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日本の識字率はほんとうに高いのか? 「当たり前」を問い直すために 野山 広(著) - 文学通信
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日本の識字率はほんとうに高いのか? 「当たり前」を問い直すために (ニホンノシキジリツハホントウニタカイノカアタリマエヲトイナオスタメニ)

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発行:文学通信
A5判
96ページ
並製
価格 1,300 円+税   1,430 円(税込)
ISBN
978-4-86766-102-4   COPY
ISBN 13
9784867661024   COPY
ISBN 10h
4-86766-102-3   COPY
ISBN 10
4867661023   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0080  
0:一般 0:単行本 80:語学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年2月20日
発売予定日
登録日
2026年2月1日
最終更新日
2026年2月3日
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紹介

日本人の識字率は世界トップレベル?
「日本人は読み書きができる民族」という自己認識は、実は1948年、戦後間もない時期に行われた、日本で唯一の全国的な識字調査で、「非識字率は約2‌%」という数値で報じられたことによります。ですが実はそれ以来、同規模の識字調査は一度も実施されていません。

現代では実はどうなのでしょうか。

そもそも「識字」とは何なのか。日本に住む人たちの識字の実態を把握するには、いつ・どこで・誰が・誰を対象に・どのように調査をすればよいのか。

日本語が母語ではない人や、視覚障害・聴覚障害をもつ人、義務教育の学びの機会をもたなかった人など、社会の中で見えにくい立場にある人々の言語使用の実態は、どう把握すればいいのか。

誰もが使う文字。誰もが「読める・書ける」ことを前提として生活している社会。しかし、その「当たり前」が本当に全員にとって当たり前なのか。

多様な日本語使用者がいる現在の日本。その日本で「リテラシー」をどう考えるのか。基本となる書です。

[本シリーズについて]

現在の社会では、言語だけではなく、さまざまな特性によりコミュニケーションがとりづらい人たちがいます。
みんながストレスなく生活していくだけでなく、すべてのひとに力を発揮してもらえる社会にするために、いまどんな課題があり、それをどうやって解決していけばよいのでしょうか?
それを考えるのが新しい学問分野「コミュニケーション共生科学」です。

目次

はじめに──「当たり前」を問い直すために(小磯花絵・朝日祥之)
 日本人の識字率は世界トップレベル?
 誰もが「読める・書ける」は当たり前か?
 1948年の識字調査を「解いて」みると
 共生社会への一歩

第1部 「日本人の識字率は高い」は共同幻想?
──約80年ぶりの識字調査への挑戦と課題(野山 広)

1 自分の識字率を測ってみたい──夜間中学生徒の要望
2 日本では全国識字調査は一度しか行われていない
3 1948年の識字調査で出された問題とその方法
4 世界の識字調査に目を向けてみると
5 新しい識字調査の問題をどう作るのか
6 多様な日本語使用者がいる現在の日本
7 どのように調査を実施するのか
8 調査後のサポート方法
9 みんなに調査を受けてもらうために
10 識字調査を行う意義──現在の日本で「リテラシー」をどう考えるのか
11 質疑応答
Q‌1 識字「率」はどうやって出すのか?
Q‌2 脳は漢字のほうが覚えやすい?
Q‌3 読み書き以外の能力を見る必要はないのか?
Q‌4 識字調査は日本語だけでいいのか?
Q‌5 ろう者の識字の実態は?
Q‌6 技術と人はどのように発展できるのか?

第2部 これまでとこれからの日本の識字を考えるために

コラム① 1948年の識字調査の結果はどう分析されたのか(朝日祥之)
1 平均点は高いのにリテラシーが悲観的に評価されたのはなぜ?
2 調査で見られた8つの能力から、結果に差が出た理由を分析する
3 日常の言語生活で活字に接しているかが結果の分かれ目

コラム② 日本人の読み書き能力にA‌Iは興味・関心をもつか(横山詔一)
1 はじめに
2 A‌Iは自己の「生活」をどのように語るか
3 日本語リテラシーとA‌Iの関心
4 読み書き能力における「誇り」とA‌Iの自己理解
5 現代におけるリテラシー概念の広がり──東京大学入学式式辞より
6 生成A‌Iと共生する言語生活のあした

コラム③ 脳の損傷は読み書きにどのような影響をあたえるのか(竹本直也)
1 はじめに
2 文字の種類や仕組みは言語によって異なる
3 読み書きとは多くの段階を経て成功する複雑な活動
4 脳損傷によってどのような読み書きの障害が起きるのか
 4.1 漢字と仮名と脳
 4.2 認知症の読み書き障害
 4.3 平仮名・片仮名と脳
 4.4 タイピングの障害
5 おわりに──時代とともに変化する読み書きの問題

コミュニケーションの未来を創る シリーズのご案内
コミュニケーション共生科学の創成 公式ウェブサイトのご案内
サポートメンバーによる編集後記(桂融・白川憩・文学通信編集部)

著者プロフィール

野山 広  (ノヤマ ヒロシ)  (

国立国語研究所研究系・准教授。研究分野は社会言語学、日本語教育学、基礎教育保障学等。主な業績として『地域での日本語活動を考える―多文化社会葛飾からの発信』(共編、ココ出版、202‌2年)、『外国人住民への言語サービス―地域社会・自治体は多言語社会をどう迎えるか』(共編、明石書店、2007年)など。

朝日 祥之  (アサヒ ヨシユキ)  (

国立国語研究所研究系・教授。研究分野は社会言語学、言語接触。主な仕事に『言語コミュニケーションの多様性』(共編、くろしお出版、2022年)など。

横山 詔一  (ヨコヤマ ショウイチ)  (

国立国語研究所研究系・名誉教授。研究分野は社会言語心理学。主な仕事に横山詔一・石川慎一郎・井田浩之・相澤正夫「日本語学術論文の即時オープンアクセス実現に向けて」(『国立国語研究所論集』29、2025年、https://doi.org/10.15084/0002000510)など。

竹本 直也  (タケモト ナオヤ)  (

国立民族学博物館人類基礎理論研究部、東京湾岸リハビリテーション病院・研究員。研究分野は失語症学、リハビリテーション医学。主な仕事に原惠子・竹本直也「ことばが使えないとき 言語障害と失語症」 (菊澤律子・吉岡乾編『しゃべるヒトーことばの不思議を科学する』2025年、文理閣)など。

上記内容は本書刊行時のものです。