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愛新覚羅と大清帝国 曙光と黄昏
- 初版年月日
- 2025年10月20日
- 書店発売日
- 2025年10月30日
- 登録日
- 2025年9月23日
- 最終更新日
- 2025年10月8日
紹介
一般向けに読みやすく書かれた、古代から近代までの満洲族通史。
【内容】(筆者紹介文より)
筆者の義母は満洲族(満族)である。同民族は、中国国内に居住する55の少数民族の1つで、中国大陸東北部に起源を有する。この場合の「少数」とは、世界最大の民族で約13億人を数える漢民族(漢族)と比較した場合の相対的なものであり、実際には1000万人以上を有する一大民族である。
満洲族は、古くはジュシェン(女真・女直)と呼称していたが、主人を意味する「ベイレ」という言葉と対比して、ジュシェンは「隷民」という意味を含んでいたため、1635年に元々国名であったマンジュ(満洲)を自分たちの種族名とした。翌年、国号であるマンジュは「大清」(通称清朝)と改称され、以後、国号大清、種族名満洲族が定着していく。一般的に「満州族」ではなく「満洲族」とさんずいをつけ表記するのは、五行思想に則った場合、前王朝の明が「火」に属す王朝であったことに由来する。
満洲族の影響力は大きく、チャイナドレスやキョンシー、北京の胡同などはいずれも同民族により生成されたものであり、現代の中国語(普通話)もまた北京官話という満洲貴族が使用する言葉を基礎としたものである。
今現在、満洲族は歴史の中に埋もれているのが実情であるが、中華文化を語る上で重要な位置を占めており、また隣国中国を理解するために同民族や大清への理解を深めることは必要不可欠である。この問題意識に立脚し書かれたのが本書である。
中国に代表される多民族国家は、多民族が織り成す歴史や文化、言語、風習などを基底に巨大かつ複雑な文化を形成し、国力とする。中国で言えば、中華文化がそれにあてはまる。今後、国際交流が進行し、日本に憧れたより多くの海外の人が日本に居住するようになれば、日本において従来と異なる新たな文化が形成されることは疑いない。その際、日本は多民族からなる多文化国家の道を歩むのか、あるいはいつかのように単一民族論を再提唱するのか。我々日本人の叡智が試されている。
目次
第1章 満洲族の源流 粛慎と大金国
一 古代中華世界の満洲族
二 遊牧民族と女真
三 大金建国と遼の滅亡
四 大モンゴル国の成立と大金の滅亡
第2章 大元と大明 ヌルハチ登場前夜の中華世界
一 大元と中華世界
二 朱重八と大明
三 大明と女真
四 モンケテムルの入朝と馬市
五 モンケテムルの死とチュンシャン
六 大明の凋落
第3章 ヌルハチの登場と後金国成立 大清帝国への系譜
一 ギオチャンガとヌルハチ
二 ヌルハチの自立と勢力拡大
三 マンジュ国と女直国
四 四旗制度の成立
五 部族王からハーンへ
六 八旗制度の確立
七 後金国建国と「愛新覚羅」
八 七大恨とサルフの戦い
九 ヌルハチの死
第4章 ホンタイジの継承と大清の成立
一 第八子の即位
二 後金の勢力拡大
三 満洲族の「誕生」と大清建国
四 李自成と張献忠の反乱
五 ホンタイジの死
第5章 大清の入関とフリンの親政
一 フリンの即位と摂政王ドルゴン
二 明の滅亡と大清の入関
三 事実上の皇帝と大清支配の確立
四 ドルゴンの死とフリンの実権掌握
五 三藩の成立とフリンの死
第6章 玄燁の統治と三藩の乱
一 玄燁の即位と四人の輔政大臣
二 荘廷鑨事件と康煕暦獄
三 オボイの専横と玄燁の親政
四 玄燁の実権掌握
五 三藩の乱
六 呉三桂の死
七 ネルチンスク条約
八 玄燁と後継問題
九 皇太子の廃位と戴名世事件
一〇 玄燁の死
第7章 胤禛の綱紀粛正と太子密建
一 胤禛の即位と疑惑
二 太子密建制度の成立と粛清
三 軍機処の設置と支配体制の確立
四 『雍正硃批論旨』
五 勤勉な皇帝
第8章 弘暦の十全武功とヘシェン
一 弘暦の登場と大清の安定
二 十全武功と矛盾
三 文字の獄と巨大帝国の出現
四 対外戦争と矛盾の拡大
五 『四庫全書』
六 ヘシェンの起用と皇太后の死
七 繁栄する大帝国
八 チベット統治と十全老人
九 イギリスとの接触と反清運動
一〇 譲位と永琰の即位
第9章 顒琰の仁政と白蓮教徒の乱
一 白蓮教徒の乱の発生
二 弘暦の最期とヘシェンの自害
三 経済低迷と政治腐敗
四 天理教徒の乱
五 経済低迷と腐敗の継続
六 アヘン問題と顒琰の死
第10章 旻寧とアヘン戦争―太平天国の乱への序曲―
一 皇位継承をめぐる騒動
二 質素倹約の皇帝
三 ジャンガルの乱
四 三角貿易と対英戦争
五 アヘン問題と林則徐
六 アヘン戦争
七 南京条約
八 内乱の前兆
九 奕詝と奕訢
一〇 皇太后と旻寧の死
第11章 奕詝と太平天国の乱
一 奕詝の即位と拝上帝会
二 太平天国の誕生と反乱
三 曽国藩と湘軍
四 天京事変
五 アロー号事件と太平天国の衰退
六 内部分裂と奕詝の死
第12章 載淳と東西両太后の垂簾聴政
一 載淳即位と西太后
二 楚軍と淮軍の成立
三 太平天国の滅亡
四 洋務派の台頭
五 天津教案
六 載淳の成婚
七 載淳の死と後継
第13章 載湉と西太后 戊戌の変法と日清戦争
一 載湉と西太后
二 左宗棠と新疆
三 イリ条約と東太后の死
四 二人の広東人と清仏戦争
五 西太后と頤和園
六 東学党の乱と日清
七 日清戦争と鄧世昌
八 下関条約と公車上書
九 康有為と梁啓超
一〇 載湉と戊戌の変法
一一 西太后と戊戌の政変
一二 義和団の乱
一三 八カ国連合軍結成と大清
一四 辛丑条約と李鴻章
一五 中国同盟会成立と革命の頓挫
一六 載湉と西太后の死
第14章 溥儀と辛亥革命 大清帝国の終焉
一 溥儀の即位
二 載灃と袁世凱
三 「皇族内閣」成立と辛亥革命
四 袁世凱の組閣と孫文
五 溥儀の退位と大清帝国の滅亡
六 東陵事件と「愛新覚羅」の誇り
上記内容は本書刊行時のものです。
