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〈災害〉文学の可能性
- 出版社在庫情報
- 不明
- 書店発売日
- 2026年3月4日
- 登録日
- 2025年12月19日
- 最終更新日
- 2026年2月16日
紹介
作家の想像力とは?
自然災害、気候変動、環境汚染、戦争、ホロコースト、ジェノサイド、奴隷制度、原発事故、パンデミック――
時代や地域、文化や言語を超えて、作家の想像力は、〈時間〉と〈場〉に沈殿し隠れていた悲惨な記憶に形を与え、浮かび上がらせ、光を与える。
事実と虚構の間[あわい]を埋めようとする文学の想像力は、「真実が攻撃される」時代に、決してフェイクなどではない……
「言葉が揺らぐ時代にあって文学とは何であるか、〈災害〉を描く文学を通じて見えてくるものがあるのではないか。本書はそうした問題意識も有している。権力による大学やメディアへの検閲と統制、気候変動など科学データの消去、陰謀論の拡散、国立歴史博物館展示への介入、トランスジェンダーや奴隷制を描く文学を図書館から閉め出す禁書運動、歴史とその記憶の書き換え、真実や事実が攻撃に晒され権力者に都合のよい〈現実〉がつくられるというトランプ的ポスト・トゥルース政治のなかで、文学の言葉は事実を模索し、真実を見つめる思考を促す力をもちうるのではないか。」――本文より
【目次】
序章 文学は〈災害〉をどのように描くか(庄司宏子)
第Ⅰ部 災害とその記憶の〈時間〉
第1章 以後の時間に残されること 戦後と震災後をつないで津島佑子『ヤマネコ・ドーム』を読む(木村朗子)
第2章 気候危機とともに生きるということ ダイアン・クック『静寂の荒野[ウィルダネス]』にみる平時感覚の再調整(結城正美)
第3章 「当事者性」に抗する文学 キャリル・フィリップスとトニ・ハリソンの作品を中心に(小林英里)
第Ⅱ部 〈災害〉とその記憶の〈場〉
第4章 戦後処理とディアスポラに関する比較文学研究 旧「西プロイセン」の戦後文学(西成彦)
第5章 プランテーションから刑務所へ 奴隷制度の遺制を描く現代アメリカ小説――ウィリアム・フォークナー、ジェズミン・ウォード、コルソン・ホワイトヘッド(庄司宏子)
第6章 視覚芸術における表象の間文化性とドキュメンテーション アンデスの「先住民」アーティストの軌跡(細谷広美)
あとがき/図版出典一覧/索引(人名・事項・作品名)
目次
序章 文学は〈災害〉をどのように描くか(庄司宏子)
第Ⅰ部 災害とその記憶の〈時間〉
第1章 以後の時間に残されること 戦後と震災後をつないで津島佑子『ヤマネコ・ドーム』を読む(木村朗子)
はじめに
一 戦後に起こっていたこと
二 ルニット・ドームの問いかけ
三 混血児の問題系
四 混血児をめぐる社会
五 オレンジ色の恐怖とはなにか
おわりに
第2章 気候危機とともに生きるということ ダイアン・クック『静寂の荒野[ウィルダネス]』にみる平時感覚の再調整(結城正美)
はじめに
一 気候変動と文学
二 生存の物語としての『静寂の荒野[ウィルダネス]』
三 家族関係から類縁関係へ
おわりに
第3章 「当事者性」に抗する文学 キャリル・フィリップスとトニ・ハリソンの作品を中心に(小林英里)
はじめに
一 開かれたトラウマ小説にむけて
二 カルース理論の可能性と問題点
三 キャリル・フィリップスの『より高い土地』と『血の性質』についての批評をめぐって
四 多方向の記憶、パリンプセスト・メモリー、ポストメモリー
五 トニ・ハリソンの『ヒロシマの影』
六 「アウシュヴィッツ以降の詩」
七 「一九四五年八月に寄せるソネッツ」
八 『ヒロシマの影』
おわりに
第Ⅱ部 〈災害〉とその記憶の〈場〉
第4章 戦後処理とディアスポラに関する比較文学研究 旧「西プロイセン」の戦後文学(西成彦)
はじめに
一 グダンスク訪問
二 軍事オタクの少年たち
三 国の内と外、民族の内と外
四 モドリン
五 ポーランド騎兵隊
六 前線と銃後
七 アウシュヴィッツの後で
八 シュトットホーフ収容所
九 「ユダヤ人問題」
一〇 「玉ねぎの皮をむく」
一一 転校生
一二 「西プロイセン」
一三 第三帝国の終焉
一四 ヒュレの挑戦
一五 「脱神話」
一六 パルチザンごっこ
一七 青春群像
一八 歴史の隙間
一九 難民たちの通過と滞留
二〇 レムとヒュレ
二一 ハンザ都市ダンツィヒ
二二 消えた筏乗り
おわりに 時間恐怖[クロノフォビア]
第5章 プランテーションから刑務所へ 奴隷制度の遺制を描く現代アメリカ小説――ウィリアム・フォークナー、ジェズミン・ウォード、コルソン・ホワイトヘッド(庄司宏子)
はじめに ポスト・プランテーション時代のプランテーション
一 新たな黒人の拘束システム――囚人貸出制度から刑務所農場へ
二 ミシシッピ州立刑務所パーチマン・ファームの誕生
三 白塗り[ホワイト・ウォッシング]されるパーチマン・ファーム――フォークナーが描くパーチマン・ファーム
四 「破滅の行先」――ジェズミン・ウォードが描くパーチマン・ファーム
五 少年矯正学校のなかで再現される奴隷制度――フロリダ州立ドージア・スクール
六 「監獄のなかの監獄」――コルソン・ホワイトヘッドの『ニケル・ボーイズ』を読む
おわりに パーチマン・ファームで文学を教える
第6章 視覚芸術における表象の間文化性とドキュメンテーション アンデスの「先住民」アーティストの軌跡(細谷広美)
はじめに
一 一九八八年アヤクチョ市、エディルベルトとの邂逅
二 レタブロ
三 紛争とレタブロ
四 ペルー真実和解委員会と線描画の誕生
五 線描画とレタブロ――表象の当事者性と間文化性
六 新型コロナウイルス感染拡大と新たなドキュメンテーション
七 政治参加
おわりに
あとがき
図版出典一覧
索引(人名・事項・作品名)
上記内容は本書刊行時のものです。

