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徹夜の塊3 世界文学論 沼野充義(著/文) - 作品社
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徹夜の塊3 世界文学論

発行:作品社
四六判
746ページ
定価 5,200円+税
ISBN
9784861828010
Cコード
C0098
一般 単行本 外国文学、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年4月
書店発売日
登録日
2020年3月12日
最終更新日
2020年3月25日
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書評掲載情報

2020-08-02 読売新聞  朝刊
評者: 栩木伸明(早稲田大学教授、アイルランド文学者)
2020-07-25 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 重里徹也(聖徳大学教授、文芸評論家)
2020-04-26 産經新聞  朝刊

紹介

世界文学とは「あなたがそれをどう読むか」なのだ。つまり、世界文学──それはこの本を手に取ったあなただ。

『亡命文学論』『ユートピア文学論』に続く〈徹夜の塊〉三部作、ついに完結!

「世界文学」などというと少々口はばったく響くが、ぼくはなにもエリート主義的な価値判断をこめてこの言葉を使っているわけではない。ここで言う「世界文学」とは、「世界的に有名な文学」とか、「世界的な大文学」といった意味ではないのだ……。
 世界の各地で、それこそどんなに小さな場所であっても、外に向けて対等に発信できる力を持ったものとして営まれているブンガク。それがぼくの考える「世界文学」である。地球はとうに手狭なものになり、この地上にはもはや未知の民族も言語も存在しないかのようだが、この意味での「世界文学」はまだまだこれから発見されて行かねばならない。そして、その発見のためにも、もっと積極的な移動と交通が必要なのではないか。……それは受け手の今後の人生の中で、じわじわと波紋のように広がり続けるだろう。世界文学の交通とは、このような波紋をもっともっと増やし、幾重にも重ね合わせていくことだ。(本書所載「交通する「世界文学」」より)

目次

はじめに――世界文学、それはあなただ

一 世界

1 世界文学へのアプローチ
切手蒐集家の哀しみ、あるいは「早く家に帰っておいで、子供たち!」
世界(文学)とは何か?――理念、現実、実践、倫理
「西洋文学」から「世界文学」へ――事典というにぎやかな祝祭の場で
ヨーロッパの片隅で村上春樹とノーベル賞と世界文学のことを考えた――ウクライナ、リヴィウより
ノーベル文学賞発表見送り――現代に相応しい選考だったか
ハントケとトカルチュク――二人のノーベル文学賞受賞者
ユーラシア文学宣言――ヨーロッパとアジアをつなぐ世界文学論は可能か?
レーリッヒの謎

2 理論と歴史
理論を携え、新しい世界文学に向けて旅立とう.
これから先も当分死ぬことのない小説のために
超越性の文学――日常を超えたものと向き合うために
カフカの発見した遊園地――二十世紀小説の展開

3 翻訳とアダプテーション
薄餅とクレープはどちらが美味しいか?
なぜ古典新訳は次々に生まれるのか?
日本文学の海外普及対策への提言――新たな世界文学の時代に向けて
翻訳は世界文学の別名である――現代日本文学が外国語に翻訳されて何のいいことがあるんだ、と言う人たちのために
不自由の果てへの旅
「アダプテーション論的転回」に向けて

二 響き交わし
愛から出発するために
ドストエフスキーの世界性(亀山郁夫/沼野充義)
村上春樹とドストエフスキー――現代日本文学に対するロシア文学の影響をめぐって
聖書とウィスキー――ロシア人はフォークナーをどう読んできたか
ロシア人は村上春樹がお好き?――源氏物語から村上春樹まで ロシアにおける日本文学の受容
二人の「佳人」の出会い――日本人とポーランド文学

三 詩と世界
詩歌を生成する言語
ロシアとポーランドの「古典」詩歌を読むようになったわけ
悲劇の身振りを一歩越えて――シェイマス・ヒーニーとソ連・東欧の詩人たち
ルジェヴィッチ、あるいは生き残りの論理
詩でしかないのに、詩以上の何かでもある――現代ポーランドの詩の純粋さと不純さについて
私たちのミウォシュ祭
クラクフ 花と詩紀行2011――チェスワフ・ミウォシュ生誕百周年フェスティバルに参加して
地図を失った時代の詩人――荒川洋治
「私」に内蔵された、宇宙と交信するアンテナ――谷川俊太郎
死ぬほど好きな詩人たち
プレヴェール詩集.

四 辺境の地詩学
さまよえる境界、捏造された幻影――中(東)欧文学の〈地詩学〉を求めて
帝国の「辺境」、その光と影――エストニアの歴史とヤーン・クロスの文学
歴史と民族の交差する場所で――カントとリトアニア・ロシア文化
二人のバルトルシャイティス
チュルリョーニスとリトアニア文化――ヨーロッパの「辺境」からやってきた幻視者
夜行列車に乗って――バルト文化紀行
精神と物質が直接出会う場へ
「内なる辺境」とクレオール――安部公房の後期作品
差違と普遍性――現代チベット文学が切り拓くもの

五 中欧の星座
「聖」の顕現としての文学――ルーマニアの物語る〈宇宙羊〉を称えて
魂の親和力が形づくる星座――ブルーノ・シュルツと世界文学
絵画―書物―文学 ブルーノ・シュルツを蘇らせるために
ダニロ・キシュと山崎佳代子――惨劇と、夏草と、世界文学の出会いについて
ダニロ・キシュの『庭、灰』
現代中欧ポストモダン文学の旗手、エステルハージ
エステルハージ・ペーテルの古い名前と新しいスタイル
美酒と奇想――ミロラド・パヴィチを称えて
愛を超えて――スタニスワフ・レム『ソラリス』
レムは一人でそのすべてである――東欧の小さな町から宇宙を幻視した人の死

六 世界文学クロニカ
世界との本当の出会いに向けて――大江健三郎と「世界文学」
「かえるくん、東京を救う」と世界文学
言語的越境者の軌跡――リービ英雄『日本語を書く部屋』
二つの言語、二つの〈地獄〉の間で――リービ英雄『千々にくだけて』
魂が飛び、虎が憑き、鬼が云う――多和田葉子『飛魂』
越境する作家、亡命する文章――多和田葉子『海に落とした名前』
言語と歴史が交差する輝かしい氷原――多和田葉子『雪の練習生』
大きな楊文学についての小さな論
ポスト・ガルシア=マルケスの世界文学――絶望的な多様性に楽しく向きあうことの勧め
交通する「世界文学」.
ゲーテの家の庭は意外に小さかった
いまどうして世界文学なのか?――ゲーテから池澤夏樹まで
「三・一一後」の世界文学を読むために
あえて文学を擁護する
越境する文学

解題を兼ねたあとがき
索引/初出一覧

上記内容は本書刊行時のものです。