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〈災害〉文学の可能性 庄司 宏子(編著) - 作品社
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〈災害〉文学の可能性 (サイガイブンガクノカノウセイ)

文芸
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発行:作品社
四六変形判
380ページ
上製
定価 3,600 円+税   3,960 円(税込)
ISBN
978-4-86793-135-6   COPY
ISBN 13
9784867931356   COPY
ISBN 10h
4-86793-135-7   COPY
ISBN 10
4867931357   COPY
出版者記号
86793   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2025年12月19日
最終更新日
2026年2月16日
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紹介

作家の想像力とは?

自然災害、気候変動、環境汚染、戦争、ホロコースト、ジェノサイド、奴隷制度、原発事故、パンデミック――

時代や地域、文化や言語を超えて、作家の想像力は、〈時間〉と〈場〉に沈殿し隠れていた悲惨な記憶に形を与え、浮かび上がらせ、光を与える。
事実と虚構の間[あわい]を埋めようとする文学の想像力は、「真実が攻撃される」時代に、決してフェイクなどではない……

「言葉が揺らぐ時代にあって文学とは何であるか、〈災害〉を描く文学を通じて見えてくるものがあるのではないか。本書はそうした問題意識も有している。権力による大学やメディアへの検閲と統制、気候変動など科学データの消去、陰謀論の拡散、国立歴史博物館展示への介入、トランスジェンダーや奴隷制を描く文学を図書館から閉め出す禁書運動、歴史とその記憶の書き換え、真実や事実が攻撃に晒され権力者に都合のよい〈現実〉がつくられるというトランプ的ポスト・トゥルース政治のなかで、文学の言葉は事実を模索し、真実を見つめる思考を促す力をもちうるのではないか。」――本文より

【目次】
序章 文学は〈災害〉をどのように描くか(庄司宏子)
  第Ⅰ部 災害とその記憶の〈時間〉
第1章 以後の時間に残されること 戦後と震災後をつないで津島佑子『ヤマネコ・ドーム』を読む(木村朗子)
第2章 気候危機とともに生きるということ ダイアン・クック『静寂の荒野[ウィルダネス]』にみる平時感覚の再調整(結城正美)
第3章 「当事者性」に抗する文学 キャリル・フィリップスとトニ・ハリソンの作品を中心に(小林英里)
  第Ⅱ部 〈災害〉とその記憶の〈場〉
第4章 戦後処理とディアスポラに関する比較文学研究 旧「西プロイセン」の戦後文学(西成彦)
第5章 プランテーションから刑務所へ 奴隷制度の遺制を描く現代アメリカ小説――ウィリアム・フォークナー、ジェズミン・ウォード、コルソン・ホワイトヘッド(庄司宏子)
第6章 視覚芸術における表象の間文化性とドキュメンテーション アンデスの「先住民」アーティストの軌跡(細谷広美)
あとがき/図版出典一覧/索引(人名・事項・作品名)

目次

序章 文学は〈災害〉をどのように描くか(庄司宏子)

第Ⅰ部 災害とその記憶の〈時間〉 
第1章 以後の時間に残されること 戦後と震災後をつないで津島佑子『ヤマネコ・ドーム』を読む(木村朗子)
 はじめに
 一 戦後に起こっていたこと
 二 ルニット・ドームの問いかけ
 三 混血児の問題系
 四 混血児をめぐる社会
 五 オレンジ色の恐怖とはなにか
 おわりに

第2章 気候危機とともに生きるということ ダイアン・クック『静寂の荒野[ウィルダネス]』にみる平時感覚の再調整(結城正美)
 はじめに
 一 気候変動と文学
 二 生存の物語としての『静寂の荒野[ウィルダネス]』
 三 家族関係から類縁関係へ
 おわりに

第3章 「当事者性」に抗する文学 キャリル・フィリップスとトニ・ハリソンの作品を中心に(小林英里)
 はじめに
 一 開かれたトラウマ小説にむけて
 二 カルース理論の可能性と問題点
 三 キャリル・フィリップスの『より高い土地』と『血の性質』についての批評をめぐって
 四 多方向の記憶、パリンプセスト・メモリー、ポストメモリー
 五 トニ・ハリソンの『ヒロシマの影』
 六 「アウシュヴィッツ以降の詩」
 七 「一九四五年八月に寄せるソネッツ」
 八 『ヒロシマの影』
 おわりに

第Ⅱ部 〈災害〉とその記憶の〈場〉 
第4章 戦後処理とディアスポラに関する比較文学研究 旧「西プロイセン」の戦後文学(西成彦)
 はじめに
 一 グダンスク訪問
 二 軍事オタクの少年たち
 三 国の内と外、民族の内と外
 四 モドリン
 五 ポーランド騎兵隊
 六 前線と銃後
 七 アウシュヴィッツの後で
 八 シュトットホーフ収容所
 九 「ユダヤ人問題」
 一〇 「玉ねぎの皮をむく」
 一一 転校生
 一二 「西プロイセン」
 一三 第三帝国の終焉
 一四 ヒュレの挑戦
 一五 「脱神話」
 一六 パルチザンごっこ
 一七 青春群像
 一八 歴史の隙間
 一九 難民たちの通過と滞留
 二〇 レムとヒュレ
 二一 ハンザ都市ダンツィヒ
 二二 消えた筏乗り
 おわりに 時間恐怖[クロノフォビア]

