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児童雑誌の誕生
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年2月28日
- 書店発売日
- 2023年3月7日
- 登録日
- 2023年1月26日
- 最終更新日
- 2023年3月7日
紹介
こうして書物は国境を越え、日本の児童雑誌が生まれた。
近代日本において児童雑誌がどのように生み出されたか、どのような読書文化を形作ってきたのか、歴史的な視座から問いなおす書。
従来の「創造性」や「芸術性」を中心に論じられてきた児童文学史に対して、西洋からのノウハウの習得や、流通構造に着目することで、当時の児童雑誌とその読者のありようを立体的に描く。
キリスト教と教育関係、ふたつのルートから、子どもの読み物が日本に入り、そして翻訳・編集を経て児童雑誌が誕生し、日本に住む子どもたちに届けられ、そして読まれるまでの流れについて解明する。国境を越えて書物がもたらされ、新たな読者集団を形成していく、創造性に富んだ、日本の児童雑誌が生まれるまでのダイナミズムを、あますところなく明らかにする。
『少年園』以前の、いわゆる〈胎動期〉の児童雑誌から本格的に分析する初の書。
児童文学に関心がある人のみならず、書物学・図書館学等、書物に関心がある人、必読です。
目次
序 章
第1節 目的と研究史
第2節 問題の所在
第3節 分析方法
第4節 史料
第5節 構成
第1章 キリスト教伝道と子どもの読み物
第1節 伝道の開始とトラクト
第2節 『ピープ・オブ・デイ』シリーズと日本での受容
第3節 『ピープ・オブ・デイ』の翻訳
第4節 『眞神教暁』の評価
第5節 『ライン・アポン・ライン』の翻訳
第6節 宣教師と日本社会のリテラシー
第2章 児童雑誌の源流――『よろこばしきおとづれ』と日曜学校運動
第1節 『よろこばしきおとづれ』の編集
第2節 『小孩月報』と『よろこばしきおとづれ』
第3節 外国日曜学校協会と雑誌の運営
第4節 比較と特色
第5節 読者と流通
第3章 児童雑誌の誕生――『ちゑのあけぼの』とキリスト教
第1節 『ちゑのあけぼの』の関係者たち
第2節 『ちゑのあけぼの』の創刊の目的
第3節 キリスト教との距離
第4章 児童雑誌の展開――『少年園』と西洋文化
第1節 『少年園』と『セント・ニコラス』
第2節 日本における『セント・ニコラス』の受容
第3節 山縣悌三郎の来歴と洋書の受容
第4節 Fumio Yamagataの投稿と皇太子
第5節 『少年園』における『セント・ニコラス』の記事
第6節 『少年園』における加筆修正
第7節 『少年園』の西洋観
第8節 児童雑誌と西洋
第5章 児童雑誌の読書実態――『少年園』の書き入れをめぐって
第1節 書き入れの史料的価値
第2節 『少年園』はどう読まれたか
第3節 批判的に読むということ
第4節 すすめられた読書法
第6章 読書する子どものイメージ――二宮金次郎の読書図を手掛かりに
第1節 読書する偉人、二宮金次郎
第2節 二宮金次郎と「負薪読書」図の定着
第3節 江戸時代の「負薪」図、「負薪読書」図
第4節 二宮金次郎=「負薪読書」図に至るまで
第5節 江戸と明治の「負薪」「読書」図
終 章
付録
『よろこばしきおとづれ』目録
『ちゑのあけぼの』目録
図版目次
索引
上記内容は本書刊行時のものです。