版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
いのちのかたち 安藤 佳香(著) - 東方出版
.
詳細画像 0
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文メール:
注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
ト・日     書店
子どもの文化     書店(直)
直接取引:あり
返品の考え方: 返品は、基本的に了解します。現状、了解者名が必要かとおもわれますので、入帳依頼書をお送りください。

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

いのちのかたち (イノチノカタチ) 時空を超える唐草 (ジクウヲコエルカラクサ)

芸術
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:東方出版
A4変形判
縦287mm 横210mm 厚さ25mm
重さ 1440g
337ページ
並製
価格 10,000円+税
ISBN
978-4-86249-380-4   COPY
ISBN 13
9784862493804   COPY
ISBN 10h
4-86249-380-7   COPY
ISBN 10
4862493807   COPY
出版者記号
86249   COPY
Cコード
C1022  
1:教養 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年1月24日
書店発売日
登録日
2019年12月18日
最終更新日
2020年9月23日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2021-07-07 中外日報  7月7日号/第28692号
評者: 磯部 五月
MORE
LESS

紹介

古代インドで「蓮」は万物創生の華として信仰され、様々な生命誕生
のかたちを創出した。グプタ期に誕生したエネルギー形象「グプタ式
唐草」はしなやかに変容をくりかえしながら東伝し、各地の美意識や
信仰と交じり合って、仏教の「蓮華化生」の源流ともなった。
インド生まれの〝いのちのかたち〟の変容絵巻を703点の写真・図版
(カラー250点、白黒453点)とともにひもといてゆく。
仏教荘厳のルーツをたどる旅。

目次

序 論 唐草の神秘に魅せられて

  凡 例

第Ⅰ章 ストゥーパの蓮華意匠―大蓮華から拡がるいのちの世界
  第1節 バールフット 欄楯浮彫装飾
  第2節 サーンチー第二塔 欄楯浮彫装飾
  第3節 ボードガヤー 聖地を囲む欄楯の蓮華意匠
  第4節 さまざまな〝いのち〟のかたち 新芽・蕨手形、蕾、長葉形、抽象形

第Ⅱ章 グプタ式唐草の世界―本源からのメタモルフォーシス
  第1節 グプタ式唐草の登場
  第2節 グプタ式唐草の顕現
  第3節 エネルギーの核―此岸と彼岸の媒介者
  第4節 生まれ出ずるいのち―グプタ式唐草からの誕生
  第5節 始源のエネルギー

第Ⅲ章 拡がるいのちのかたち―グプタ式唐草の東伝
  第1節 絲シ ルクロード綢之路
  第2節 中  国
  第3節 朝鮮半島
  第4節 日  本

  図版一覧

  主要参考文献

前書きなど

 冒頭でも述べましたが、本書の原点となったのは拙著『佛教荘厳の研究―グプタ
式唐草の東伝―』(2003年刊)です。全十章に二つの付論から成っていましたが、そ
れを三章仕立てに大きく改変し、さらにその後の私自身の研究成果をできる限り組
み入れました。第一章・第二章については、かつて重ねたインドでの実査の折数万
枚におよぶスライドや写真を一から見直す作業のなかで、自説を再検証することに
もなりました。その再検証の過程でさまざまな発見が重なり、新たな成果を得るこ
とができました。グプタ式唐草の前身と考えられる蕨手風の抽象形がすでにバール
フットやサーンチーのストゥーパ欄楯浮彫に頻出していること、それが蓮華を含め
た植物のエネルギー形象として用いられていることがより鮮明に浮かびあがってき
たのです。また前著ではほとんど実査を伴っていなかったシルクロードでの様相に
ついて、幸運に恵まれ度重なる実査の機会を得て、具体的な検討を加えることがで
きたのは、望外の喜びです。
                             「あとがき」より

版元から一言

◉辻惟雄氏推薦のことば
「水底の泥の中から生まれる美しい蓮華は、古代インドにおいて信仰の対象
となり、ギリシャ起源とは異なる唐草文様の系譜を生み出す。それは、仏教
と結びついて、著者が「グプタ式唐草」と命名した独特な生命の表現体とな
り、インドから西域、また中国、朝鮮を経由して日本に至る。
 著者安藤佳香氏は、その系譜を追って単身インドへの旅を重ね、またシル
クロード遺跡の調査にも加わり、苦心の手取り写真は数万ショットにも及ん
だ。
 そこに集積されたイメージは、蓮華と日輪との「円」、波と植物の蔓との
「うねり」を重ね合わせ、蛇・象・亀・鳥・空想獣マカラなどの聖なる動物
を抱合して、無限の変化に富んだ生命の交響となっている。
 従来、蓮華唐草あるいはその同類として比較的単純に扱われてきた対象の
原形は、単なる文様を越えた驚くべき「いのち」の表現世界であった。その
ことの実態が、700点を超える本書の図版によって明らかにされた。有名な
「伝橘夫人念持仏」を荘厳する文様もまた、この世界に根差すものだと知る
だろう。解説文も懇切で分かりやすい。
 研究者はもとより、宗教や美術、デザインに興味をもたれる方に、強くお
勧めする。」(美術史家・東京大学名誉教授)

著者プロフィール

安藤 佳香  (アンドウ ヨシカ)  (

大阪市生まれ。美術史家、佛教大学教授 博士(文学)。日本古代の
一木彫を研究の端緒とし、日本各地での調査を続ける。インド、中
国など国外にもフィールドを拡げ、実作品に即した研究手法で、古
代の仏教美術を研究している。神戸市、大阪府、福井県、鳥取県な
どで長く文化財保護にもたずさわる。徳島県文化財保護審議会委員、
福井市文化財保護審議会委員、密教図像学会常任委員。
本著のもととなった『佛教荘厳の研究―グプタ式唐草の東伝』(中央
公論美術出版)で第15回國華賞を受賞。
神戸市在住。

上記内容は本書刊行時のものです。