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前川佐美雄歌集 前川佐美雄(著/文) - 書肆侃侃房
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前川佐美雄歌集 (マエカワサミオカシュウ)

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発行:書肆侃侃房
四六判
368ページ
上製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-86385-589-2   COPY
ISBN 13
9784863855892   COPY
ISBN 10h
4-86385-589-3   COPY
ISBN 10
4863855893   COPY
出版者記号
86385   COPY
Cコード
C0092  
0:一般 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2023年6月28日
最終更新日
2023年8月29日
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書評掲載情報

2023-12-16 毎日新聞  朝刊
評者: 小島ゆかり(歌人)
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紹介

生誕120年!

いますぐに君はこの街に放火せよその焔の何んとうつくしからむ (『植物祭』)

塚本邦雄、山中智恵子の師であり、「現代短歌の発端」として比類なき歌を紡いだ歌人・前川佐美雄。

代表歌集『植物祭』『大和』を完本で収録、前川佐美雄の短歌世界を見渡せる1600首。編者による詳細な解説、年譜を付す。

『葛原妙子歌集』(川野里子編)、『山中智恵子歌集』(水原紫苑編)に続く新編歌集シリーズの第3弾。


【栞】

石川美南
菅原百合絵
永井祐


【収録歌より】

いますぐに君はこの街に放火せよその焔の何んとうつくしからむ(『植物祭』)

春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思へ(『大和』)

春の夜にわが思ふなりわかき日のからくれなゐや悲しかりける(『大和』)

火の如くなりてわが行く枯野原二月の雲雀身ぬちに入れぬ(『捜神』)

「おつくう」は億劫(おくこふ)にして億年の意としいへればこころ安んず(『白木黒木』)

目次

『春の日』/『植物祭』(完本)/『白鳳』/『大和』(完本)/『天平雲』/『日本し美し』/『金剛』/『紅梅』/『積日』/『鳥取抄』/『捜神』/『松杉』/『白木黒木』/『天上紅葉』/解説(三枝昻之​)/前川佐美雄年譜

著者プロフィール

前川佐美雄  (マエカワ サミオ)  (著/文

1903(明治36)年奈良県忍海村に代々農林業を営む前川家長男として生まれる。1921年、「心の花」に入会、佐佐木信綱に師事。22年、上京し東洋大学東洋文学科に入学、「心の花」の新井洸、木下利玄、石榑茂から刺激を受け、同年9月の二科展で古賀春江の作品に感銘、関心をモダニズムに広げる。30年に歌集『植物祭』刊行、モダニズム短歌の代表的な存在となる。33年奈良に帰郷、翌年「日本歌人」創刊、モダニズムを大和の歴史風土に根づかせた独行的世界を確立。占領期には戦争歌人の一人として糾弾されたが、『捜神』の乱調含みの美意識が評価され、門下の塚本邦雄、前登志夫、山中智恵子等が活躍、島津忠夫が現代短歌の発端を『植物祭』と見るなど、現代短歌の源流とされる。迢空賞受賞『白木黒木』からの佐美雄の老いの歌は人生的な詠嘆を薄めた融通無碍の世界である。1970年に奈良を離れて神奈川県茅ヶ崎に移り、1990年87歳で死去。

三枝昻之  (サイグサ タカユキ)  (編集

1944(昭和19)年山梨県甲府市に生まれる。早稲田大学第一政経学部経済学科入学と同時に早稲田短歌会で活動、卒業後同人誌「反措定」創刊に参加。現在は歌誌「りとむ」発行人、宮中歌会始選者、日本経済新聞歌壇選者。歌集に『甲州百目』『農鳥』『天目』『遅速あり』他。近現代短歌研究書に『うたの水脈』『前川佐美雄』『啄木ーふるさとの空遠みかも』『昭和短歌の精神史』他、近刊『佐佐木信綱と短歌の百年』。現代歌人協会賞(1978)、若山牧水賞(2002)、やまなし文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞、斎藤茂吉短歌文学賞、角川財団学芸賞(2006)、神奈川文化賞(2010)、現代短歌大賞(2009)、日本歌人クラブ大賞(2022)、紫綬褒章(2011)、迢空賞(2020)、旭日小綬章(2021)他。2013年より山梨県立文学館館長を務める。

上記内容は本書刊行時のものです。