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和算ノ研究 方程式論
復刻版
- 初版年月日
- 2011年2月
- 書店発売日
- 2011年2月21日
- 登録日
- 2010年12月16日
- 最終更新日
- 2011年4月7日
紹介
本書は、天元術と「方程」の中国的起源から説きほぐし、点竄代数の発明という和算にとって枢要な事件を克明に解説して、関孝和の方程式論の卓越性を解き明かし、さらにその後への展望を見ている。和算の高等数学部門の技法的根底について簡明に記述した和算史入門書。
目次
第一章 天元術
第二章 方 程
第三章 点竄術
第四章 関孝和ノ方程式論
第五章 綴術ニヨル開法及ビ方程式解法
第六章 反復法ニヨル方程式ノ解法
第七章 超越方程式ノ解法
第八章 三次及ビ四次方程式ノ代数的解法
≪解説≫ 佐々木 力
加藤平左エ門――和算の近代数学的解読者
前書きなど
《解説》より
本書は、天元術と「方程」の中国的起源から説きほぐし、点竄代数の発明という和算にとって枢要な事件を克明に解説して、関孝和の方程式論の卓越性を解き明かし、さらにその後への展望を見ている。和算の高等数学部門の技法的根底について実に簡明に記述した和算史入門書であると言うことができるであろう。……今、数学教育界、数学者のあいだで、和算史ブームといってもいいほどの江戸数学再評価の風潮が起こっている。現代に直結する西欧の近代とはひと味違った「もうひとつの近世」を求めてのことであろう。本書をはじめ、加藤平左エ門の著作が江湖に迎えられ、その業績の上に立って江戸数学のおもしろさが国際的視野で解明されんことを!(佐々木 力)
版元から一言
和算は知れば知るほどおもしろく奥が深い。そのうえ、江戸時代、一部の数学者(和算家)だけでなく、武士から百姓、大人から子どもまで、男だけでなく女も、全国津々浦々で数学(和算)を楽しんでいたというから驚きである。本書は、和算が見直されるずっと以前から和算に注目し、和算の成果を近代日本に呼び戻す数学的解読者としてきわめて重要な役割を果たした数学者、加藤平左エ門の和算史入門書であり、加藤和算史学白眉の書である。和算のおもしろさが国際的視野で解明されるための一助となることを願って復刻した。
上記内容は本書刊行時のものです。