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フェノロサ手稿「日本絵画蒐集作品解説付総目録」復刻・翻刻・邦訳集成   Complete Catalogue of Collection of Specimens of Japanese Art including Notes and Commentaries and Reference to the Other Note Books belonging to the Collector アーネスト・F・フェノロサ(著/文) - エディション・シナプス
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Collected Works of Japanologists

フェノロサ手稿「日本絵画蒐集作品解説付総目録」復刻・翻刻・邦訳集成 Complete Catalogue of Collection of Specimens of Japanese Art including Notes and Commentaries and Reference to the Other Note Books belonging to the Collector

B5判
上製
価格 38,000円+税
ISBN
978-4-86166-212-6
Cコード
C3571
専門 事・辞典 絵画・彫刻
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年7月20日
書店発売日
登録日
2020年3月10日
最終更新日
2020年8月6日
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紹介

ボストン留学中の故秋山光夫氏(当時東京博物館鑑査官)が1930年に現地の古書店で発見、購入した、アーネスト・フェノロサの自筆ノート(現在早稲田大学会津八一記念博物館所蔵)の初の公刊です。
お雇い外国人教師として来日後日本美術蒐集を開始したフェノロサが、入手した日本絵画の作品名、作者や流派などの基本情報を記し目録化した自筆ノートで、作品の図様や特色について自らの解説や助言を得た日本人美術専門家(鑑識家や画家)の意見が加えられています。ノート末にはフェノロサ自身が作成した索引も付されています。記載されている日本絵画は、米国帰国後、初代日本部部長となるボストン美術館に寄託され、現在同館の日本絵画コレクションの核の一つとなっています。フェノロサの日本での美術品蒐集の履歴や日本美術への理解を研究する資料としてだけでなく、明治期の専門家による日本美術の評価、そして日本美術の海外への流出史などを研究する上で極めて貴重ですが、現在まで公刊されることはなく、その内容は一部が紹介されるのみにとどまっていました。
 本出版では、手稿ノート全ページの影印復刻に英文全文を翻刻、さらに編者による邦訳と解説を加えます。また、目録中の各作品とボストン美術館の収蔵番号との対照表を作成し、現在同美術館のウェブサイトで公開されている美術品へのアクセスの利便性を図ります。

目次

①カラー図版(ボストン美術館 フェノロサ・ウェルド・コレクションより)/ Plates of Selected Paintings from The Fenollosa-Weld Collection, Museum of Fine Arts, Boston, c. 8 pp.
②英文解説 / Introduction by Seiichi Yamaguchi, c. 8 pp.
③フェノロサ手稿目録影印復刻(含む索引) / Facsimile Reprint of Complete Catalogue of Collection of Specimens of Japanese Art including Notes and Commentaries and Reference to the Other Note Books belonging to the Collector Ernest Francisco Fenollosa, c. 200 pp.
④英文翻刻(含む索引)/ Transcription of the ‘Catalogue’ including Index by Ernest Francisco Fenollosa c. 60 pp.
⑤編者英文註 / Editor’s Notes & Glossary, c. 8 pp.
⑥日本語解説/ Introduction in Japanese c. 5 pp.
⑦邦訳「日本語絵画蒐集作品解説付総目録」/ Translation of the ‘Complete Catalogue’ in Japanese c. 60 pp.
⑧作者および引用人物等日本語註解 / Editor’s Notes in Japanese, c. 10 pp.
⑨ボストン美術館所蔵品アクセス対照表 / List of Access Numbers of Museum of Fine Arts, Boston, c. 5pp.

前書きなど

推薦のことば 佐藤道信 (東京芸術大学教授)

 待望の書がついに刊行された。海外に数ある日本美術コレクションの中でも、アーネスト・フェノロサが収集したボストン美術館の日本美術品は、質量ともに群を抜いている。東京大学のお雇い教師として来日したフェノロサが、ジャポニスム最盛期の1880年代、日本で自ら鑑定法を学び、現地日本で直接購入した作品群だからである。本書はその自筆の購入記録(「掛物」)であり、全頁の影印と、フェノロサ研究の第一人者山口静一氏による翻刻と翻訳、解説からなる。購入作品一点一点に、真贋と作品評を記したフェノロサの几帳面さにも驚かされるが、同書が1930年ボストンの古書店で、当時東京帝室博物館の館員だった美術史学者秋山光夫氏によって発見、購入されたという運命的な出会いも伝説化されていた。
 フェノロサは岡倉天心の師でもあり、日本画革新運動(鑑画会)、東京美術学校(現東京芸術大学美術学部)、「日本美術史」研究、古美術保護の創始者でもある。彼ら二人の活動は、現在の日本での各局面のあり方を決定づけており、本書はその最初期の現場でのいわばフェノロサの肉声、彼が何を考えていたのかをリアルに伝えている。ここから読み取れる情報は甚だ多く、作品情報から鑑定方法、アドバイザー、当時の日本・中国美術の知識など、140年前からの同時中継を聞いているようでワクワクさせられる。様々な新知見が切り出されることを期待したい。

著者プロフィール

山口静一  (ヤマグチセイイチ)  (編・解説

埼玉大学名誉教授

上記内容は本書刊行時のものです。