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鯰絵と歌川派の浮世絵 石隈 聡美(著) - 文学通信
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鯰絵と歌川派の浮世絵 (ナマズエトウダガワハノウキヨエ) 安政江戸地震と幕末の出版界 (アンセイエドジシントバクマツノシュッパンカイ)

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発行:文学通信
A5判
312ページ
価格 7,500 円+税   8,250 円(税込)
ISBN
978-4-86766-125-3   COPY
ISBN 13
9784867661253   COPY
ISBN 10h
4-86766-125-2   COPY
ISBN 10
4867661252   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0071  
0:一般 0:単行本 71:絵画・彫刻
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2026年2月27日
書店発売日
登録日
2026年2月1日
最終更新日
2026年3月10日
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紹介

生まれるべくして生まれた、
見ても読んでも楽しい作品群、鯰絵。

当時の錦絵出版界を牽引していた歌川派。
歌川派の絵師の時事的錦絵作品群のなかに鯰絵を位置づけると、何がわかるのか。美術史の中に置き直し、検討し直した、初めての総合的研究。

幕末の安政江戸地震(1855)のあと、地震を起こす原因と捉えられた鯰が描かれた錦絵、鯰絵が大流行し、災害報道を主とするかわら版とともに広まった。

その鯰絵とはどういう作品群で、どのような背景があったのか。

第一章では絵師・板元・法令の三つの視点から当時の出版背景を解き明かし、第二章で当時の資料から鯰絵の定義について検討する。第三章では、201点の鯰絵について基本データを表に示し、そこからモチーフ分析を行う。第四章では、鯰絵と歌舞伎と題し、鯰絵中に描かれた歌舞伎の演目について読み解き、第五章では、鯰絵以前、鯰絵流行期間中、鯰絵以後と時期を分け、鯰絵と錦絵の影響関係を見ていき、鯰絵がその後の浮世絵出版に与えた影響を考察する。

【本研究では、歌川派が台頭していた当時の浮世絵出版界の活況と、天保の改革による出版体制の変化が浮世絵の主題に与えた影響、流行した作例から、江戸地震以前に木版画という大量出版メディアにおいて時事報道の土壌が形成され、鯰絵が生まれるべくして生まれ、人々に求められて流行した作品群であったことを浮世絵史の中で示していくことを目的とする。歌川派の描いてきた役者絵や戯画、そして時事報道に関する錦絵にみられる要素が、鯰絵中にどう表れたか、そして鯰絵は通常の錦絵の主題にどのような影響を与えていったのかを分析し、考察する。明治にまで受け継がれる浮世絵文化と歌川派の絵師たちの活動の一端を明らかにすることで、歌川派研究そして浮世絵研究に寄与することを目指す。】

目次

序 章

一 研究の背景
二 本書における各章の概要

第一章 浮世絵と江戸出版界

第一節 歌川派と幕末の浮世絵
(一)歌川派研究史
(二)幕末の歌川派の活況
第二節 天保の改革と板元への影響
(一)問屋仲間と錦絵検閲 
(二)問屋仲間解散と再興
(三)検閲体制の変化と筆禍
第三節 法令による出版体制の変化
(一)天保十三年の浮世絵に関する法令
(二)画題と表現の変化
(三)板元と筆禍
第四節 八代目市川團十郎の逝去と死絵
(一)役者絵と死絵
(二)八代目團十郎の死絵
小結

第二章 安政江戸地震と鯰絵

第一節 鯰絵研究史
(一)鯰絵の定義
(二)先行研究史
第二節 安政江戸地震の概要
(一)被害と時間経過
(二) 鯰絵の取り締まり
小結

第三章 鯰絵作品の基本データとその分析

第一節 データの収集と整理
(一)鯰の表象
(二)信仰にまつわるモチーフ
(三)復興に関わる職業モチーフ
第二節 鯰絵の時系列分析
(一)同時代史料の記述に見るモチーフの順番
(二)震災後の時間経過によるモチーフの変遷
小結

第四章 鯰絵と歌舞伎

第一節 鯰絵に描かれた演目
第二節 鯰絵と『暫』
第三節 鯰絵と市川團十郎
小結

第五章 鯰絵と浮世絵出版界

第一節 鯰絵と歌川派の先行作品との関係性
(一)すでに指摘のある作例
(二)筆者がこれまで指摘した作例
第二節 安政二年十月から十二月の錦絵出版事情
(一)安政江戸地震直後の錦絵出版数の推移
(二)安政二年十月から十二月の錦絵の題材
第三節 鯰絵から通常の錦絵へ
(一)鯰絵から役者絵へ
(二)鯰絵とおもちゃ絵
(三)鯰絵以降にも受け継がれる表現
小結

結 章

一 各章の振り返りとまとめ
二 本論を通して考える鯰絵と幕末の錦絵の性質
三 今後の課題と展望


表一覧
【表1】「見立名所絵」の作品群…約五百四十七図
【表2】天保十四年~安政四年までの筆禍記録
【表3】幕末期に活動が盛んだった板元一覧
【表4】八代目團十郎死絵のうち過去の改印のある作例リスト
【表5】八代目團十郎死絵に描かれる演目と上演年月
【表6】安政二年十月から十二月の時間経過
【表7】鯰絵作品の基本データ 描かれた事物・刊行時期の分析リスト
【表8】モチーフによる鯰絵の制作時期推定
【表9】鯰絵に描かれた歌舞伎の演目
【表10】安政二年十月~十二月に出版された錦絵
【表11】三代豊国画「一陽新玉宴」に描かれる役者と職業
【表12】鯰絵「役者見立鯰退治」と三代豊国画役者絵の比較

主要参考文献
あとがき
索引

著者プロフィール

石隈 聡美  (イシグマ サトミ)  (

2012年 学習院大学 修了(文学)。
2023年 國學院大學 博士学位(史学)取得。
2026年 現在、江戸東京博物館学芸員。

[主要論文]
「鯰絵と歌舞伎―『暫』を中心に―」(『國學院大學 大学院紀要―文学研究科―』第46輯、2015年)
「鯰絵と板元」(『國學院雑誌』116巻第7号 学生懸賞論文入賞、2015年)
「安政江戸地震直後の錦絵出版事情について―歌川派の絵師と板元たちの活動を中心に―」(『浮世絵芸術』第174号、2017年)
「歌川国郷の画業と作品一覧―子どもへのまなざしと歌川派を支えた門人絵師活動」(『浮世絵芸術』第183号、2022年)

上記内容は本書刊行時のものです。