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ポストモダンの新宗教 島薗 進(著/文) - 法藏館
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ポストモダンの新宗教 (ポストモダンノシンシュウキョウ) 現代日本の精神状況の底流 (ゲンダイニホンノセイシンジョウキョウノテイリュウ)

文庫
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発行:法藏館
文庫判
厚さ17mm
重さ 203g
352ページ
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-8318-2621-3   COPY
ISBN 13
9784831826213   COPY
ISBN 10h
4-8318-2621-9   COPY
ISBN 10
4831826219   COPY
出版者記号
8318   COPY
Cコード
C1114  
1:教養 1:文庫 14:宗教
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年5月15日
書店発売日
登録日
2021年3月19日
最終更新日
2021年3月19日
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紹介

「反近代」を原動力とした、「救い」の正体に迫る!

一九七〇年代以降に急成長し、ときに一部が一般社会との軋轢や葛藤を生むこともあった「新新宗教」。その実態とは一体どのようなものなのか。

反世俗主義・ナショナリズム・新霊性運動・教団の内閉化といった多元的な参照軸から「新新宗教」の特徴を読み解き、近代=モダンとは異質なものを追求・志向したその信仰世界の様相を浮き彫りにする。

「新新宗教」を日本そして世界の宗教状況とリンクさせ、現代宗教論に一つの展望を与えた画期的試み。

**********************
本書で「ポストモダン」というとき、近代=モダンの制度と価値が社会全体に浸透する一方、その浸透を促した理念の諸前提が相対化され、自覚的に近代=モダンとは異質なものが追求される時代相という意味で用いている。……したがって本書の枠組みは、典型的に近代的な特徴をもった宗教集団や宗教運動群が停滞する状況の中で、それとは異なる特徴をもったり、志向する宗教運動群が台頭する様を描き出すということになる。(本書「あとがき」より)
**********************

【本書の内容】
 序 章 新新宗教とポストモダン

第一部 宗教運動の変容
 第一章 「旧」新宗教と新新宗教
 第二章 新新宗教の信仰世界
 第三章 輪廻転生と終末観

第二部 ナショナリズムの興隆
 第四章 反世俗主義とナショナリズム
 第五章 新新宗教のナショナリズム
 第六章 日本人論と宗教

第三部 モダンへの対抗
 第七章 宗教復興の中の新新宗教
 第八章 一九七〇年から九〇年へ
 第九章 近代的価値に抗して

 終 章 現代宗教と悪

あとがき
文庫版あとがき

※本書は2001年9月に東京堂出版より刊行された書籍の文庫版です。

目次

序 章 新新宗教とポストモダン
 [一]「カルト」か新新宗教か?
 [二]新新宗教という語の使用法
 [三]新新宗教への問い

第一部 宗教運動の変容
第一章 「旧」新宗教と新新宗教
 [一]「旧」新宗教と現世救済思想
 [二]新新宗教と共同体

第二章 新新宗教の信仰世界
 [一]貧病争という動機から「空しさ」の動機へ
 [二]現世志向から現世離脱へ
 [三]心なおしの脱倫理化と心理統御技法の増加
 [四]神秘現象と心身変容への関心の増大
 [五]自己責任の強調、および自己の霊魂の永続の意識
 [六]聖なる宇宙の再構成
 [七]破局切迫の意識(千年王国主義)とメシアニズムの昻揚

第三章 輪廻転生と終末観
 [一]輪廻転生と来世観
 [二]「終末観」の深刻さ

第二部 ナショナリズムの興隆
第四章 反世俗主義とナショナリズム
 [一]宗教制度のポストモダン
 [二]国家儀礼や精神伝統の強化
 [三]新新宗教の中で
 [四]「霊性の時代」
 [五]まとめ

第五章 新新宗教のナショナリズム
 [一]神道系新宗教のナショナリズム――戦前から戦後へ
 [二]ワールドメイトの場合
 [三]新新宗教のナショナリズムの特徴

第六章 日本人論と宗教
 [一]新新宗教と日本文化論
 [二]日本人論と日本教論
 [三]日本教論の原型と近代化過程での多様化
 [四]新しい肯定的日本教論の興隆
 [五]新しい肯定的日本教論の特徴と興隆の背景

第三部 モダンへの対抗
第七章 宗教復興の中の新新宗教
 [一]「宗教ブーム」の中の新新宗教
 [二]新霊性文化を生きる人々
 [三]世界の宗教復興の中で

第八章 一九七〇年から九〇年へ
 [一]初期GLAの救済思想
 [二]幸福の科学の救済思想
 [三]GLAと幸福の科学の救済思想の特徴

第九章 近代的価値に抗して
 [一]「旧」新宗教から新新宗教へ
 [二]エホバの証人と宗教集団の内閉化
 [三]幸福の科学と世俗主義的価値の批判
 [四]新新宗教と「反近代」の変容

終 章 現代宗教と悪
 [一]オウム真理教と悪の実在の誇張・誇示
 [二]新霊性運動と悪の不在の誇張
 [三]「近代以後」「宗教以後」の時代における自己と悪

あとがき
文庫版あとがき

著者プロフィール

島薗 進  (シマゾノ ススム)  (著/文

1948年東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学名誉教授、上智大学大学院実践宗教学研究科教授、同大学グリーフケア研究所所長。著書に『現代救済宗教論』(青弓社)、『現代宗教の可能性』『スピリチュアリティの興隆』『日本仏教の社会倫理』(以上、岩波書店)、『明治大帝の誕生』(春秋社)、『新宗教を問う』(筑摩書房)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。