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なお 希望が到来するよう行為せよ
河本英夫教授 退官記念論集
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2026年7月5日
- 書店発売日
- 2026年6月5日
- 登録日
- 2026年4月9日
- 最終更新日
- 2026年5月8日
紹介
河本教授はオートポイエーシス研究の第一人者として、生命・身体・環境の自己生成的過程をめぐる哲学的探究を展開。その成果は、建築、精神医学、リハビリテーション、芸術、科学等の諸領域に波及し、学際的知の生成に重要な示唆を与えてきた。
既存の理論的枠組みに依拠しない独自の思考は、日本における現代哲学の一潮流を形成し、多くの研究者および実践者に継続的な影響を及ぼしている。
各界第一線で活躍する研究者・実践者が集い、論考・回想・エッセイを寄稿する本論文集は、河本教授の業績の射程と意義を多角的に明らかし、今後の研究および実践に資する基礎資料となるものである。エッセイでは出会いと人物の横顔を、論文では学問的展開の最前線を提示。さらに主要著作・翻訳・編著を網羅した業績表を収録。
オートポイエーシス理論の第一人者・河本教授の哲学と実践の全貌に迫る。
目次
■執筆予定者(五〇音順)/タイトル
池上高志 生命システムの強度──Community First Theory とアンドロイドの個体化
池田由美 河本英夫先生とは何者なのか
李 受慧 境界はそもそもなかった
一ノ瀬正樹 行為の完結をめぐる一つの覚書──約束の言語行為をめぐって
稲垣 諭 偶然性と生きる
井山弘幸 サイエンスイメージの時代
岩崎 大 エコ・フィロソフィがつくる身体
宇野邦一 ポイエーシスあるいはポエジー
内海 健 フィロソフィー・ブリュット
大越友博 河本英夫先生に触発された事──身体障害への迂回路・間接的アプロ-チについて
大崎晴地 若気の至りについて
加藤 敏 コギト(デカルト)雑感
小林聡幸 河本英夫は怪獣である
小松美彦 修士論文「生命力と有機的構成――19紀生物学における生命観の研究」
鈴木信一 産出する身体――舞踏生態学の試み
角田京子 精神病理学の旗手としての河本英夫先生
高橋義人 スピノザと現代
武内 大 魔術の心理学化/自然化とオカルティスト・カバラ
直江清隆 「つくる」と「つかう」の相互嵌入的構造 ――ポイエーシスの発生論への序章
永井 晋 密教現象学 序説──生命そのものはいかに現れるか
中里 巧 認知症の母を12年間介護して
信原幸弘 将棋の楽しみ
乗立雄輝 現代哲学における〈孤峰〉――自然哲学の系譜と経験を拡張し続けていく河本哲学
畑 一成 紬がれる色と音
廣瀬浩司 デッサンする言語──「語る語り」と「存在の蛇行」
廣野喜幸 ミッション・インポッシブル──生き生きと生きる
本間桃世 河本先生と天命反転する世界
三重野清顕 人間の変容と不滅性についての覚書――ヘルダーの歴史哲学を手掛かりに
宮本省三 お姫様にもらった玉手箱には何が入っていたのか
村上勝三 「自我」の復権
村部義哉 当事者性とオートポイエーシス
村山悟郎 マルチスケールの色彩についての試論‐導入
山口一郎 発生的現象学における神経現象学の方法論
吉永和加 機械仕掛けの超越──護教論『パンセ』のレトリックを支えるもの
藤坂大佑 河本英夫教授/業績一覧
版元から一言
河本英夫先生は東京大学教養学部を経て、同大学大学院で科学史・科学基礎論を専攻されました。勤務されていた東洋大学文学部では、哲学科の主任教授として学生を指導され、昨年3月に退官。現在は東洋大学名誉教授。
河本先生は「オートポイエーシス」理論の第一人者として広く知られています。ヴァレラとマトゥラーナが提唱したこのシステム論に河本先生は独自の光を当てて、その可能性を大きく広げてこられました。お仕事は哲学や科学の領域にとどまらず、舞踏などの芸術、脳科学・進化論、さらには精神医学やリハビリテーションの現場まで、幅広い分野にヒントと突破口を与えてこられた方です。
ご著書としては、代表作の『オートポイエーシス 第三世代システム』をはじめとして、『システム現象学』『ダ・ヴィンチ・システム』など多数。共著・編著、また、翻訳書も非常に豊富で、アーティストの荒川修作の著作『建築する身体』をはじめとして、哲学・科学・芸術の架け橋となる書籍を多数、世に送り出しておられます。直近の翻訳書としてはヴァレラとマトゥラーナの代表作である『オートポイエーシス 生命システムとはなにか』という著作をちくま学芸文庫から刊行。近年では、こうした長年のご研究を背景に、民芸の作品づくりにも取り組まれており、思索と手仕事が響きあう新たな研究と表現の世界を切り開いておられます。
本論集は、河本先生の影響を受けた各界の第一線の方々が集い、同先生の哲学・現代思想の核心と広がりを検証するものです。
上記内容は本書刊行時のものです。
