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小布施の「鳳凰図」の謎
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2025年6月30日
- 登録日
- 2025年6月2日
- 最終更新日
- 2025年10月20日
紹介
至高にしてアバンギャルドな、北斎最晩年の巨大天井絵「鳳凰図」。
その制作の裏側に、最先端のデジタルスキャン技術で挑む――
印象派をはじめ、世界の芸術文化に影響を与えた葛飾北斎。
代表作「富嶽三十六景」を70代で描き上げた北斎には、さらにその最晩年に手掛けた知られざる肉筆画の大作があった。それが長野県小布施町の岩松院本堂に残された天井絵「鳳凰図」である。
当地の豪商、高井鴻山の招きに応じ、江戸から240キロ離れた小布施まで数度足を運び、手掛けたとされるこの天井画「鳳凰図」にこのたび、高精細デジタルスキャンがなされた。完成した精密な複製作品によって、肉眼では見えなかった細部の筆致が鮮やかに甦り、新たな鑑賞体験を提供するばかりか、浮世絵研究者たちに対しても新たな分析、読解へと結びつく大いなる刺激となっている。
最新技術との融合により、「画工」北斎の新たな側面に光を当て、美術展示の新たな可能性を切り開く一冊。
◉図版230点超! 9名による論稿を収録した充実の内容
【執筆者】
荒井美礼(北斎館学芸員)
日野原健司(太田記念美術館主席学芸員)
国枝学(NTT ArtTechnology)
久保田巌(株式会社アルステクネ)
向井大祐(日本画家)
金田功子(北斎館北斎研究所)
市村次夫(北斎館理事長)
渡辺正己(曹洞宗梅洞山岩松院第三十世住職)
由良哲次(歴史哲学者、美術史家)
目次
はじめに
序 安村敏信(北斎館館長)
一、最晩年の北斎と「鳳凰図」 画業の果て、岩松院にて筆を執る
北斎館について 荒井美礼(北斎館学芸員)
岩松院天井絵「鳳凰図」における制作の経緯と概要
美術作品のデジタル化における希望と課題
荒井美礼(北斎館学芸員)
画狂老人卍
北斎最晩年の暮らしと画業
日野原健司(太田記念美術館主席学芸員)
二、「鳳凰図」に挑む 高精細デジタル解析で新たな魅力と謎を発見する
岩松院について
「Digital×北斎」プロジェクトによる岩松院本堂天井絵「鳳凰図」のデジタル化ならびにデジタルデータの活用について
国枝学(NTT ArtTechnology)
北斎「大鳳凰図」奇跡の想像――高精細デジタル化で解き明かされた新事実
久保田巌(株式会社アルステクネ)
「岩松院天井絵鳳凰図」の制作工程の解析
下絵と天井絵の図像比較
向井大祐(日本画家)
三、北斎と鴻山 江戸で出会い、小布施に大作を遺す
髙井鴻山について
信州小布施の髙井鴻山と葛飾北斎
金田功子(北斎館北斎研究所)
四、北斎と小布施 「小さな町」が、アバンギャルドとしての北斎を発見する
小布施について
北斎が惹き寄せられた町、小布施
市村次夫(北斎館理事長)
岩松院に描かれた天井絵「鳳凰図」を後世に伝える
渡辺正巳(曹洞宗梅洞山岩松院第三十世住職)
資料編
北斎大鳳凰図――北斎小布施諸遺作と髙井鴻山の功績
由良哲次(歴史哲学者、美術史家)
葛飾北斎年譜
おわりに
上記内容は本書刊行時のものです。