第5章 プランテーションから刑務所へ 奴隷制度の遺制を描く現代アメリカ小説――ウィリアム・フォークナー、ジェズミン・ウォード、コルソン・ホワイトヘッド(庄司宏子)
 はじめに ポスト・プランテーション時代のプランテーション
 一 新たな黒人の拘束システム――囚人貸出制度から刑務所農場へ
 二 ミシシッピ州立刑務所パーチマン・ファームの誕生
 三 白塗り[ホワイト・ウォッシング]されるパーチマン・ファーム――フォークナーが描くパーチマン・ファーム
 四 「破滅の行先」――ジェズミン・ウォードが描くパーチマン・ファーム
 五 少年矯正学校のなかで再現される奴隷制度――フロリダ州立ドージア・スクール
 六 「監獄のなかの監獄」――コルソン・ホワイトヘッドの『ニケル・ボーイズ』を読む
 おわりに パーチマン・ファームで文学を教える

第6章 視覚芸術における表象の間文化性とドキュメンテーション アンデスの「先住民」アーティストの軌跡(細谷広美)
 はじめに
 一 一九八八年アヤクチョ市、エディルベルトとの邂逅
 二 レタブロ
 三 紛争とレタブロ
 四 ペルー真実和解委員会と線描画の誕生
 五 線描画とレタブロ――表象の当事者性と間文化性
 六 新型コロナウイルス感染拡大と新たなドキュメンテーション
 七 政治参加
 おわりに

あとがき
図版出典一覧
索引(人名・事項・作品名)

著者プロフィール

庄司 宏子  (ショウジ ヒロコ)  (編著

(しょうじ・ひろこ)
成蹊大学文学部英語英米文学科教授
専門は、アメリカ文学。
著書に、『アメリカスの文学的想像力――カリブからアメリカへ』(彩流社、2015年)、共編著に、『国民国家と文学――植民地主義からグローバリゼーションまで』(作品社、2019年)、『絵のなかの物語――文学者が絵を読むとは』(法政大学出版局、2013年)など。

木村 朗子  (キムラ サエコ)  (

(きむら・さえこ)
津田塾大学学芸学部多文化・国際協力学科教授
専門は、日本文学。
著書に、『震災後文学論――あたらしい日本文学のために』(青土社、2013年)、『その後
の震災後文学論』(青土社、2018年)、共編著に、木村朗子、アンヌ・バヤール=坂井『世界文学としての〈震災後文学〉』(明石書店、2021年)など。

小林 英里  (コバヤシ エリ)  (

(こばやし・えり)
成蹊大学文学部英語英米文学科教授
専門は、英語圏文学。
著書に、『Women and Mimicry』(ふくろう出版、2011年)、共著書に、『意味をすくい上げて』(風間書房、2022年)、『現代イギリス文学と他国』(金星堂、2020年)など。

西 成彦  (ニシ マサヒコ)  (

(にし・まさひこ)
立命館大学名誉教授
専門は、ポーランド文学、比較文学。
著書に、『声の文学』(新曜社、2021年)、『死者は生者のために――ホロコーストの考古学』(みすず書房、2022年)、『移動文学論Ⅲ 多言語的なアメリカ』(作品社、2024年)など。

細谷 広美  (ホソヤ ヒロミ)  (

(ほそや・ひろみ)
成蹊大学文学部国際文化学科教授
専門は、文化人類学。
著作に、『アンデスの宗教的世界――ペルーにおける山の神信仰の現在性』(明石書店、1997年)、共編著に、『グローバル化する〈正義〉の人類学――国際社会における法形成とローカリティ』(昭和堂、2019年)、論文に、「真実のカレイドスコープ――記憶、歴史、証言、ペルー真実和解委員会」(石田智恵編『カタストロフの残響――ラテンアメリカの政治的暴力と日常』所収、春風社、2026年)など。

結城 正美  (ユウキ マサミ)  (

(ゆうき・まさみ)
青山学院大学文学部英米文学科教授
専門は、アメリカ文学、環境文学。
著書に、『文学は地球を想像する――エコクリティシズムの挑戦』(岩波新書、2023年)、編著書に、『モア・ザン・ヒューマンの物語――環境人文学10のシークエンス』(ミネルヴァ書房、2025年)、共編著書に、Ecocriticism in Japan(Lexington Books, 2018)、訳書に、デイヴィッド・エイブラム著『感応の呪文――〈人間以上の世界〉における知覚と言語』(水声社/論創社、2017年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。