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大江卓の研究 大西 比呂志(著) - 芙蓉書房出版
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大江卓の研究 (オオエタクノケンキュウ) 在野・辺境・底辺を目指した生涯 (ザイヤヘンキョウテイヘンヲメザシタショウガイ)

歴史・地理
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A5判
320ページ
並製
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-8295-0866-4   COPY
ISBN 13
9784829508664   COPY
ISBN 10h
4-8295-0866-3   COPY
ISBN 10
4829508663   COPY
出版者記号
8295   COPY
Cコード
C3021  
3:専門 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年9月
書店発売日
登録日
2023年7月27日
最終更新日
2024年3月14日
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紹介

幕末の土佐に生まれ、開明的官僚、反権力志向の政治家、野心的実業家、社会運動家というさまざまな“顔”をもつ大江卓の74年の生涯を描いた評伝的研究。

毀誉褒貶相半ばする人物像の虚像と実像を解明!


大江卓(1847-1921)とはどんな人物か
★開明の時代
生まれ故郷の高知県宿毛を出て、幕末の討幕運動に参加、維新後に明治政府に出仕し、開明的改革への建議に関わる(部落解放令、芸娼妓解放令)。
明治5年、神奈川県権令となり日本初の国際裁判「マリア・ルス号事件」の裁判長として清国人苦力の解放に尽力。近代女子教育も支援。
★在野・反抗の時代
明治10年政府転覆計画(立志社事件)に加わり投獄される。出獄後大同団結運動に加わり、明治23年衆議院議員当選。第一議会の予算委員長として活躍。
★大陸雄飛を目指した時代
実業界に転身し、東京株式取引所頭取を務め、朝鮮半島での鉄道事業に進出。清国、辺境の雲南省にも踏破し革命派を支援。
★底辺の民衆に献身した時代
大正期は、仏門に入り帝国公道会を創立して部落融和運動に挺身。全国を講演して回る。

目次

◎第一章 土佐の周縁から
一 勤王と倒幕
土佐最西端の柏島と宿毛/宇和島・長崎遊学/天満屋事件~龍馬暗殺の復仇/高野山義挙/東征に出遅れる
二 明治新政府へ
放浪の日々・上海渡航/神戸湊川の体験と弾直樹との交流/賤称廃止への二つの建議/福岡藩への出張
三 近代化の先端
工部省鉄道寮~鉄道開業準備/陸奥宗光と神奈川県/警察制度改革の先駆/マリア・ルス号事件~日本初の国際裁判の開始/裁判勝利~広報外交を支えた人々
四 開化の地横浜
芸娼妓解放令~遊郭制度の近代的改革/鉄道開業式に臨む/キリスト教女子教育を支援する/大江の「妻」とは誰か/人民尊重の姿勢を示した開明的地方官
◎第二章 在野・反抗の時代
一 官界を去って
征韓論起こる/横浜生糸改会社と列強/大隈内務卿と陸羽巡廻報告/後藤象二郎と蓬莱社
二 政府転覆の策謀
西南戦争への呼応/立志社事件と大江/盛岡監獄に収監されるも厚遇を受ける/獄中で人生の目標を思索する/小苗との「離婚」
三 帝国議会へ
大同団結運動への参加/後藤象二郎の側近最有力者に/代議士へ~第一回衆議院議員総選挙/岩手での選挙戦に当選/衆議院予算委員長に~土佐派の「裏切り」/第二回総選挙で落選
◎第三章 大陸・辺境を目指して
一 実業界への転身と鉄道事業
東京株式取引所頭取に/日清戦争と「外資利用論」/朝鮮半島での鉄道事業に進出/後藤、陸奥、小苗の相次ぐ死/京釜鉄道事業と渡韓調査/京釜鉄道合同条約修正問題
二 韓国内政への参画
玄暎運と伊藤博文/水輪院副総裁~日本政府と韓国皇帝をつなぐ地位に/亡命者帰国問題に民間人ルートで工作/京義鉄道と営義鉄道~三国合従の構想/日露開戦と林公使との確執/伊藤博文招聘と日韓協約
三 中国大陸への夢
北清を歴遊/雲南省干崖に刀安仁を訪ねる/帰国の旅/孫文を内田良平を通じて支援
◎第四章 大正の新時代 底辺の民衆のために
一 憲政擁護運動と土佐同志会
「明治の罪人」として/融和運動への挺身/帝国公道会の創立/内務省の後援と地方巡講
二 「デモクラシー」との攻防
博毎事件~福岡への救援/米騒動への対応/原内閣と部落改善政策/喜田貞吉と尾佐竹猛の大江卓評価/普通選挙への不信
三 最後の闘い
部落融和の講演を各地で/雑賀博愛と『大江天也伝』記/最後の地方巡講/大江の後を継ぐもの/七四年の生涯を閉じる
◎終 章 よみがえる大江卓
アジア太平洋戦争とビルマ独立/国威宣揚と物語化されるマリア・ルス号事件/映画「奴隷船」~軍国主義の虚像/戦後民主主義のなかで~復活するマリア・ルス号事件と大江/道徳教育の「偉人」

著者プロフィール

大西 比呂志  (オオニシ ヒロシ)  (

大西 比呂志(オオニシ ヒロシ)
1955年生まれ。早稲田大学政治経済学部、大学院政治学研究科をへて、フェリス女学院大学国際交流学部教授、学部長、評議員を歴任し名誉教授。専門は政治学政治史。
主な著書に『伊沢多喜男 知られざる官僚政治家』(朔北社、2019年)、『横浜をめぐる7つの物語 地域からみる歴史と世界』(フェリス女学院大学、2007年)、『横浜市政史の研究 近代都市における政党と官僚』(有隣堂、2004年)、『伊沢多喜男と近代日本』(編著、芙蓉書房出版、2003年)、『大東京空間の政治史 1920~30年代』(共編著、日本経済評論社、2002年)、『首都圏形成の戦後史 計画・開発と自治体』(共編著、日本経済評論社、2023年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。