生の生理学
殺菌剤
人と動物に対する病原性
全身性真菌症
重複寄生菌
7 有毒、幻覚性、アレルギーに関わる菌類
人と動物に対する菌類の毒性
マイコトキシン中毒症
麦角中毒
家畜のマイコトキシン中毒
菌の植物毒素
幻覚性キノコ
菌によるアレルギー
胞子の放出
飛散胞子
カビアレルギー
8 菌類の利用
食品として
発酵
食用酵母
チーズ
医薬として
麦角(エルゴット)
抗生物質
産業として
有機酸
脂肪
酵素
ステロイドの変換
9 菌類の分布
地理的分布
生態的分布
土壌菌
粘菌
洞窟や鉱山、穴蔵などの菌類
水生菌
昆虫など、無脊椎動物との関係
地衣類
10 分類
リンネ以前
リンネ
リンネ以後
ペルズーン
フリース
フリース以後
種名の分化
近年の傾向
11 菌学と組織
菌学の文献
教科書
学術雑誌
二次出版物
大学
学会
標本館
培養菌株の保存(カルチャーコレクション)
命名法
エピローグ
註
年表および参考文献
訳者あとがき
人名索引
種名索引
事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。